国際日本学部 国際文化交流学科
羽場 久美子 教授
Haba Kumiko

研究分野 国際政治、地域協力、ポピュリズム、ゼノフォビア(外国人嫌い)など

出身地/兵庫県神戸市。海と空が好きです
子供の頃の夢/船長、パイロット、旅人、国際的に友達の輪を広げる
尊敬する人/マザー・テレサ、マダム・キュリー、父親
愛読書/学生時代はドストエフスキー、ショーロホフなど長編ロシア文学。いまはマイケル・マン『The Dark Side of Democracy(民主主義の暗部)』、クレパズ『Trust Beyond Borders(国境を越える信頼)』など常識を乗り越える本
趣味/歌、音楽、海外出張、薔薇
休日の過ごし方/締め切り仕事、薔薇を育てる
好きな音楽/ミュージカル(『オペラ座の怪人』、『レ・ミゼラブル』)、バレエ曲、オペラ、オペレッタ
好きなTV番組/アガサ・クリスティなど謎解き
好きな映画/『タイタニック』、『アマデウス』、ファンタジー映画
好きな著名人/ジョセフ・ナイ、少年の頃のレオナルド・ディカプリオ
好きな食べ物/フレンチ、イタリアン、中華、和食。おいしいものは何でも
好きな国/イタリア、中欧・東欧、地中海に面した国々

国際日本学部 国際文化交流学科 羽場 久美子 教授

世界で起こっている戦争や平和、国際政治を自分のこととして、自分の言葉で考えること。
Why(なぜ)、How(どうしたらいいか)を、自分の頭で考え回答を出してください。

今、世界は200年に一度の転換期にある。
これから100年をどう生きるかを考えてほしい

私はヨーロッパを中心とした国際政治、地域統合、ナショナリズムなどの研究をしています。父が、少年のころ、広島で被爆して奇跡的に生き残ったため、人の命と戦争・国際平和という問題を考えるようになりました。父は、「一度死んだ命だから人の役に立つような人生を送りたい」と常に言っていました。冷戦が終わって21世紀に入り、中国やインドの成長などがあり、現代世界は、200年に1度の転換期にあります。

皆さんはおそらく近代欧米の200年から、アジアやアフリカが成長してくる新しい100年を生きることになります。ぜひ、大学時代に全力で、世界がどうなっていくのか、日本は、自分はどうなるのかをあらゆる感覚を総動員して考えていただきたいと思います。

第一次世界大戦前夜は現代に酷似しているといわれます。その最大の点は「長く戦争がなく、人々は戦争を忘れていた」ことと疫病パンデミックです。テロリストの成長も類似しています。大戦に向け、最初の引き金を引いたのはボスニアの19歳のナショナリストの青年でした。偶然、カフェにいた彼の前に、道を間違えた無防備なオーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者夫妻の馬車が止まったのです。そこで彼が撃った2発の銃弾が夫妻を殺害し、ハプスブルク帝国はセルビアに宣戦布告します。偶然から始まった戦争は、世界を巻き込む世界大戦に発展し、スペイン風邪も蔓延、900万人を超える若者が命を落としました。

戦争を知らない若者たちはまるで遠足に行くかのように笑顔で手を振って戦地に向かい、そのまま帰って来ませんでした。

もし極東で紛争が起これば、若者が犠牲となるばかりか、日本が前線になる。だからこそ学生の皆さんには今世界で何が起ころうとしているのか、しっかりと見極めてほしいです。

大切なのは、戦争をせず、経済と信頼により平和と繁栄を維持する方法を考えること

今後、日本を巻き込んだ紛争が始まる可能性があるかもしれません。日本は尖閣諸島や竹島、北方領土といった領土問題を抱えています。領土の取り合いはゼロサムゲームで、永遠に戦争を呼び込む要因となります。また中国の経済、IT、軍事技術の発展により、アメリカが軍事・経済・政治においてテリトリーを脅かされたと感じたとき、世界のパワーバランスが崩れ、局地紛争が起こる可能性があります。この問題を考えるとき、忘れてはならないのが、米中対立は、日本が対立の最前線に置かれる可能性が非常に高いということ。北朝鮮の核ミサイルの脅威や台湾など、米中の間で対立が起きた場合、地理的に最前線にいるのは、日本列島なのです。私たちが今やるべきは、隣国を敵とするのではなく、日本が得意とする経済と熟慮で、紛争を起こさず、安定と繁栄を維持することです。鍵となるのは、EUのような経済と信頼を基礎とする地域協力だと思います。日本が中国やASEAN、インドと連携することは、アジアの経済発展と、世界の安定と繁栄をもたらすことにつながるのです。

「国際関係概論/国際関係概論T」では、こうした世界情勢の諸問題を皆で考えるディスカッションやグループ討論を行っています。議題は「21世紀、アメリカ、欧州、中国、どこがリーダーシップをとるか」「少子高齢化が広がる中、移民を入れるか否か」などです。どんな立場や意見であっても、合理的で筋が通った議論ができるかを重視します。学生の皆さんが、国際政治を身近に感じ、積極的に議論に参加してくれることを期待しています。

夢を持ち、「好き」や「得意」を伸ばし、世界に羽ばたいてください!

皆さんは、好きなことや得意なことはありますか? もし周りの人を喜ばせられるような「好き」や特技があるなら、ぜひその力を大学4年間で追求し、伸ばしてほしいと思います。好きなことで社会や世界とつながれたらすばらしいことですよね!

また、夢を叶えるためにもぜひたくさんの本を読んでください!学生時代、私は岩波文庫の青本(哲学思想)と白本(政治経済)を、意識的に年100冊読むことを目標にしていました。読書は心を豊かにしてくれます。ジャンルは問わず、まずは文庫や新書から挑戦するのもいいですし、映画、音楽、芸術、スポーツに没頭するのもいいと思います。自分の好きなことや夢に自信を持って、学生時代を友達と大切に過ごしてください。

『移民、難民、マイノリティー欧州ポピュリズムの根源』
国際政治や国際関係を、弱い立場の人たちの視点で見るように心がけています。2021年には書籍『Brexit and After』、『移民、難民、マイノリティー欧州ポピュリズムの根源』を出しました。なぜコロナ下でも移民・難民は増え続けているのか。Brexit(イギリスのEU離脱)は逆にアジアの重要性を再認識させたのではないか――物事を弱い側、マイノリティの側から考える視点を持ち、学生の皆さんにも、国際政治を自分の問題として捉えてもらえるような授業をしていきたいと思っています

庭の薔薇
写真は庭の薔薇です。薔薇、海・空・木々の緑、風、ドナウ川やライン川、地中海・瀬戸内海、寄せて返す波など自然の風景が好きです。砂浜に座って海の波の寄せる音を聞いているととても心が癒されます。リオデジャネイロのコパカバーナの真っ白な砂浜もとても素敵でした。一緒に旅に出かけませんか?