法務研究科(法科大学院) 法務専攻
仁平 正夫 教授
Nihei Masao

研究分野 刑事法学、民事法学

生年/昭和24年
血液型/O型
出身地/神奈川県(とは言いながら、神奈川は生まれた地であり、父親が国家公務員だったことから転勤・転校で、各地が出身地のようなもの)
家族構成/妻、長女(大学2年生)
趣味/ラグビー観戦
子供の頃の夢/鉄腕アトムが好きで、アトムを作りたい
愛読書/司馬遼太郎の著作、松本清張の著作、新田次郎の著作
休日の過ごし方/最近は、青空文庫からダウンロードした古い作品をキンドルで読むことに凝っている。購入すると本の置き場がなくなってしまうから。PCをあれこれいじることも・・・。PCは結構好き
好きな映画/何といっても、まずオードリー・ヘプバーンの「ローマの休日」「マイ・フェア・レディ」あたりでしょうか。それと「となりのトトロ」も。なぜと聞かれると困るのですが
好きな音楽/加藤登紀子
好きな食べ物/寿司、刺身

法務研究科(法科大学院)法務専攻 仁平正夫 教授

司法試験が極めて難しいことは厳然たる事実。
自分が目指す法曹の姿をイメージして、机に向かおう。

「桃太郎さん」の歌を法律家の目で見てみると・・・

法律家になるというのは、「世の中で起きていることを、どう法律的に見るか」ということです。たとえば「桃太郎」の歌がありますね。

桃太郎さん 桃太郎さん

お腰につけた きびだんご

ひとつわたしに くださいな

この歌詞を法律的に見るとどうなるでしょう? 犬、猿、雉が、きびだんごを持った桃太郎を見かけて「それをください」とお願いしています。何となく法律を知っている人は「贈与契約だ」と言うかもしれません。少し民法をかじったことのある人だと「贈与の申込み」と言うかもしれません。けれど贈与契約というのは、普通は、あげる方(桃太郎)が「あげるよ」と申し込み、もらう方が「もらいます」と言って成立するもの。となると、彼らが「くださいな」とおねだりしているだけですから、法律的にはまだ贈与契約は成立していないことになり、「贈与の申込みの誘引」にすぎないと判断できるわけです。

さらに「これから鬼の征伐に ついて行くならあげましょう」という二番の歌詞は、桃太郎からの「私の家来にならないか?」という誘いと取れる。そして三番で「行きましょう 行きましょう」と雇用の契約が結ばれるわけです。

もちろんこれは極端な例ですが(笑)、大切なのは事実として認定されたことを法的にどう捉えていくか。それが法律家の物の見方なのです。

判決の拠り所は、一生懸命考えること

法科大学院は「司法試験→法律実務家(裁判官、検察官、弁護士。これらを総称して法曹)」という目標が明確なため、おのずから学部での学修とは大きく異なる特殊性を持っています。法曹を志す学生に対し、将来の法曹として実務に必要な学識と応用能力、法律実務の基礎的素養を身に付けてもらうことが期待されています。すなわち理論と実務の架け橋になることが、法務研究科の目指すところです。

親族・相続の問題を中心とする「民事法演習Ⅳ」や、民事訴訟手続の問題を中心とする「民事法演習Ⅵ」など、演習の授業では複数の教員(その構成は、研究者教員と実務家教員)で1科目を担当し、問題を“研究者の目”“実務家の目”の両方から眺めることができるような形で進行させています。いわば、左右別々に動いて対象を捉えるカメレオンの目。また「刑事実務」では、より実践的に、学生が裁判官役、検察官役、弁護人役、被告人役、証人役を分担し、模擬裁判も行っています。

私自身は、昭和53年から平成3年までの13年間、裁判官として実務に携わってきました。裁判官というのは、裁判の最後の判決を自分自身でくだす仕事ですから、もちろんプレッシャーは大きなものでした。当然、法律に則って結論を出すわけですが、最終的にはやはり経験や人生観が関わってきます。刑事事件の記録は、どれだけ薄くてもそこに被告人の人生そのものが詰まっています。民事でも、それが離婚や親権の問題であれば、彼らの人生がかかった最後の決断をすることになります。たとえば子供の親権をどちらに渡すかで、その子の人生は大きく変わってくるのですから。そのときの判断の拠り所は、とにかく一生懸命考えること。最終的には、それしかありませんでした。

くじけそうなときには、自分が目指す法曹の姿を意識しよう

もちろん、司法試験合格のみを目的とするのが法科大学院ではありませんが、司法試験合格が目標であることは現実です。そして司法試験が、極めて難しい試験であることは厳然たる事実。理想的なことばを並べるのはたやすいですが、生半可な勉強では合格できないという現実を直視することが必要です。実際に司法試験受験を経験してきた実務家教員であるからこそ、この点は指摘したいところです。学修は、インプット(知識・素養の習得)とアウトプット(レポート・答案への表現)の繰り返し。人間のインプット(食事)、アウトプット(排泄)にたとえれば「食事時間、排泄時間を除けば、全ての時間を勉強に充てよ」と言いたいですね。

途中、くじけそうになることも多いでしょう。それを乗り越えるためには、「自分がなぜ法曹を目指したのか」、「どのような法曹になりたいのか」を常に意識して机に向かうことが大切です。

愛用のキンドル
愛用のキンドルは読書以外にも、学生たちのレポートを読むのにも便利に使っている

裁判官時代の法服
裁判官時代の法服。絹でできていて、冬は寒くて夏は暑い。長く着用していると袖のあたりがボロボロになってくる。13年間で3着、使用した