国際日本学部 国際文化交流学科
塚田 純 助教
Tsukada Jun

研究分野 主権者教育におけるメディアリテラシー、Political Communication

子供の頃の夢/スポーツ選手
尊敬する人/ノーム・チョムスキー、神谷美恵子氏
趣味/革靴のメンテナンス
休日の過ごし方/大体どこかへ出かけています
好きな音楽/なんでも聴きます
好きな映画/人類普遍のテーマに関するドキュメンタリー
好きな国/スウェーデンなどの北欧諸国

国際日本学部 国際文化交流学科 塚田 純 助教

私たちは皆、より良い社会をつくる責任を持っている。
“Political Communication”を通じて、主権者意識を学ぼう。

国によって、立場によってメディアのあり方は異なる

「Political Communication」という分野の研究を行っています。直訳すると「政治的コミュニケーション」となりますが、ぴったり当てはまる概念が日本語にない上、専門家も「定義が難しい」とする分野です。@私たちの社会(民主主義)、A社会の主役である私たち(主権者意識)、Bジャーナリズム、という3つの分野が交差するのが「Political Communication」だといわれており、大きな言葉でいうと「メディア論」に含まれると考えています。

一つの出来事をどの角度から報道するのかは、メディア組織によって、立場によって異なります。例えば、ニュースで報じられた出来事を正義とするのか悪とするのか……。どちらが絶対的に正しいという事を即座に、白黒判断したくなりますが、大切なのは、まず「いろいろな見方がある」とひと呼吸おくことです。その上で、「私たちは今、社会の主役である主権者としてメディアにどんな情報を求めるべきなのか」ということを社会全体で考え続けていく必要があると思います。「Political Communication」は、そうしたメディア全般に関わるテーマです。

消費者ではなく、“主権者”として

「言語メディア論」では、“主権者”としての私たちが、どうメディアと接するべきかを考えていきます。普段意識することがないかもしれませんが、私たちは民主主義社会の主役(主権者)であり、主役としてより良い社会をつくっていく責任があります。ただし、日本の「主権者教育」はまだ始まったばかりです。主権者ではなく消費者という感覚を持っている人が多く、「自分が社会をつくっている」という当事者意識を持ちづらいため、それが投票率の低さにもつながっているのだと思います。主権者とは何なのか?また主権者としてどんなふうにメディアと接すれば良いのか?このテーマについて一緒に考えていきましょう。

授業では、よく正解のない問いを投げかけます。あなたの価値観を意識してほしいからです。大学というところは、「自分」という人間と向き合い、理解する場だと思っています。誰かの受け売りや真似ではなく、自分だけの価値観を形づくることを意識してください。そのためには、行動が大事です。失敗を恐れず、さまざまなことにチャレンジして、自分自身をいろいろな角度から理解していきましょう。

自分の「コア」を意識しながら学生生活を

私は12歳までアメリカに住んでいたので、帰国後、日本になじむことにとても苦労しました。なんとか周りに溶け込みたくて、アメリカで形づくられた自分の人格の中核的な「コア」を無視し、ただただ周囲に合わせるようになりました。そのまま大学まで過ごし、新卒後エンジニアとして働き始めたのですが、次第に虚しさが募ります。「何か違う」とは感じていたのですが、その時には自分の「コア」をすっかり失ってしまっていました。自分らしさ、自分らしい人生を歩むために、思い切って仕事を辞め、そこからいろいろな経験をしました。その道中において自分自身の価値観に忠実に生きることができる研究者としての生き方を発見し、そのステップとして欧州の大学院留学という道に踏み出しました。

再び「コア」を得て、今は自分に素直な人生を送ることができていますが、私のような遠回りは必ずしも必要ではありません。貴重な大学生活です。在学中も、卒業後も「自分らしく」生きるために、興味関心の「種」を見逃さないでください。自分はどういうことに反応するのか、どういう時に自分らしさを感じるのか……。自分の「コア」を理解すること、そしてそれを大事に育てていくことを意識して学生生活を送ってほしいと心から思います。すぐに見えてこなかったとしても、自分の「コア」を模索した時間と、自分としっかりと向き合った感覚は決して無駄になりません。将来きっと、「あの日々があってよかった」と思う時が来るはずです。

寮の仲間とオーロラを見た時の写真
スウェーデンの大学院に留学していた時に、寮の仲間とオーロラを見た時の写真です。留学中、世界中から集まったさまざまな価値観・文化・視点を持つ仲間と共に学び、深い議論を繰り返しました。自分を成長させ、大切な友人との出会いを与えてくれ、研究者としての人生を切り開くきっかけを与えてくれたこの留学は私の一生の「宝物」の時間です

Manufacturing Consent(本)Edward S. Herman & Noam Chomsky(Pantheon)および DVD (ZEITGEIST VIDEO)
Manufacturing Consent(本)Edward S. Herman & Noam Chomsky(Pantheon)および DVD (ZEITGEIST VIDEO) は、社会におけるマスメディアの力を描写しています。社会・政治・メディアへの「建設的な批判」とは何なのかを考えさせられ、Political Communicationという研究領域に興味を持つきっかけとなりました