法学部 法律学科
公文 孝佳 教授
Kumon Takayoshi

研究分野 刑事訴訟法、刑事法学

生年月日/1969年1月19日
出身地/高知県
血液型/A型
趣味/読書
子供の頃の夢/船長
尊敬する人/たくさんいます
愛読書/ジョン・バカンの『三十九階段』『緑のマント』『三人の人質』(創元推理文庫)
休日の過ごし方/コンパスを持ってぶらぶら歩き
好きな映画/「陸軍中野学校」シリーズ、ヒッチコック監督作品
好きな食べ物/魚、乾物
好きな国/ドイツ

法学部 法律学科 公文孝佳 教授

刑事訴訟法の学びを通して
「フェア」や「公正性」の感覚を養ってほしい。

大学で刑事訴訟法を学ぶ意味

私が担当している講義「刑事訴訟法」では、条文を手がかりにさまざまな法的制度と事例について解説しています。また、ニュースで報道された事件などを、雑談風に話し、学生の興味と理解につなげようと試みています。とは言え刑事訴訟法の知識なんて、正直なところ社会に出てから直接には役立つようなものではないと思っています。せいぜいニュースや新聞を見る時に、多少、分かりやすくなるという程度のものでしょう。では、大学で刑事訴訟法などの法学を学ぶ意味とは何なのでしょうか。私は、「フェアであること」や「公正性」という感覚を学生に持ってもらうためだと思っています。例えば、何か審議事項があり、それについてきちんと合意を得るためには、相手側に利益と不利益の両方を告知した上で、検討する時間、そして意見を言う時間とお互いに討論する時間を与えなければなりません。その上で最終的な決定が下されねばなりません。しかし世の中には、そういう時間的余裕のないタイミングで審議に持ち込み、会議にかけたから全体でも議論はできたと勘違いしている人もいるのです。このように手続を「フェア」に行うことは、犯罪を犯した人に対しても同じです。一定の結論を出すことで、自分の利益を実現する、あるいは相手に不利益を与える場合には、必ず相手に主張の機会を与え、あらゆる場面で公正に運用されなければなりません。学生にはそういう感覚や意識を、刑事訴訟法の学びを通して身に付けてほしいと思います。

「無罪推定法理」と「in dubio pro reo法理」

私個人の研究テーマは、裁判で有罪と確定するまではなに人も無罪と推定される「無罪推定法理」と、疑わしきは被告人の利益にという原則「in dubio pro reo法理」の歴史的検討です。起訴された人間が限りなく100%に近い割合で有罪となる日本では、この「無罪推定法理」は、ほとんど実相を反映していないフィクションのようなものと言えます。また、フィクションだから守られない、絵空事だから軽視されるという傾向もありますし、誤った解釈がなされる場合もあります。そこでドイツを例に歴史を遡り、実態面としてどういうところでこの法理が活かされているのかを調べてみようと思ったのです。また、「in dubio pro reo法理」については、「無罪推定法理」との違いを明らかにし、混同されやすいこの二つの法理を分けてみることに挑みました。

この研究には、まだ分かっていないことが多く、とても関心が深いです。日本においては、今後、裁判員制度の導入が予定されていながら、まだ事実認定のルールさえ十分に整備されていないのが現状です。そのため、こうした昔からある厳しいルールを見直し、明らかにしていく必要があると考えています。

大学時代に使っていた思い出のグローブ
大学時代、硬式野球部に所属しており、その時、使っていた思い出のグローブ。学生生活では留年も経験、講義にも出ず、練習場と図書館とバイト先をぐるぐると回る毎日だった

6年前に書いた博士論文
6年前に書いた博士論文。修士課程では刑事政策を研究してきたが、博士課程で突然、指導教授に「刑事訴訟法しか指導できないよ」と言われ方向転換。ゼロからのスタートで多少の苦労もしたが、結果的にこの方向に進んで良かったと思っている