法学部 自治行政学科
幸田 雅治 教授
Koda Masaharu

研究分野 地方自治論、地方議会論、危機管理論

出身地/山口県
子供の頃の夢/空を飛ぶこと
尊敬する人/杉原千畝
愛読書/『14歳からの哲学』(池田晶子)
趣味/映画鑑賞、囲碁、食べ歩き
休日の過ごし方/研究会、セミナー
好きな映画/「パリ20区、僕たちのクラス」「風の谷のナウシカ」
好きなTV番組/「美の巨人たち」(テレビ東京)
好きな著名人/田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)
好きな食べ物/果物、トマト、クレームブリュレ、モンブラン
好きな国/フランス(個人を大事にする国)

法学部 自治行政学科 幸田雅治教授

どんなことも鵜呑みにするのではなく、
自分の頭で考え、判断できる人になりましょう。

住民の意見を反映させた“住民自治”を研究

私の専門は、地方自治です。地方自治とは地域の課題について、首長、議会、住民が自らものごとを解決していくことを言います。少し専門的な話をすると、地方自治は団体自治と住民自治に分けられます。団体自治とは地方公共団体(自治体)が国から独立した形で自らものごとを決定することを言い、住民自治は住民が地域の課題を自ら解決することを言います。これら2つは車の両輪にたとえられ、両方がうまく回ってこそ地方自治がうまく進むとされています。

その中でも特に私が関心を持っているのは、住民自治です。具体的には、住民の意見を地方行政に反映させた真の住民自治を行うための合意形成のあり方や住民自治にとって重要な地方議会の役割などについて研究しています。たとえば、家庭ゴミの減量化問題。地域のゴミ処理は自治体が一般廃棄物処理基本計画を策定し、それに則って行われますが、この基本計画を住民参加で策定していけば、地域のゴミ処理に対する意識が高くなるうえ、住民の実態に合った減量化政策が実施できるため、実効性が高くなります。逆に住民参加なしで、行政側が一方的に計画をつくると、実効性は低くなります。だからこそ住民と行政が一緒になって課題解決を図っていくことが大切なのです。また、東日本大震災以後、津波被害のあった沿岸地域の一部で、防潮堤の整備をめぐって行政と住民が対立しているというニュースを耳にしたことがあるかと思います。こうした震災復興においても住民の意見が反映されているかどうか、住民自治のあり方が問われています。

私がこの分野に興味を持ったのは、地方自治こそが民主主義の基礎を成すものだからです。地方自治がしっかり根付いていないと民主主義は育ちません。そして地方自治の発展には、住民の意思を反映した住民自治の発展がなくてはならないのです。

地方行政は私たちの生活に関わる身近なもの

担当授業の「自治体経営論」では、地方自治に関する制度と自治体の運営について取り上げています。私が総務省(旧自治省)にいた頃に制定に携わった地方分権一括法が2000年に施行されて以来、地方分権は一歩一歩進んできていますが、依然として課題は山積しています。国が必要以上に地方行政にあれこれ口出ししたりする制度的な制約もまだまだ残っていますし、逆に自治体の国への依存意識がまだ強いといった課題があります。そのため国は地方の自主性をより一層尊重しなければなりませんし、地方は自律して自分で判断していくという意識改革を進めなければなりません。それを実現するにはどうすればよいかということを、待機児童問題や先ほど例に挙げたゴミ処理問題など、身近な出来事を題材としながら学生と考えていきます。この授業を通して、公共経営や地方行政の課題解決の難しさと同時に、それらが私たちの生活と密接に関わっているということを伝えられたらと思っています。

社会で埋没しがちな問題を解決できる人になろう

神大の学生の多くは、真面目でとても素直です。それは良いことですが、公共政策や地方行政を考えるうえでは、どんなことも鵜呑みにしない、批判的な視点を養ってほしいと思います。政府やマスコミの発表をそのまま信じるのではなく、自分の目で見て、自分の頭で考えて判断できるようになってほしいのです。

また、日本社会は問題が埋没して見えにくい社会とも言われています。解決が難しい問題や長年解決できないままの問題に対して、誰も解決しようとしないがために、問題があっても無いような状態にされがちなのです。社会の中で隠れてしまっている問題、少数の人が抱えている問題やすぐには分かりづらいけれど重要な問題などに目を向け、それを明らかにし、解決していく人になってくれることを願っています。そのためには「なぜそうなっているのか?」という問題意識を持つ必要があります。自分の中に生じた疑問を自分で調べて、想像力を働かせながら自分の頭で考えるのです。それは自分なりの考え方を持つことにも繋がっていきますし、同時に、社会に貢献できる能力を身につけることにもなります。

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