理学部 数理・物理学科
伊藤 涼 助教
Ito Ryo

研究分野 非線型偏微分方程式、変分問題

出身地/東京都
趣味/散歩
休日の過ごし方/カフェでゆっくり
好きなTV番組/テレビは見ない
好きな映画/ジブリ作品
好きな食べ物/お好み焼き
好きな国/日本、フランス

理学部 数理・物理学科 伊藤 涼 助教

身の回りのさまざまな自然現象・社会現象を
記述する「数理モデル」の謎に迫る!

外来生物種の侵入と伝播を「微分方程式」で記述する

外来生物種の侵入と伝播、伝染病の流行、文化の地域を超えた広がり方など、私たちの身の回りにはさまざまな自然現象・社会現象があふれています。このような現象は、時として「数理モデル」によって説明できることがあります。例えば、ニュートンの運動方程式を使えば、ボールを投げたとき、どこに着地するかを数式でシミュレーションすることができます。私が研究しているのもこうした「数理モデル」のひとつで、「非線型偏微分方程式」と呼ばれるものです。特に伝播現象を記述する方程式を中心に取り扱っています。

具体的には、外来生物種が生息地を広げていく現象を、生物種が増殖しながら拡散する過程として単純化し、微分方程式によって記述したモデルが私の研究対象です。では、生物種の個体数密度の変化を調べるにはどうすればいいでしょうか? このような変化する量は数学的には関数として表現でき、関数の変化は微分で捉えることができます。さまざまな自然現象・社会現象は、考えたい量の変化率(微分)と変化を引き起こす要因の関係を考えることによって、微分を含んだ関数方程式「微分方程式」として数学的に記述されるのです。私は生物学の専門家ではないので、外来生物種の侵入による社会的な影響に関心がある訳ではありません。興味の対象は、あくまでも方程式の“数学的な性質”で、解の構造などについて詳しく調べています。

大学の講義は学びのきっかけ。学ぶこと・思索することをバランスよくしよう

中学・高校時代から数学は得意科目でした。ただ、数学の授業では、先生の話をあまり聞いていませんでした……(笑)。その代わり、自分で教科書の先を読んでいろいろなことを考えたり、問題集を勝手に進めたりしていました。私はあまり良い学生ではなかったかもしれませんが、大学生になるとむしろこういう学習が中心になります。大学の講義は学びのきっかけに過ぎません。本当に興味・関心を持ったことは、自分で本を読んで学び、いろいろ試してみながら納得できるまで考えるしかないです。気になる、何か面白い、もっとわかりたいという気持ちを大切にしてください。学問には寄り道も必要です。

現在は、微分積分と線型代数の演習を主に担当しています。やさしい微分方程式は積分することによって解くことができ、方程式の解法や解の集まりは線型代数の言葉で理論的に見通しよく整理されます。もちろんこれは微分積分・線型代数のひとつの側面の話です。みなさんはさまざまな場面で微分積分・線型代数の恩恵にあずかることになります。演習で手を動かしながら、数学を学ぶうえで基本となる考え方を一緒に学んでほしいと思います。

何かを本気でやった経験があなたの個性や価値観になる

授業ではみなさん一人ひとりが数学の理論、さらには、いろいろな物事に対して自分なりの意見を持つ手助けをしたいと考えています。大学の数学は非常に難しいです。私もいまだにわからないことだらけで日々精進しています。難しい数学の理論を仲間と共に手探りで学ぶことによって、緩やかに自信や謙虚さ、ポジティブで協力的な姿勢が身につくのだと思います。先入観なく互いに敬い尊重するフラットな関係を築くことができてはじめて、学問の場に相応しい自由闊達な議論が可能になるのです。

学問でなくても構わないので、好奇心の赴くままに自分の興味のあることにとことん挑戦することをおすすめします。楽しいことだけでなく、辛いこともあると思いますが、さまざまな人と関わりながら自分なりに工夫して何かに全力で取り組むことも貴重な経験です。そうすることによって、自分のことがおぼろげながらもきっとわかってきます。それが日常となるほど没頭し、本気で自分なりに考えたなら、学んだことを忘れてしまっても構いません。何かを本気でやった経験はみなさんの奥底に残り、知らず知らずのうちに個性や価値観となってやがて芽吹きます。それがみなさんのよりどころとなるのだと思います。

帰り道の夜景
大学からの帰り道の夜景です。散歩が趣味なので、帰り道は電車に乗らないで歩くことがあります。電車なら6分で着く距離も歩きだと約1時間かかります。歩きながら考えごとをしています

喫茶店
休日は、喫茶店でゆっくりするのが好きです。本を読んだり、頭の中でアイデアをまとめたりしています。居心地のよい喫茶店をいつも探していますが、コロナ禍になってからあまり行けていません