法学部 法律学科
田口 勉 教授
Taguchi Tsutomu

研究分野 民法、特に不動産物権変動

生年/1956年
血液型/A型
出身地/秋田県
家族構成/妻と子供2人の4人家族
趣味/音楽鑑賞
子供の頃の夢/教師になること
尊敬する人/高校時代、大学時代の恩師
愛読書/遠藤周作のエッセイ(「狐狸庵」ものや「ぐうたら」ものなど)、『ピーナッツ』(スヌーピーと仲間たちが登場する漫画)
休日の過ごし方/散歩(道祖神などの石仏巡り、動物園の散策など)
好きな音楽/ベートーヴェン
好きなTV番組/NHK「世界ふれあい街歩き」

法学部 法律学科 田口勉 教授

司法試験合格までの道程は厳しいですが、
苦しいときこそ“ユーモア”を!

紆余曲折を経て、ようやく大学教員に

法学の教員としては少しめずらしいかもしれませんが、小学校教師になるのが夢だったので、大学は教育学部で学びました。しかし、教育実習で実際に教師という立場に立ったとき、この職業は自分に向いていないと感じ、研究者を目指して法学部に再入学しました。このとき法学部を選んだのは、警察官だった父が読んでいた法律関係の本になじみがあったこと、教育学部で法学の先生が親しく指導してくださったことが大きかったと思います。学部卒業後、大学院に進んで修士課程を修め、博士課程を目指しましたが、この試験が難関で、競争率も高く大変苦労しました。2年間必死で勉強し、試験の日は、ペンで書いた答案が手の汗でにじむほど緊張したことを覚えています。

苦労の甲斐あって合格したその後も、また苦しみを味わうことになります。今でいう“燃え尽き症候群”だったのか、まったく無気力で研究する意欲すらなくなり、ついに心療内科に通院しました。人生のギリギリのところで踏ん張らなければならない状況が、過大なストレスだったのでしょう。全快まで3年ほどかかりましたが、その間も研究を継続することができたことは幸運であり、博士課程最後の1年は、ドイツに滞在して研究するという機会にも恵まれました。

たびたびの挫折と大きな幸運に恵まれた20代でしたが、博士課程修了後は群馬県の大学に就職し、その後神奈川大学に移り、現在に至ります。

双方向授業のための予習が前提

専門は法律学の中の「民法」といわれる分野で、研究テーマは「物権変動」です。土地や建物の所有権は、売買によって取得することができますが、たとえば、ほかにも同じ土地や建物を買い受けたという人が現われたらどうなるのか、売主が本当はその目的物の所有者ではなかったが、買主が売主を本当の所有者であると信頼していた場合はどうなるか、といった問題を研究しています。

法科大学院の授業では、学生に質問をしながら講義を進める双方向授業が行われており、その質問内容や、あらかじめ読んでおくべき資料(判例)を、授業の1週間前にインターネット上で学生に告知します。つまり授業は、学生がその指示に従って予習をしていることを前提のうえで進められるのですが、これが法科大学院の授業の特徴で、学部と大きく違うところではないでしょうか。

生きているだけですごいこと

法科大学院では、司法試験に向け、知識を綿密に積み重ねて自分のものとする勉強をしなければなりません。とても根気のいる厳しい作業であり、法科大学院の学生は皆、目標達成のために力を尽くして頑張っています。しかし、司法試験は1回で合格することが大変難しく、何度か挑戦することも稀ではありません。その苦しいときをどのように乗り越えるかが大きなポイントです。ここで思い出すのが、あるドイツ人から教えてもらった「にもかかわらず笑え」という格言。苦しいときこそユーモアを、ということで、これにならい、たとえ最悪の状態であっても、ユーモアに触れて笑ってみると、自然に力が湧いてくるものです。また『ピーナッツ』という漫画に「あなたは役立たずね」と言われたスヌーピーが、「犬というのはフルタイムの仕事でね」と答える件があります。「犬」を「人間」と置き換えると “生きているだけで、ここに存在しているだけですごいこと”という意味であると気づかされます。

皆さんも、就職や進学で悩んだり、大変なときや辛いときには、自分を責めたりせず、少し肩の力を抜いて、ちょっと笑ってみてくださいね。

写真はベートーヴェンの交響曲第六番「田園」の第二楽章終結部、鳥の鳴き声をイメージしたとされる部分
クラシック音楽が好きで、特にベートーヴェンをよく聞く。写真はベートーヴェンの交響曲第六番「田園」の第二楽章終結部、鳥の鳴き声をイメージしたとされる部分。このような作曲をするベートーヴェンは、ユーモアを解する人だったと思う

英語の勉強のために手に取った『西洋哲学史』の原書(バートランド・ラッセル:著)
博士課程の試験勉強をしていた浪人中、英語の勉強のために手に取った『西洋哲学史』の原書(バートランド・ラッセル:著)。難解な哲学を平易に説明した内容も面白く、夢中で読んだおかげで英語の力も身に付いた。学生にもすすめている