法学部 法律学科
上田 正基 助教
Ueda Masaki

研究分野 刑事法学

生年/1988年
出身地/兵庫県
血液型/A型
家族構成/独身・一人っ子
子供の頃の夢/野球選手
尊敬する人/専門的知識・技術を極めた人
愛読書/「最終兵器彼女」「四月は君の嘘」
趣味/マンガ
休日の過ごし方/飲み屋の開拓

法学部 法律学科 上田 正基 助教

いろいろな世代や背景の人と交流し、多様な価値観を知ることも
法学を学ぶうえで大切なことです。

具体的な事例を挙げて、刑法の理解を深める

講義は「刑法V・W」「法学部基礎演習T・U」を教えています。「刑法V・W」では、どのような行為が刑法上のどの犯罪に当てはまるのかを、学生がイメージしやすい具体的な事件を例にして解説しています。オレオレ詐欺の場合、お金を受け取る役目だけのアルバイトの“受け子”も、刑法上は詐欺罪になり得ますが、果たしてその罪を負わなければならないだろうか。というのは、詐欺を画策して被害者を騙したのは、まさに主犯の方で、受け取るだけでは「詐欺を」手伝ったことにならないのではないだろうか。また、途中で警察に捕まるも、受け取った中身は新聞紙だったという“受け子”の場合も同じ詐欺罪として罰せられるのはなぜだろうか、といった話をしていきます。

「法学部基礎演習U」では、刑法総論の諸問題をテーマにして、議論を交わしながら進めています。例えば、刑法や刑罰はなぜあるのかといった話題や判例研究として犯罪の行為と結果の因果関係を取り上げ、学生自身が考えて意見を発表しあいます。

法改正によって何が守られ、何が損なわれたのか

研究では、どういった行為を犯罪として処罰して良いのか、その法改正が政策的に妥当なのかを判断する際の枠組を構築しようと取り組んでいます。

例えば、メディアでしきりに報道される事件が起こると、すぐに処罰できる法律がつくられたり、罪が重くされたりすることがありますが、それが本当に良いことなのかどうかを考えています。

2016年に改正された風俗営業法。DJが音楽をかけてお客が踊るクラブが、風俗営業法違反で摘発されたことで話題になりましたが、果たして処罰の対象となるのかという疑問は残ります。また、法改正ではありませんが、タトゥー(入れ墨)を彫るのに医師免許が必要なのか否かを争点にした刑事裁判がありました。裁判は現在も続いていますが、タトゥーを彫るには医師免許が必要だというのはなぜでしょうか。

法改正や新たな規制によって、一体、誰を守り、何を守るのか。確かに法改正によって何かを守ってはいますが、同時に何かを「犯罪」にすることで何かができなくなってもいるはずです。もしかすると、その“できなくなった何か”の方が重要なものだったかも知れません。そのような視点も必要ではないかというのが、私の考え方です。

法律は、限定した形でつくると穴ができてしまうので、ある程度、広い表現でつくられます。そうするとクラブやタトゥーの問題のように、何にでも当てはまるようになってしまうこともあります。最初にその法律ができた目的から考えたとき、そこからは外れるものがあることを明確にしておかないと、「この言葉に当てはまるから処罰できる」となってしまい、かえって危険です。法律をより良く運用していくためにも、法律とは何を守るものなのかを考えていくことが大事だと思っています。

学外に出て、多様な価値観に触れよう

大学時代は、自由に使える時間が比較的多いので、学内だけでなく学外にも積極的に出てみると良いのではないかと思います。私自身、大学生の頃は行きつけの店をいくつかつくり、お店の方や常連さんと親しくなって、社会的な礼儀などを教わったりしました。大学内だけの人間関係では、自分と似通った価値観の人との付き合いになりがちです。ですから、大学とはまた違った環境に出て、いろいろな世代や背景を持つ人との交流も楽しんでみてください。自分と全く違う考え方の人がいることを知るのは面白いし、法学を学ぶうえでも、とても大切なことだと思います。

『その行為、本当に処罰しますか』(弘文堂)
自著『その行為、本当に処罰しますか』(弘文堂)。何を犯罪とするのかという研究をまとめた博士論文を書籍化したもの

寄せ書き
大学時代に所属していたサークル「憲法研究会」の後輩からもらった寄せ書き。本学に赴任する際に贈られた