工学部 物質生命化学科
織作 恵子 准教授
Orisaku Keiko

研究分野 有機金属化学、固相反応

出身地/石川県金沢市
家族構成/夫、息子
子供の頃の夢/化学者
尊敬する人/マリー・キュリー
趣味/野菜作り、数独
休日の過ごし方/料理、ビデオ鑑賞
好きな音楽/THE ALFEE、アリス、CHEMISTRY
好きな食べ物/和食、貝類

工学部 物質生命化学科 織作 恵子 准教授

化学反応は美しい。結晶は魅惑の世界!

マイナーな「固体反応」の世界

「金属錯体」、特に有機物(炭素の化合物)と金属が結合した「有機金属錯体」を中心に研究しています。「(有機)金属錯体」は耳慣れない言葉かもしれませんが、赤血球中のヘモグロビン(鉄)、ビタミンB12(コバルト)、光合成を担うクロロフィル(マグネシウム)など、私たちの身の回りにたくさん存在していますし、ヒトの必須元素と言われる亜鉛や銅、マンガンなども多くが身体の中では金属錯体として存在しています。そんな皆さんがあまり知らない金属錯体の、さらにあまり知られていない固体の反応、特に結晶中での反応、というのが私の研究分野です。

大きな氷をイメージしてみてください。その塊の中で「もの」が動くでしょうか? 液体と違って、何も動かない、反応など起こらない……と思われがちですが、実は固体の中でも「もの」は動きます。ただし、液体とは違って固体の中では決まった方向に、少しだけしか動くことができません。そのため、決まった一つの反応だけしか起こらなかったり、液体中では絶対に起こらない反応が起きたりします。これまでの金属錯体の研究は液体中の反応が主でした。固体の反応はマイナーといってもいいでしょう。でも、「ほかの人がやらないことをやる」のが研究の面白さ。人はみんな一人ひとり違うのですから、面白いと思うことが違うのが当たり前。私は結晶が大好きです。結晶や固体の中でいろいろなものを反応させたいと思っています。どうしたら固体の中で思い通りの反応が進むのか、見つけられたらうれしいですね。

公式を暗記する必要はない。現象をどう理解するかが肝心

「分析化学」は化学の基礎です。なぜなら、自然科学はすべて実験データ=分析データの上に成り立っているからです。公式も法則も、実験で発見した事実あってのこと。公式を暗記するのではなく、「どういう現象(なに)を見ているのか」「なぜそうなるのか」という「what」と「why」を意識して、その疑問を解決していくような学び方をしてほしいと思っています。ですから、授業では解き方「how to」ではなく、まず現象を説明して、そこから理論の理解へ進めていきます。そもそも、化学は現象ありきの学問です。「実験事実をどう解釈するか」というところから、一定の法則性や公式が出てきます。「なにを見ているのか」が分からなければ、解き方を覚えても無意味です。現象を正確に捉らえることで、「なぜ?」から「なるほど!」と感じたときに解き方や公式が意味を持ち、学びが始まります。

自分で「選択する」ことが大切

日々の生活の中で常に「なぜ今これをしているのだろう?」と自分に問いかけてみましょう。ただ何となく過ごしてしまうと、「今日は何もしなかったな……」と落ち込みますよね。でも、「疲れた」→「今日はとにかく休む」と決めてしまえば、だらだらと一日過ごしてもOK。「なぜ」を考えて「選んだ」時、すべてが有意義な行動になります。4年間は長いように思えるかもしれませんが、ぼうっとしているとあっという間に時間は過ぎていきます。常に「なぜ」「どうして」と問いかけながら生活していると、気づいた時には前に進んでいるはずです。

そして、問いかけるときに、ちょっと見方を変えてみてください。自分のこと、身の回りのこと、今だけでなく、時間的にも空間的にもほんの少し考える範囲を広げてみると、違う選択が見えてくるかもしれません。ほかの人のこと、違う国に住む人のこと、今までとこれからの未来。道を歩くときに足元だけを見ていてはどこにも辿り着けません。目を上げて遠くを見ないと正しい方向には進めません。少しずつ大きく広い見方をしていくときに、本当に有意義な選択ができるのではないでしょうか。

聖書
「聖書」抜きで私の人生は語れません。ただし、「変わったクリスチャンだね」とよく言われますが

JACS(Journal of the American Chemical Society)に掲載された論文
博士課程の時にJACS(Journal of the American Chemical Society)に掲載された論文です。この研究の感動が忘れられず、研究から離れられなくなりました。30年以上前の論文ですが、最近でもしばしば引用されます