経営学部 国際経営学科
行本 勢基 准教授
Yukimoto Seiki

研究分野 経営学、国際経営論

生年/1975年(湯川秀樹博士、ジャイアント馬場さんと同じ日)
血液型/AB型(ちなみに、兄妹全員AB型です)
出身地/茨城県下館市(現・筑西市)
趣味/プロ野球観戦、旅行、ゴルフ、アウトドア(山、海など)
子供の頃の夢/学校の先生(小中学校の時)、内閣総理大臣(高校の時)
尊敬する人/両親、坂本龍馬(急に歴史上の人物になりますが)
愛読書/特にありません。本は商売道具ですので(笑)
好きな映画/「ローマの休日」、「ラブ・アクチュアリー」など
好きな音楽/3枚組のジャズベスト盤をいつも聞いています
好きなTV番組/「相棒」、「臨場」などの短編警察ドラマ
好きな著名人/巨人軍の原監督(教育者としても尊敬しています)
好きな食べ物/ハンバーグ、ポテトサラダ、寿司、あるいはベトナム、中華、タイなどのエスニック料理
好きな国/訪れたことがある国全て(日本を含む)。理由は全くありませんが、香港やシンガポールといった都市国家に憧れています。また、一度も行ったことがありませんが、イギリスにも思い入れがあります
休日の過ごし方/家族総出での買い出しか、自宅近くの公園で子供と遊ぶ

経営学部 国際経営学科 行本勢基 准教授

国や地域が発展する、そのダイナミズムの裏側にある
企業の役割を見ていくことが国際経営の面白さです。

企業を取り巻く全体の環境を見る視点を養おう

経営学や国際経営に関する授業を担当しています。「国際地域論」という授業を例にあげると、複数の国に活動拠点を置く多国籍企業において、進出先の国や地域でどのようなフィージビリティスタディが行われているのか、つまり現地の政治経済や人々の考え方などをどう捉え、どうアプローチしていくのかということを見ていきます。例えば、今、国際経営の中でもホットトピックといえるBOP(Base Of the Pyramid)ビジネス。これは発展途上国における最貧層を対象に、企業が商品を販売するビジネスのことですが、その際に企業はどんなアプローチをしているのかということを紹介していきます。ある多国籍企業では、洗剤を小分けにすることで価格を下げ、貧しい消費者でも購入しやすいような方法をとって事業を展開しています。こうした事例をもとに、なぜ小分けにして販売するのかといった背景や要因、小分け製品という本来の製品とは違うものを製造する際の企業側の負担などについても触れていきたいと思っています。

BOPの事例からもわかるように、ある国や地域が発展するには新しい技術が必要で、それを提供しているのが企業になります。企業が国の発展のひとつの原動力になっているのです。一国の状況を変えてしまう、そのダイナミズムの裏側にある企業の働きとは何か。それを見ていくことが国際経営の面白さのひとつです。例えば私が学生の頃は、まだ中国はそれほど注目されておらず、東南アジアが注目を集めていました。それを一気に中国が追い抜き、現在のような状況を生んでいます。一体、中国の中で国内外の企業や政府がどのような役割を果たしたのか。そういうことを企業レベルだけでなく、企業を取り巻く全体の環境、産業や地域全体で見ていく視点を、学生にも養ってほしいですね。

今後、ますます増加する中小企業の国際化に注目

研究では「中小企業の国際化」というテーマを扱っています。1990年代に入ってから、多くの日本企業が海外へ進出するようになりました。その中には、ごく一部ですが中小企業もあり、近年ではその数が増加しています。日本国内の市場が低迷しているため、中小企業も海外に顧客を求めて進出していくことが必要になったというわけです。そこで、大企業の海外進出と中小企業のそれとでは、どのような違いがあるのかということについて研究しています。私としては、中小企業では経営者の資質が、国際経営の内容やパターンに、より強く影響するのではないかと考えています。そこで、その資質はどのようにつくられていくのかということを、企業間関係に基づいて分析しようと試みているのです。

具体的に話すと、中小企業では、その多くが下請けや関連会社として大企業に製品を販売する形を取っています。つまり大企業が顧客なのです。その顧客である大企業との関係性によって、中小企業の経営者の資質は決まってくるのではないかと注目しています。例えば、顧客である大企業が国際化していれば、それにならって中小企業も海外進出を選択することがあります。その進出の仕方も日本から製品を輸出するだけのパターンや、大企業と一緒に海外へ出ていくパターン、あるいは独自に培ってきた技術を武器に海外へ単独で出ていくパターンなどがあります。こうしたパターンも中小企業の場合は、顧客との関係性によって形成された経営者の資質で決まっていくと考えられるのです。今はまだ、国際化した中小企業のデータが少ない状況です。しかし、今後はそれも増えてくるはずですから、データは充実すると思います。それらを集めて分析し、いろいろな可能性を見つけたいです。

学生に贈りたい、3つの大切な言葉

私にはこれまでの人生で大切にしてきた言葉があります。学生の皆さんに、その言葉を贈りたいと思います。ひとつ目は「正確な自己認識が気概を生む」。これは私が大学教員になるか、就職するかで迷っていたときに出会った言葉です。この言葉の私なりの解釈は、正確かどうかは別として、客観的に自分を見ることが一番重要だということです。自信がないとき、前向きになれないとき、おそらく人は客観的に自分を捉えることができていません。当時の私も「同級生は就職しているのだから、自分も就職すべきでは?」といった迷いの中にありました。しかし、この言葉と出会い、自分が辿ってきた道を振り返って、覚悟を決めるべきだと教員の道を選んだのです。二つ目は「揺らげども沈まず」です。これは、パリ市の標語で、私の恩師が贈ってくれた言葉です。私自身、決して優秀な学生ではなかったのですが、紆余曲折しながらも沈むことなく、教員になるという目標を達成できました。人生が思い描いた通りの展開にならないときでも、もがきながら努力を続けていくことが大事だと解釈しています。

また、最近は目標が見つからないという学生が少なくなく、「どうすれば興味や関心を持てるようになりますか?」と聞かれることもしばしばです。そんなとき「表現するとは聞くこと」という言葉を思い出してほしいと思います。これはアナウンサーの久米宏さんの言葉ですが、話す仕事の人が聞くことを大事にしているというので、非常に印象的でした。私の解釈では、興味や関心は自分と関わっている人との間でつくられていくものだと捉えています。つまり人の話に耳を傾けることで、初めて自分の興味や関心が生まれ、表現に繋がるのではないかと。私も家族や恩師、海外で出会った人たちの話を聞いてきたからこそ、今があるのだと思います。学生の皆さんも“聞く”ことを意識して、大学時代にたくさんの人と関わる機会を設けてください。

初めて学術雑誌に掲載された論文「熟練型産業における技能の国際移転」
大学院の博士課程時代、初めて学術雑誌に掲載された論文「熟練型産業における技能の国際移転」。それまでの研究に対して評価が得られたことは大きな自信となり、その後につながるステップとなった

入門用テキストとして執筆した共著『入門 経営学』
経営学を初めて学ぶ学生や社会人のための入門用テキストとして執筆した共著『入門 経営学』。2012年4月に改訂し、第2版が出版された