理学部 情報科学科
松尾 和人 教授
Matsuo Kazuto

研究分野 情報セキュリティ、暗号理論

生年/1963年
血液型/A型
出身地/横浜(上大岡)
家族構成/妻と一人息子
趣味/今はこれといったものがありません
子供の頃の夢/電子工学者になること
尊敬する人/大学・大学院・企業時代にお世話になった師匠4名
愛読書/『Modern Computer Algebra』(プライベートではミステリーをよく読みます)
休日の過ごし方/勉強会参加・散歩・読書など
好きな音楽/プログレッシブ・ロック等
好きなTV番組/「飛び出せ!科学くん」
好きな国/日本

理学部 情報科学科 松尾 和人 教授

「わからないこと」に取り組むことの面白さ。
授業ではそれも伝えていきたいと思っています。

プログラミング上達の秘訣は、とにかく時間をかけること

「離散数学Ⅰ・Ⅱ」と「離散数学Ⅰ・Ⅱ演習」および「プログラミング演習Ⅱ」を担当しています。離散数学は1年生、プログラミングは2年生の科目であり、ともに低学年の科目担当になっています。離散数学は数学科目ですが、数学を専門とする人向けの数学ではなく、集合や関数などコンピュータで使いやすい数学を集めたもの。情報科学やコンピュータサイエンスの基盤となる科目です。プログラミングともども、身に付けた知識や思考方法が数十年後にも色褪せることなく役立つ科目ですので、丁寧にやさしく教えています。演習科目は実際に手を動かしてもらい、授業で学んだことを定着させることを目的としています。多くの学生が興味を持って取り組んでくれているようです。

よく学生から、プログラミングが上達するコツはなんですか、と聞かれることがあります。その答えは単純に「時間をどれだけかけるか」、失敗してもいいからとにかく自分でプログラムを組んでみることです。そうやって何度も失敗を繰り返していくのが上達のコツなのですが、苦手な人は、なにか簡単にできる方法があるはずだと思ってそれをしないんですよ。反対にできる学生は、単にプログラミングが好きなので時間をかけることをいとわない。その結果、どんどん上達していくんですね。プログラミングを学ぶ際には、きっちりと時間をかけてコツコツ学んでいくことがなにより大切なのです。

技術者は「そつなくこなすな!」

「暗号と情報セキュリティ」が私の研究テーマです。主なテーマは代数曲線を利用した公開鍵暗号。この暗号方式はこれまでの方式と比較して安全性が高いので、徐々に実用化されています。しかし、これまでの方式と比較し、より深い数理を必要とするため、たくさんの研究課題が残っている分野です。この暗号方式について幅広く研究しています。また、暗号技術だけでなく情報セキュリティ技術全般に興味を持って取り組んでいこうと考えています。

実は、私は大学時代、電気工学を学んでいたのですが、大学院の修士課程を出てすぐに通信機メーカーに就職。最終的に13年間勤務したその企業の研究所で、はじめて暗号や情報セキュリティに取り組むことになりました。そのため社会人になってからも勉強することばかり。特に暗号の分野では数学がこれまで学んできたものとまったく違い、最初の頃は大学の数学の先生にお願いして授業を聴講させてもらいました。

会社員時代、上司にさんざん言われてきたのは「そつなくこなすな!」ということでした。それは今でも肝に命じていますね。技術は日々進歩していきますから、自分自身のレベルも上げていかないと技術職は続けていけません。技術者は、とにかく勉強をし続けることが肝心です。

わからないことこそ、面白い

これからの時代は、生きていくのが困難になってくると思います。その中で生き抜いていくためには、自分が何かに秀でる必要があるのではないでしょうか。大学は学科に分かれ専門的な能力を醸成するところですので、それを常に意識し、生きていくための武器を手に入れてほしいと願っています。

たとえば企業に就職したとして、そこで武器になるのは「他の人ができないことができる」ということ。それは自分が会社にいる頃に身をもって感じたことです。誰がやってもできないことは確かにあって、それによって仕事が止まってしまう。そういうとき、こっちのルートは難しかったのでこっちを通りましたという迂回路を使う人って多いんです。でもそれをやっていると、技術者として長くは生きていけません。不可能そうに見えても、そこでまっすぐ進める道を探すこと。それが技術者として伸びるか伸びないかのポイントであり、武器にもなるのです。

また授業では、わかっていることよりも、わからないことに取り組んだほうが面白いということを伝えようと密かに思っています。私自身はわからないことを考えているのが好きですし、わからないときの方が面白い。それってまさに暗号ですから、自分にはこの研究テーマが合っていたんでしょうね。

著書『暗号理論と楕円曲線』(森北出版株式会社)と『素数全書 計算からのアプローチ』(朝倉書店)
著書『暗号理論と楕円曲線』(森北出版株式会社)と『素数全書 計算からのアプローチ』(朝倉書店)。前者は4章を執筆、後者は100ページほど翻訳をした

代々のPDAとスマートフォン
代々のPDAとスマートフォン。初代PDAはSigmarionV。フルキーボードがあるもの、というのがこだわりで選んできた。スマートフォンも電話やネットは使わないので、ほぼPDAのようなもの。単純に好きというだけでなく、自分たちの組んだプログラムがどう動くかという検証にも使っている