経営学部 国際経営学科
廣田 律子 教授
Hirota Ritsuko

研究分野 中国民俗学

出身地/千葉県
趣味/中華料理作り、高山植物探し
子供の頃の夢/ジャック・クストー氏のような海洋学者
尊敬する人/大井邦雄氏(シェイクスピア研究者)、アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ氏(マザーテレサ)
愛読書/『マクベス』『みどりのゆび』
休日の過ごし方/洗濯・掃除・料理などたまった家事
好きな映画/「蜘蛛巣城」「覇王別姫」
好きなTV番組/連ドラ「ちりとてちん」「宮廷女官チャングムの誓い」「大地の子」
好きな食べ物/鮒寿司・点心
好きな国/中国、特に江南地域

経営学部 国際経営学科 廣田律子教授

言語は「手段」。中国語を通じて中国人の
価値観や文化的背景を伝えていきます。

どれほどたくさん言葉を知っているかよりも、どうやって使うかが肝心

私は「中国語」「SA(スタディー・アブロード)I」「文化人類学」の講義を担当していますが、現地調査で得た画像・映像資料などを使って、中国をより理解しやすくなるよう工夫しています。中国と日本は、歴史的にもさまざま関わりを持ってきましたし、今後も経済的な相手国として、また環境問題など地球規模の諸問題の解決に向けても、互いに協力し合う必要があるでしょう。お隣の国、中国にぜひ興味をもち、正しく理解してほしいと思っています。

私が中国語の授業で最初に教えるのは、「チーファンラマ?(ご飯食べましたか?)」という言葉です。これは、中国では「おはよう」や「こんにちは」の代わりに親しい間柄で交わされる挨拶なのです。中国人は「食べる」ことを大変重要と考えていて、食事を欠かす事は思いもよりません。相手が元気であるかどうかを尋ねるために、相手が食事を取ったかどうかという言葉を使うのです。

言語は、人と人とが交流するときの手段に過ぎません。私はただ単に言葉を教えるのではなく、語学を通じて中国人の価値観や文化的背景なども知ってもらうことができるよう心がけています。また、言語はどれだけたくさんの言葉を知っているかではなく、どうやって使うかが肝心ですから、実践的な中国語を教えることに重点を置いています。私が中国でフィールドワークをするときに主に使う言葉は、「ニーハオ(こんにちは)」「シェイシェイ(ありがとう)」「ハオチー(おいしい)」の3つに絞られます。タイミング良く使えば、この3つでも充分会話は成立します。難しい単語を覚えるより優しい単語を使っていかに難しい内容を説明できるかが肝心です。

授業の前に必ずやってきてほしいことはただ一つ、朝ご飯をしっかり食べてくることです。授業の始めには、私も「チーファンラマ?」と皆さんに声をかけます。授業の90分間は、とにかく大きな口と大きな声で中国語を発することに専念してもらいます。かなり集中して頭も使いますから、朝ご飯抜きでは糖分不足で頭が冴えませんし、終わる頃にはかなりお腹が空いてヘトヘトになってしまいますよ。

実際の交流を通じて、お互いを理解する

2005〜2007年の3年間、「神奈川大学メディア教材制作プロジェクト」で、学生たちを連れて中国・湖南省へ取材に訪れる機会がありました。このプロジェクトでは、学生たちが自分でテーマを企画し、現地取材を行います。そのとき、現地でお世話をしてくれる人に、「私が子どもの頃、日本軍がやってきたせいで、家財道具のすべてを失った。だから日本人が嫌いです」と最初に言われ、学生たちはショックを受けていました。けれども、その人と1週間、行動を共にしていたら、最後には「日本の学生はいいね。日本人はいいね」と言ってもらえました。彼の考えを変えたのは、学生たちの若い力です。中国の人たちが抱いている日本へのイメージを変えることは、若い世代にしかできないこと。実際の交流を通じて、お互いを理解できるようになっていったのですね。

このプロジェクトを通じて、参加した学生たちがみるみる成長していく様子を間近で見てきました。学生の成長の場を目の当たりにできるなんて、教員としてとても幸せなことだと感じています。

転んでも自分で起き上がれる力を身に付けよう

今の学生たちはみな何事にも「そこそこ」「ほどほど」で、自分の持っている100%の力を出し切ることはあまりないように思います。でも、「これは!」というもの、勉強に限らずクラブ活動でも、ボランティア活動でも、恋愛でもいいから、情熱をもって何かに全力を出し切るという経験をぜひしてください。力を出し切っても結果的にうまくいかないときもありますが、そこで立ちすくんでしまわずに、自分の力でまた起き上がれる力を、学生のうちに身に付けてほしいものです。

大学は社会に出る前段階であり、社会に出てから困らないような知識と力を養う場でもあります。4年間で、いろいろな経験をしてみてください。いろいろなことに挑み経験することで、心のひだが増えていきます。

4年間あれば、いろいろな経験ができます。どんな経験でも良いのですが、目に見えた形で成果が明らかになるのが語学で、中でも中国語など初めて学ぶ外国語はおすすめです。英語でつまずいてしまった人も、ぜひ新しい語学に挑戦してみると良いですよ。言語は手段であり、使い方が理解できればぐんと上達します。

また、何事も自分の目で実際に見てみる経験はとても大切です。神奈川大学にはメディア教材制作プロジェクトや、SA(スタディー・アブロード)など、異文化体験ができる機会がいろいろ用意されていますので、そういうチャンスをうまく利用してみてください。

貴州省トチャの鬼神「開山」の面
中国民俗学の祭祀に登場する仮面神の研究を始めておよそ20年。毎年、中国各地にフィールドワークに出かけ、集めた約1万点の仮面の中の1つ、貴州省トチャの鬼神「開山」の面

メディア教材制作プロジェクトの作品
中国湖南省を取材した、メディア教材制作プロジェクトの作品。企画・撮影・編集はすべて学生たち。2006年度作品『農村と経済』は、第3回湘南映画祭で入賞した。 また、2007日中文化・スポーツ交流年の認定事業として、神奈川 大学中国メディア映像祭を湘南ひらつかキャンパスで開催した
 
これまでの作品リンク先
http://human.kanagawa-u.ac.jp/media_station/management/index.html