経営学部 国際経営学科
榊原 貞雄 教授
Sakakibara Sadao

研究分野 製造企業の国際比較

出身地/愛知県
趣味/釣り
子供の頃の夢/エンジニア
尊敬する人/自分の仕事において地道な努力を続けている人すべて
愛読書/乱読するため、特になし
休日の過ごし方/ひたすらぼんやりして過ごす
好きな音楽/ジャンルは決めてないが、よく聴いている
好きな国/アメリカ

経営学部 国際経営学科 榊原貞雄教授

日系企業が果たした海外での躍進ぶりは、
ハイブリッド経営にあるのです。

アメリカで過ごした21年間は宝物

私の研究テーマは製造企業の国際比較。研究者としてのスタートは、アメリカの日系企業の調査から手掛けました。1970年代で、この頃は日本企業のアメリカ進出が本格化しはじめた時代で、私は3、4ヶ月かけて2万4千キロという道のりを車で走り回り、調査したものでした。その後、ミネソタ大学の経営学部の教師となった私は、さらにアメリカ企業も調査して、日系企業との比較を手掛け始めました。結局、アメリカには人生の半分近くの21年間を過ごし、その間コロンビア大学大学院で10年かけて修士3つと博士1つをとりました。

今は大学教師以外にも、海外からの訪問者に講義する機会が多く、日本が発展していったプロセスを伝えるための講師として活動しています。またタイ、インドネシアなど7カ国から、講師として招かれました。対象は企業の核となって働く30、40代の人や政府の人で、私は国をどう栄えさせるかという援助の担い手として、お手伝いをしているわけです。

ハイブリッドという概念

私には、異種のものを混成物とするハイブリッド経営という概念があります。日本企業の国際展開を日本と進出国とのハイブリッド経営として捉えているのです。授業では私が経験した具体的な例を挙げながら日本企業の国際経営を解説しています。

日本企業が外国に進出すると、日本的な経営手法が現地では通用しないことが多く、そこに新しい方法であるハイブリッドが生まれます。そしてその方法はその場所で国際経営の核となっていくのです。たとえば日本企業の製造現場では、ひとりずつが知恵を出し合い、力を合わせるという協力体制が他外国と比較して非常に優れています。個人主義のアメリカは、組織内のチームワークに弱点があります。そこで、日系企業は試験的にアメリカ人を半年雇ってみて、チームワークのとれる人材かをチェックし、製造現場が採用するかどうかの判断を人事に提言するという方法が生まれました。これがひとつのハイブリッドなのです。

また逆の例も。アメリカでは、論理的に説明をした上でそれがどう自身の利益となるかの納得が得られれば、動くという考え方。元来、あうんの呼吸で気持ちを推し量る日本人に、アメリカ的な論理性を加味して経営を行うと、さらに生産性があがるという結果も出ています。これもハイブリッドが招いた現象なんですね。

世界では、今のこの瞬間にも急激な変化が起きています。日本にはすごい強さもあれば、弱点もある。その強さをどう生かし、よりよい方法を提言していくかが私の研究です。

楽しく努力する

企業が生き残っていくプロセスと学生諸君が生き残っていくプロセスは同じ。他人より少しできるようになるためには努力しかありません。自分の頭で考え、議論し、その結果として自分の能力が伸びていく喜び、感覚というのは非常にうれしいものです。それをいかに楽しく実行するかがゼミの目標です。

フォルクスワーゲンのナンバープレート
今から約30年ほど前のこと。アメリカに渡り、アルバイトをしながら大学院で学んでいた苦しい時期を一緒に闘ってくれた戦友ともいうべき、フォルクスワーゲンのナンバープレート。この車で製造企業の研究のためにアメリカを奔走した

『High Performance Manufacturing Global Perspectives』
『High Performance Manufacturing Global Perspectives』は2001年に、日本・アメリカ・ドイツ・イギリス・イタリア五カ国の大学教師で共同執筆したもの。日系企業研究を元に、そこから比較対象が膨らんでいって、共著となる書物に発展した