理学部 化学科
渡邉 信子 助教
Watanabe Nobuko

研究分野 有機化学

出身地/東京都
血液型/AB型
趣味/編み物
子供の頃の夢/保母
愛読書/最近は宮部みゆきの著書
休日の過ごし方/ほとんど家にいます
好きな映画/宮崎駿のアニメ
好きな食べ物/甘いもの

理学部 化学科 渡邉 信子 助教

実験で大切なのはtry and error
何度もtry≠オて答えを見つけてください。

化学実験はRPGと同じ。自分で組み立てるのがおもしろい

私が担当しているのは、1年次の基礎化学演習I,II、2年次の基礎化学実験、3年次の物質科学実験IIなど、主に有機合成に関する各演習、学生実験の一部です。化学科に必要な基礎的な実験操作、試薬類の扱い方、実験の進め方等の習得を目指しています。

化学という分野においては、実際の実験結果をもとに研究を進めるtry and error≠ェ大切。最初から結果が分かっていないので、いろいろ試していく中から答えを自分で判断していかなければいけません。そのためには専門的な知識はもちろん、研究を進めるための考える力を身に付けていってほしいと思います。

ある試薬とある試薬をどういう順番で混ぜ合わせるか。また混ぜ合わせたものからほしい物質を取り出すためにはどういう手順で進めるべきかなど、実験というのは組み立てが重要です。反応も一段階で終わるわけではなく、十何段階ものステップで反応させなければいけないこともあります。そのためにはどういう手順で反応を進めていくかを考える。実は実験のおもしろさというのはそこにあって、それはRPG(ロールプレイングゲーム)に似ているように思います。ここでこのアイテムを取らないと、あそこで先へ進めない、とか。自分で進み方を組み立てていく。そこがおもしろいところなんです。

さらに有機合成というのは、小さな置換基が一つ変わっただけで想像もつかない変化が起きることがあります。そういった驚きや、最終的には自分で作り出した新しい化合物を実際に手にとって見ることができることが、個人的には最大の魅力ではないかと思います。

ホタルのような発光物質に魅せられて

私は現在、松本正勝教授との共同研究で、主に「高効率化学発光化合物の設計と合成」について研究を行っています。簡単に言うと、ホタルの光のように発光する物質を化学的に作り出すこと。この発光物質の代表的なものは、お祭りの夜店などで売っているサイリュームでしょう。光をあてると発光する蛍光物質と違って、自らが分解する際に発光するので、光源がなくても光るのが特徴です。

自然界ではホタルに代表される生物発光においては、1,2-ジオキセタンという化合物が発光物質ではないかと考えられています。この1,2-ジオキセタンは不安定な物質なので、それを安定な状態にして好きな時に光らせることを可能にしたり、発光の色や時間などの特性、それらの利用方法についての研究を進めています。例えば1,2-ジオキセタンに結合させる物質によってオレンジや黄色、青、緑と発光色が変わったり、発光する時間や強さも変化します。このように、さまざまな特徴を持つ発光物質を作り出すことが目標です。

現在、こうした発光化合物は医療分野で活用されています。例えばウイルスの抗原と結びついた抗体だけが素になって光るという仕組みを作りあげて、ウイルスに感染しているかどうかを調べることができます。今までの抗原抗体反応の測定では放射性物質や蛍光物質が使われることが多いのですが、発光物質を用いると光を検出するだけで済むので大変簡単でまた安全です。

研究室では、新しい物質の合成に成功した学生は、それを教授と研究室のメンバーたちの前でおひろめするのが恒例になっています。光の色も光り方もさまざまですが、とても優しくて魅力的な光なんですよ。私も初めて見た時には、思わず声を上げてしまいました。機会があればぜひ一度見てみてほしいと思います。

研究室の机に置いてあるお地蔵さんの置物
研究室の机に置いてあるお地蔵さんの置物。実験などがうまくいかない時には、じっと眺めて心をしずめています(笑)

知人が贈ってくれた万華鏡
万華鏡が好きだと言っていたら、知人が贈ってくれたもの。中でビーズ等が動くのではなく、外のものを見るタイプ。適度な重さがあり、外側もとても美しくて気に入っている。のぞくと気持ちが落ちつく