経営学部 国際経営学科
後藤 伸 教授
Goto Shin

研究分野 経営史

出身地/東京都
血液型/AB型だと思います
趣味/今、比較的はまっているのがSUDOKU
子供の頃の夢/子供の頃は夢の中にいました
愛読書/特になし。漱石の『猫』は学生の頃、繰り返し読んだが、滑稽本として。今は読めません
休日の過ごし方/毎日が日曜日、毎日が仕事日
好きな映画/最近、感心したのが韓国映画の「王の男」
好きな音楽/Cannonball Adderley「Mercy, Mercy, Mercy!」は、いつ聴いても楽しい曲です
好きなTV番組/「所さんの世田谷ベース」「未来創造堂」
好きな食べ物/甲殻類
好きな国/訪れてはいませんが北欧各国

経営学部 国際経営学科 後藤伸教授

問題発見能力とコミュニケーション能力を養おう。

19世紀のイギリスの海運業を見つめて

私の研究テーマは、19世紀のイギリスの経営史です。中でもイギリスの海運業を軸に研究を行ってきました。しかし、海運業の研究へ至るまでには、紆余曲折がありました。19世紀のイギリスでは、繊維産業が栄えていました。当時のイギリスの繊維産業は、世界経済を牽引し、活性化させている主導産業だったのです。ところが19世紀末から20世紀の鉄鋼と化学の時代になると、その中心はアメリカやドイツに移動する。つまりイギリスは、19世紀から20世紀の変わり目に重工業化に失敗したわけです。それはなぜなのか? そこから最初は鉄鋼業に興味を持ち、研究を始めました。ところが研究を進めるうちに、イギリスの鉄鋼業は造船業と強く結び付いており、その造船業はながらく世界トップの地位を占めていました。では、鉄鋼業が失敗したのは、造船業の衰退のせいなのか? その問題を調べるうちに、今度は造船業が海運業と密接な関係にあることが分かり、海運業の研究に足を踏み入れたというわけです。海運業は非常に特殊な分野で、貿易や世界経済との関係に加えて大変複雑な実務関係があり、さらに業界で用いられている用語は素人ではさっぱり分からないという世界でした。そのため海運業を理解するための基礎知識を学んでいるうちに、この研究にどっぷりはまり、抜け出せなくなってしまったのです(笑)。

海運業について掘り下げて行くと、次第に鉄鋼・化学の問題からサービス関係の問題へと関心が移って行きました。実はイギリスは古くからサービス産業が強く、特に金融業や保険業、それに加えて海運業が強かったのです。つまりイギリスは重工業化の波にはうまく乗れなかったものの、従来からあったサービス産業は非常に強い競争力を持ち続けたと言えるのです。そこでサービス産業を深く知ろうということになるわけですが、そのためには16世紀、17世紀まで遡らなくてはなりません。またサービス産業はイギリスという社会構造と深く関わっており、社会学的なアプローチが必要になってくる。というわけで私の研究は今のところ問題を発見したという状況で、今後、どう進もうかと思案しているのです。

知識を詰め込むことより、それを更新することが大切

大学では、問題発見能力とコミュニケーション能力を身に付けてほしいと思っています。と言うのも今は、かなりのスピードで学んだ知識が陳腐化して行く時代です。例えば、会社に関する法律や制度にしても、それ自体がどんどん変わってしまうので、すぐに古い知識となってしまう。ですから大学で学ぶことの意味とは、陳腐化していく知識を頭に詰め込むのではなく、そういう知識をどう更新して行くかということになってきます。同時に、その知識を使って何をするのかということがとても大切です。それらを突き詰めていくと、結局は問題発見能力につながります。つまり何が問題なのかを見極めて行く力が必要になってくるのです。また、問題を発見すると、それを自分以外の人と協力しながら解決して行かければなりません。そうすると今度は、コミュニケーション能力が必要になります。そういう力を学生に身に付けさせることが私の教育の役割であり、また経営学部の教育方針でもあるのです。

自著『イギリス郵船企業P&Oの経営史 一八四〇−一九一四』(頸草書房)
2001年に発刊した自著『イギリス郵船企業P&Oの経営史 一八四〇−一九一四』(頸草書房)。イギリス政府とイギリスの海運企業P&Oとの間に結ばれた海上郵便輸送契約を詳細に分析し、エージェンシー関係の特質を明らかにした