工学部 電気電子情報工学科
根岸 信太郎 准教授
Negishi Shintaro

研究分野 電力システム工学、電力工学、社会システム工学

出身地/兵庫県神戸市
生年/1990年
子供の頃の夢/電車の運転手
尊敬する人/吉田松陰
愛読書/原田宗典のエッセイ
趣味/野球観戦、ゲーム、電力設備見学
休日の過ごし方/睡眠と散歩
好きな著名人/Perfume
好きな食べ物/そば、丼もの、甘いもの

工学部 電気電子情報工学科 根岸 信太郎 准教授

再生可能エネルギーをより活用するために
電力システムの運用最適化を研究しています。

電気電子工学で「社会システムを考える」

皆さんがいつも当たり前のように使っている「電気」。エネルギー有効利用の観点から、今や給湯器や自動車まで電気で動かす流れが加速しています。この電気というものは、エネルギーの形で大量に蓄えることが難しく、常に消費する電力と同じだけ発電をする必要があります。そして、発電した電気エネルギーは、送電、配電されて、私たちの手元に届きます。私はこうした電力システムの運用最適化と予測に関する研究を行っています。

電力需要は、1日の中で変動します。多くの人が家事をしたり、仕事をしたりする日中は電力需要が高く、就寝している深夜は低くなります。電力会社は、これに合わせて火力発電による電力の需給バランスを調整しているわけです。太陽光発電や風力発電は、天候変化の影響を受けるため、急に必要とされても都合よく稼働できないのが課題です。そこで私は、太陽光発電や風力発電のような変動性再生可能エネルギーの発電計画を作成する最適化モデルを考えています。さらに、こうした研究で得た知見を応用して、将来の電力需給を予測して、エネルギー政策の経済性や環境性を評価するシミュレータの開発にも取り組んでいます。電力システムといっても発電所レベルで考えるのではなく、社会全体で考える。地域ごとのさまざまなシステムの統合を目指すことから、「システム・オブ・システムズ」の研究なんて呼ばれることもあります。電気電子工学には、「社会システムを考える」という研究分野もあるのです。

現在、工学部電気電子情報工学科の授業では、「基礎制御工学」と「パワーエレクトロニクス基礎」を担当しています。制御工学は、モノを思った通りに動かすためにどのような入力を行えばいいか、数学モデルを使って解き明かします。パワーエレクトロニクスは、電気回路や電子回路、さらにこれらを制御する方法の基礎について学びます。どうしても複雑な分野なので、写真や動画を多用して、わかりやすい授業を心がけています。

「社会を支える」というテーマに強く惹かれた

私は、兵庫県神戸市出身で、大阪府立大学で大学院の博士課程まで、電力システムや企業の物流の最適化システムについて学びました。ホームページを自作するなどの経験があり、高校時代から漠然と「電気系、情報系を学びたいな」と思っていたので、出身大学の「電気情報システム工学科」というなんでもできそうな学科に進学しました。そこで、さまざまな授業を受けるなかで、電気を通して「社会システムを考える」という学問分野があることを知ったのです。

この研究の面白さは、なんといっても社会課題の解決に直接貢献できる可能性があることです。「アプリをつくりたい」「プログラミングをやりたい」といった特化した興味関心がなかった学生時代の私は、むしろ「社会を支える」というテーマに強く惹かれた気がします。これは学部3年次に、東日本大震災が発生し、社会システムとしての「電力」の重要性を痛感したことも理由かもしれません。

小さな「改善」の積み重ねが社会課題を解決するイノベーションに

大学院博士課程までの研究生活を通して、私は自分の手で課題を見つけ、解決方法を考え、それを実行に移すスキルを身につけました。これは社会人になっても必ず役立つものです。学生の皆さんにもぜひ授業や研究室の活動を通して、こうした力を養ってほしいと思います。小さな「改善」の取り組みも積み重ねれば、いつか社会課題を解決するようなイノベーションにつながる可能性があるのです。

「SDGs」「Society 5.0」など、世界は持続可能な社会の実現に向けて動き始めています。まだまだ全体の発電量の一部である再生可能エネルギーもいずれは電力供給の重要な柱になっていくでしょう。そんな未来に向け、ぜひ「エネルギー問題」や「電力システム」の分野に関心を持ってください。これらの知識は、将来の就職活動でも大きな強みになるはずです。

電力システムに関連するプラモデル
風力発電機や変電所などの電力システムに関連するプラモデル。ネットやプラモデル売り場で見つけるとついつい買ってしまいます。数は多くありませんが、作り上げて飾っているだけで気持ちが和みます

電力システム工学に関する専門書
電力システム工学に関する専門書。書店で新しい専門書が売っていると買い集めてしまいます。同じ専門ではありますが、それぞれ個性があり読み比べると非常に面白いです。特に『電力系統過渡解析論』(関根泰次著/右端)は昔の名著で、出版社から限定復刻の一報があったときすぐに予約して入手しました