理学部 生物科学科
加瀬 友喜 教授
Kase Tomoki

研究分野 古生物学、古生態学

生年/1952年
出身地/千葉県市川市
血液型/O型
子供の頃の夢/高校生の時は地質学に関わる仕事につくこと
尊敬する人/大学院時代の恩師
趣味/マニアックな博物館や古い建造物を巡ること
休日の過ごし方/気候の良い時季は都内散策
好きな映画/シリーズ最初の「猿の惑星」「ジュラシックパーク」
好きな音楽/南米アンデスの音楽
好きなTV番組/NHK大河ドラマ、「ブラタモリ」
好きな食べ物/寿司、甘い物ならなんでも(お酒はほとんど飲めません)

理学部 生物科学科 加瀬 友喜 教授

古生物の化石を通し、今では想像もつかないような
はるか昔の地球を体感できることが、この研究の魅力です。

「古生物学」は地球の歴史が分かる学際的な研究領域

専門は「古生物学」です。古生物学は、化石を調べることで、太古に生きた彼らがどのような生物で、どのように暮らしていたか、また彼らが生きていた時代の地球の環境を知る研究です。つまり、古生物学は地球と生命の歴史を研究する学際的な分野です。

私の主な研究材料は貝類(軟体動物)の化石です。貝類は硬い殻をもつため、もっとも化石に残りやすい生物で、日本列島からもたくさん出てきます。これまでにさまざまな地質時代の貝化石の生態や進化に関する研究を進めてきました。今は東南アジア熱帯地域の新生代の貝化石を研究しています。この地域は世界で最も種の多様性が高い地域ですが、化石の研究が他と比べてあまり進んでいないため、解明されていないことがたくさんあります。毎年現地で化石の発掘を行い、どの時代からこの地域の種の多様性が高くなったのか、といった謎を明らかにしようとしています。

この分野を研究する醍醐味は、はるか昔に生きていた生物を自分で発掘し、手に取ることにあります。たとえば白亜紀は、気候も大陸の分布も現代とはまったく異なり、想像もつかないような昔ですが、化石を通して、今から1億年以上前の地球を体感できるのです。

地学関連の図鑑や専門書を読み漁り、独学で学んだ高校時代

私は千葉県の出身で、下総台地の上にある高校に通っていました。毎日通る崖を見ていて、地層に興味を持ったのがこの専門に進んだきっかけです。千葉県成田市や印西市の辺りは貝の化石が多く出る地域で、夢中で発掘したりしているうち、地学への興味は日増しに膨らみました。しかし、周りには地学を専門にしている先生や先輩がいなかったので、図鑑や専門書などで独学で勉強しました。そして、愛読していた「日本化石図鑑」の著者である先生が教鞭をとっていた、横浜国立大学の教育学部地学科に進学しました。

卒業論文では、当時魚竜化石の発見で注目されていた宮城県志津川町(現在は南三陸町)の地質調査を行いました。2年生の終わり頃から現地に足を運び、山の中をひたすら歩き回って地質調査をし、地質図を作成しました。体力と忍耐が必要な地道な作業ですが、地質のことが分かるにつれてどんどん面白くなり、東京大学の大学院に進んで研究を続けました。修士課程修了後、国立科学博物館地学研究部の研究員として、さらに研究を深めることができたのは、とても幸せなことです。神奈川大学では、学芸員を志す学生さんに、自身の経験からさまざまな助言ができるのではないかと思っています。

博物館の仕事経験を活かし、印象に残る授業を工夫しています

主な担当講義は「地学概論T」です。地球の成り立ち、プレートテクトニクス、地層のでき方や見方など、地学の基礎を幅広く講義しています。化石や岩石などの実物標本を教材にしたり、岩石中の残留磁気を理解するため、装置を作成して磁場の存在を実感してもらうなど、博物館の仕事経験を活かしながら、印象に残る授業を心がけています。「地学実験」では、ひらつかキャンパス近くの崖で、堆積岩や地層の観察を行います。机上だけで地層の見方を習得するのは難しいので、できるだけ野外に出て実物を見る機会を設けています。「博物館実習」では、勤務先だった国立博物館で実習を行い、「サイエンスコミュニケーション」では、最終的に博物館での受講生によるサイエンストークを目標にしています。

学生の皆さんに、自身の経験から大学生活のアドバイスをするとしたら、大学時代に幅広い教養を身に付けてほしいということです。ひとつの道に専心するのはもちろん大事ですし、私もそんな学生時代を送りましたが、今になって英語や経済などももっと勉強するべきだったと、少し後悔しています。どうぞ広い視野を持ち、高校までには学べなかった学問に触れ、失敗を恐れずに多くの経験を積んでください。

「日本化石図鑑」
地層や化石に興味を持ち始めた高校時代、専門的なことを教えてくれる人がいなかったので、この「日本化石図鑑」(朝倉書店)のような図鑑や専門書を読み漁り、独学で勉強しました

「地球の科学」
同じく高校時代に買った「地球の科学」は、日本気象協会が発行していた小冊子。この中のアンモナイト発掘の記事を読んだとき、大学で地質学を勉強しようと心に決めました