国際日本学部 国際文化交流学科
角山 朋子 助教
Kakuyama Tomoko

研究分野 デザイン史、美術史

出身地/神奈川県横須賀市
子供の頃の夢/世界一周
尊敬する人/深い知性を持つ人。寛容な人
趣味/美術鑑賞(たまには研究を忘れて観たいです)、ダンス
好きなTV番組/以前好きだったのは海外ドラマ『修道士カドフェル』シリーズ
好きな食べ物/旬の食べ物、だし巻き玉子

国際日本学部 国際文化交流学科 角山 朋子 助教

モノを選ぶことは、自分の生き方を選ぶこと。
「好き」という感覚にもっと敏感になろう。

デザインを通じて社会を知る「デザイン史」

もともと絵画や美術が好きだったのですが、より生活に密着した日用品やインテリアに惹かれて、デザインを学ぶようになりました。大学時代、交換留学でオーストリアのウィーンへ行ったことがきっかけで、今ではウィーンを中心としたオーストリア・中欧のデザイン史を研究しています。

デザイン史というのは、デザインされたモノやデザインそのものを通じて、社会を理解しようとする学問です。私が学生時代から研究しているのは、1900年代はじめに高級工芸品会社として活動した「ウィーン工房」です。オーストリアを代表するといわれながら、未だに謎が多い彼らの足跡を追っています。ウィーン工房の初期のデザインはシンプルなものですが、実は細かい装飾に凝っていたり、フォルム自体が美しかったりと、決して単純なデザインではありません。その後、時代は無装飾のデザインが主流になっていくのですが、ウィーン工房は逆に装飾的なスタイルになっていきました。ただ、彼らは完璧な存在というわけではありません。時には悩み、時にはやむなく妥協し……その形跡がうかがえるデザインも残っています。そんなふうに悩みながら、彼らはデザインを通して何を社会に伝えたかったのか。追いかければ追いかけるほど、魅力を感じます。

ひとつの椅子から、デザインの歴史をひもとく

デザインは個人の好みなので、「良いデザインとは何か」を伝えることはできません。私がお話ししたいのは、デザイン、すなわちモノの背景です。「新しい椅子がほしい」となったら、価格や色、素材……何を基準に選びますか?「とにかく安いもの」という人も多いかもしれませんが、そこを少し考えてみてほしいのです。椅子ひとつとっても、豪華な椅子が権力の象徴だった時代もありました。また、つくり手に着目すると、職人が一つひとつ手作りをし、それを機械が代わるようになり、また手作りの良さが復活して…と、さまざまな歴史を持っています。そしてそれぞれの段階には、流行りや機能性、経済性などを考慮してデザインをするアーティストが存在しました。今、私たちが目にする椅子は、そのような歴史と人の想いを経て、ここに存在しています。そう思いをはせてみると、モノが違ったふうに見えてくるのではないでしょうか。

モノを選ぶことは、生活を選ぶことです。椅子ひとつが、あなたのライフスタイルや生き方を表しているとなったら、真剣に選びたくなりませんか。自分の感性にもっと敏感になって、「良い」「好きだ」と感じたら、その気持ちを大切にしてください。

好きなことをとことん追求できる「研究」に没頭して

時間があるうちに、ぜひ海外旅行を楽しんでください。特に、移動時間に時間をかける列車やバスの旅をおすすめします。ウィーンへ留学していた頃は、よく列車やバスで近隣の国に旅をしました。自然や家々、町並みの変化をじっくり観察できるのは本当に楽しいですよ。窓の外を見ていると、少しずつ風景が変わり、文化圏の変化を実感することができてとても面白かったのを覚えています。一瞬でパッと風景や言葉が切り替わるというのは、島国の日本ではなかなかできない経験です。

大学ではぜひ「研究」を楽しんでください。高校まではある程度カリキュラムが決まっていますが、大学では好きな分野をいくらでも追求できるのです。「学ぶって面白い!」と気付いてほしいですね。徹底的に調べ、考え、仲間と議論し、自分の答えを出し……。その経験は、間違いなくあなたの財産になります。

『応用芸術における時代の形態意志』(L・ロホヴァンスキー)
『応用芸術における時代の形態意志』(L・ロホヴァンスキー)。1922年にウィーンで刊行されたもので、オンライン古書店で購入しました。思ったよりも本の状態が良く、作品への愛が詰まった評論からは100年前のアーティストたちの高揚感が伝わってきます!!

お守り
イスラエルの素敵なアーティスト地区で買ったお守りです。現地でよく売っている手のひら型の魔除けをアレンジしたもののようです。とても気に入っていて、何度引っ越しをしても玄関先にはこれを飾っています。再訪したい国の一つです