法学部 自治行政学科
酒井 弘格 准教授
Sakai Hironori

研究分野 西洋政治思想史、政治理論(主に「市場経済と政治」について)

生年/1976年
血液型/A型
出身地/奈良県生まれ、大阪府育ち
家族構成/妻と二人暮らし
趣味/パズルやゲームが好きだが、研究に支障が出るので控えている。最近は美味しいお茶を飲んでリラックスするのが好き
子供の頃の夢/数学者、政治家、発明家、漫画家などいろいろ
尊敬する人/研究者になるきっかけを作ってくださった佐々木毅先生、福田有広先生
休日の過ごし方/要領が悪いので、仕事が片付かないまま終わる
好きな音楽/70〜80年代の邦楽
好きな食べ物/一番は妻の手料理、二番は神大の食堂の料理

法学部 自治行政学科 酒井 弘格 准教授

現代の政治は、過去の思想家が思考と議論を重ね、
試行と失敗を繰り返した長い歴史の上にあります。

政治を深く思考した過去の人々から学ぶ

担当の講義は「西洋政治思想史」です。一般的に「政治思想史」は、「政治史」と混同しやすいようですが、政治史が“政治の歴史的な事実”にアプローチする学問であるのに対し、政治思想史は“政治について深く考えたり、政治を独創的に考えた過去の人”の思想を学びます。言うまでもなく、いつの時代も政治は私たちの生活に大きく関わり、現在の日本社会のように、政府の政策や対応について不満を持つことも少なくありません。しかし、現代に生きる私たちよりも、むしろ社会が未成熟だった過去の時代の人々のほうが、より大きな不満を抱いていたとも言えるでしょう。それゆえ、長い歴史の中には、政治について深く思考し、よりよい政治のための新しいアイデアを考えた人がたくさんいました。政治思想史は、そういった人々の思想を学び、そこから“政治とは何か、何のためにあるのか”というところまで掘り下げ、考察する学問です。

この講義では特に、西洋の思想家たちが考え抜いてきた、政治に関するさまざまな見解を取り上げます。国や時代が異なれば、政治についての見方も大きく異なるので、まず始めに、多様な見方があることを知ってください。また、人間にとって“政治とは何か、何のためにあるのか”という問題は、根本的な点で時代を超えた共通性があります。過去の思想家の見解を、自分の見解と比較しながら取り組んでほしいと思います。

研究テーマは「市場経済と政治」について

大学の法学部で政治学の授業を受け、興味や疑問がわいたのをきっかけに、 “政府がどこまで市場経済に介入すべきか”という問題を研究テーマとし、政治や経済についての哲学的な洞察の歴史を勉強しています。具体的には、オーストリアの経済学者である、フリードリヒ・ハイエクやヨーゼフ・シュンペーターを研究対象としてきました。彼らは有名な経済学者であると同時に、政治など幅広い分野にかけてもすぐれた洞察を残しています。

20世紀のあいだ、政府の役割は徐々に増大していきました。政府が国民の生活や安全に責任を持つべきだと考えられたためであり、いわゆる福祉国家の考え方です。しかし、経済の停滞や政府の非効率性、財政赤字といった問題があらわれるようになった1970〜80年代頃からは、政府の役割を減らすべきだという思潮が強くなりました。かわりに市場の自由な活動によって効率化と経済発展を目指すもので、これが新自由主義です。このような市場の優秀性を20世紀前半から強く指摘していたのが、シュンペーターやハイエクでした。彼らの思想は、現代に生きる私たちに多くのことを教え、また考えさせてくれます。

学生の皆さんの積極的な活動に期待します

私たちの社会は今、多くの問題を抱え、困難な時代を迎えています。若者の就職率の低下も然りです。その原因を追究し、問題解決の可能性を試すのも政治の役割です。そして当然のことながら、皆さんも政治社会の大事な一員です。よりよい社会を作るため、流行に振り回されないしっかりした政治信念を磨き、積極的に政治に関わってください。そのとき、「西洋政治思想史」で学ぶ内容は、きっと皆さんの役に立つはずです。

大学生活でやりたいことはたくさんあると思いますが、4年間はあっという間に過ぎてしまいます。まずは、自分がどのようなことに取り組むべきかじっくり考え、それに対応した履修を進めましょう。また、授業以外にもさまざまなことに関わり、自分を成長させてください。本学では、非常に多数の学生と教職員が、それぞれの情熱を持って活動しています。そこには無数の方向に大きなエネルギーが放出されています。そのエネルギーを自らの成長のチャンスとして、積極的に活用してほしいと思います。

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20世紀の代表的な新自由主義者ハイエクの思想を、やや批判的に考察した博士論文
学部時代から「市場経済と政治」を研究テーマにしている。博士論文では、20世紀の代表的な新自由主義者ハイエクの思想を、やや批判的に考察した。約10年の歳月をかけ、苦心惨憺の末にようやく書き上げた