理学部 数理・物理学科
加藤 憲一 准教授
Katou Ken'ichi

研究分野 応用確率論、マルコフ連鎖、待ち行列論

生年/昭和48年(1973年)
出身地/福島県福島市
血液型/不明
趣味/山登り(登山というよりユルイ何かです)
子供の頃の夢/学者になること(ただし歴史、地理)
愛読書/読みこなしたい本という意味では『否定弁証法』(T.W.アドルノ)
好きな映画/歴史もの、特に中世を扱ったドラマ、映画
好きなTV番組/「ダーウィンが来た!」
好きな食べ物/すき焼き、鮭の西京焼
好きな国/ラトビア(初めていった外国)
休日の過ごし方/海を眺める

理学部 数理・物理学科 加藤憲一 准教授

専門的なことだけでなく、いろいろな分野で、
知的な興味を追求することの楽しさを味わってほしい。

数学は、自由度の高い学問。だからこそ面白い

私が専門としているのは、「応用確率論」という分野の中の「待ち行列理論」になります。待ち行列理論とは、あるサービスを受けるためにお客さんが列をつくって待つような混雑状況を確率の考え方を用いてモデル化し、分析しようというものです。例えば、電話交換機が5台あるとします。そこに1本の電話がかかってくると、電話回線をひとつ使いますよね。すると、その回線は使用中となり、他の電話がかかってきても使えません。残り4つの回線があるわけですが、他の人がどんどん電話をかけてくれば、次々に回線は使用中となります。そのうち用意された5つの回線を越えるほどの電話がかかったら、電話はつながらなくなり、待ちの状態になります。ある人が電話をかけるタイミングや回線を使用する時間は、ランダムです。それを確率で考えると、電話をかけたときにつながるか、つながらないかは、0をつながらない、1をつながるとすれば、0から1の間でその確率が決まるわけです。そういうことを数学でモデル化して、解析するのが待ち行列理論です。

世の中には人でも物でも、何かのサービスを処理してもらうために待つことが多々あります。ただ、それを今お話ししたように数学でモデル化することは、とても難しいのです。というのもモデル化とは、起きている複雑な現象のミニチュアをつくるのではなく、現象の中でも本質だと思う部分を取捨選択してつくらなければならないからです。そのときに何を本質とし、何を選ぶかは、モデルをつくる人の価値観によって決まります。つまり、数学それ自体は確かに正しいのですが、モデル化するときは個人の価値観が入るため、絶対に間違いがないとは言えないのです。例えば、私が本質ではないと思ってモデルに入れなかったことが、誰かにとっては本質だということもあり得ます。ですから応用数学の研究では、数学的な手続きを経ていても万人に受け入れられる結論が得られるとは限らない。どの視点に立つかによってモデルが変わり、それに応じて答えが変わってくるものです。逆に、いろいろな視点から考えることができる自由度の高い学問だからこそ、面白いのではないかと思います。

大学時代の経験や探究は、人生の資産

大学の講義で学ぶ内容は重要ではありますが、それが社会に出てどのくらい役に立つのかと言われると、正直なところ直接的に役立つことは少ないかもしれません。私が担当している授業「解析Ⅰ」「解析Ⅱ」も、特定の分野を研究する学生にとっては、まるで空気みたいに、当然のように使う知識になりますが、必ずしも全員が必要とするわけではありません。そういう意味では、むしろ大学生という何でもできる時間を活用して経験したことや興味の赴くままに探究したことの方が、後々の人生で財産となる可能性は高いです。ですから大学時代には、ぜひ、読書をするでも国内外を旅するでも、たくさんの人と出会うでも何でも構わないので、知的な興味を追求することの楽しさを味わってほしいと思います。もちろん、何かひとつを専門として、どっぷり浸かるというのも悪くはありません。ただ、専門分野に興味を持つことは、ある意味では当然です。そればかりに没頭するよりは、できればそれにプラスして、いくつか違った分野の興味を持ってほしいですね。そうすることで、視野が広がってくるのではないかと思います。

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