経営学部 国際経営学科
平田 彩奈惠 助教
Hirata Sanae

研究分野 平安文学

出身地/神奈川県横浜市
血液型/O型
家族構成/父・母・妹
子供の頃の夢/中学高校の教員
尊敬する人/恩師
愛読書/『魔女の宅急便』シリーズ
趣味/観劇、読書、アクセサリーづくり
好きな映画/「マイ・フェア・レディ」
好きな音楽/ミュージカル曲
好きな食べ物/エスニック料理
好きな国/オーストリア、イタリア

経営学部 国際経営学科 平田 彩奈惠 助教

疑問を持たなければ得られない視点もある。
自分らしい文章を書くためには「疑うこと」も大切です。

「わかりやすい文章」を書くコツは一文に情報を入れ過ぎないこと

担当している前期の「文章表現法」では、経営学部1年生に、レポートや論文の書き方の基礎と、漢字の確認などの正しい日本語を書くために必要な知識を教えています。まずはレポートや論文の体裁を整えるといったアカデミック・ライティングの約束事を身につけてもらい、最終的には短いレポートを一本仕上げることを目標にしています。

学生さんたちは、きちんとした文章を書くことに慣れていないようで、アカデミック・ライティングになると途端に書けなくなったり、一文に情報を入れ過ぎてしまったりします。短い文章はLINEのやりとりのようで子どもっぽいという印象があるらしく、無理にひとつの文章を長くしてしまうのです。ですが、どんな文章を書く上でもまず大切なのは、相手が情報を整理しながら読める文を書くことです。そこで、まず一文には情報を一つにしましょう、といったことから教えています。

また普段からスマホでしか文章を読んだり書いたりしないうえに、レポートまでスマホで書く人もいるようです。これはスマホで書いたんだろうなというのは実際に読んでみると意外とわかります。スマホは狭い画面上で一行あたりに表示できる文字数が限られており、それを左右にも縦にもスクロールしながら読み進めていきます。こういう形ですと、一文をすっきりした形で見ることができず、文章がねじれてしまっていても気づかないことが多いのです。いつでも発想をメモできる便利な道具として、利用することは良いことですが、そういうデメリットにも気づいてもらい、きちんとした文章が書けるようになるにはどこに手間をかけるべきかを知ってもらうよう、指導しています。

「疑問を持つこと」そして「自分で調べること」の大切さ

一方、「日本語力の基礎」は選択科目で理学部生も多いので、基礎的な「自分の考えを文章にするための力」を養うことを到達目標としています。たとえば「運動と読書、他人にすすめるならどちらか?」というようなテーマを自分の考えを入れてまとめてもらうなど、高校の小論文に近いかもしれません。文章をわかりやすく・正しく書く方法を身につけてもらうための授業です。

私は高校時代、国語の先生に「あなたの小論文は受験生としては百点満点だけど、視点にオリジナリティがなくてつまらない。」と言われたことがありました。それがショックで、どういうところに注目して、どんな切り口で論を立てればオリジナリティが出るのか、どうしたら「おもしろい」文章が書けるのかを真剣に考えました。今になって思えばそれは受験のアドバイスとしては大失敗なのですが、大学へ入り、古典を研究するようになったのは、その悩みの中で身につけた、「与えられた情報を疑う」姿勢があってのことだと思います。

私も授業で「論文を読んで疑問点を5つあげなさい」という指示を出すことがあります。ところが「特に疑問点はありません」という学生さんが多いんです。けれども、疑問を持たなければ得られない視点というものもあります。皆さんには、与えられた情報を鵜呑みにせず、まずは細かな点であれ「疑う」こと、そして「自ら調べる」ことを習慣にしてほしい。それが自分の考えを書くための第一歩だと思います。

時代やジャンルを超えて変容していく「源氏物語」

私が研究対象にしているのは『源氏物語』を中心とした平安時代の文学です。それらの作品内で利用される和歌について、作品にどのような影響を与えているかということから出発し、現在は後世の『源氏物語』享受作品(影響を受けた作品や、『源氏物語』を下敷きにしてつくられた作品のこと)における和歌利用についても研究対象を広げています。

これは現代で言えば、会話の中でJ-popの歌詞やその時の流行語が引用されるようなことと似ています。話している相手もまたそのフレーズを知っているはず、という確信があり、その引用を通して共通のイメージを場の皆が共有して盛り上がる、というような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。そういった同時代の共有知識に支えられた表現ですが、1000年もの間読み継がれていく中では、『源氏物語』より後で詠まれた和歌やその他さまざまな作品が読者の知識の中に入り込んできます。一方で、『源氏物語』成立当時は知られていたとしても、その後忘れ去られてしまった和歌もあるはずです。持っている知識が変わると、読む中で連想するイメージも変わってくる。そんな面白さがあると思っています。

一方で、宝塚歌劇の「源氏物語」の舞台に、能の「葵上」で用いられる衣装の柄を取り入れるなど、異なる時代やジャンルを経て享受作品が重なっていくのも面白い現象です。このように共通の知識基盤の上に成り立っている作品が、時代を超え受け継がれてゆくときの変容を考えることから、その時代時代を反映した享受のありようを具体的に明らかにしたいと思っています。

愛用のウォークマン
愛用のウォークマン。ミュージカルや宝塚の曲を聴くことが多い

高校時代の古典のノート
高校時代の古典のノート。線を引き、上段/原文、中段/訳、下段/解説と分けて記入。さらにオレンジのペンで授業内容を書き込んである