法学部 自治行政学科
出口 裕明 教授
Deguchi Hiroaki

研究分野 行政手続論、行政組織論、自治体法務論

出身地/大阪市東成区
趣味/園芸、地酒と名湯(秘湯)を訪ねる旅
子供の頃の夢/電車の運転士、小学校の高学年(70年安保の頃)からは警察官志望
尊敬する人/大村益次郎
愛読書/小学生の頃から『史記』『三国志』、大学に入ってからは『ゴルゴ13』(全巻揃)も
休日の過ごし方/午前中に妻と一週間分の買い物、午後は「日曜喫茶室」(NHK-FM)を聴いた後、園芸作業や読書など
好きな映画/「大脱走」、「遠すぎた橋」、「犬神家の一族」(76年版)
好きな音楽/モーツァルト、ショパン、さだまさし(特に「主人公」)、中島みゆき(特に「誕生」)
好きなTV番組/講義期間中は、NHKの朝のニュースと大河ドラマ以外、ほとんど観ません
好きな著名人/男優では阿部寛、女優では森口瑤子(いずれも「ファン」とまでは言えない程度)
好きな食べ物/牛肉のステーキ、馬刺し

法学部 自治行政学 出口裕明教授

世間の常識にとらわれないで、
社会に立ち向かう姿勢を持とう。

公務員志望者に役立つ指導も

私が担当している「行政学」は、広く定義すれば「行政活動について考察する学問」です。もう少し細かく言うと、まず、行政やそこで働く公務員に関するシステムがどうなっているのかという「制度論」、行政内部での定員、人事、予算等の管理業務の改善や執務方法の合理化・能率化から民間委託や完全民営化まで管理面を扱う「管理論」、そして、政策・行政サービスの必要性・有効性・合理性や政策過程を見る「政策論」に分けられます。さらに、これらを実際に担う公務員がどのような行動・思考パターンをとるかを中心に見る「官僚制論」が重要な柱になります。

授業では、できるだけ身近な事例や最新のトピックを例に挙げて説明するように心がけています。また、公務員志望の学生が受講するケースが多いので、実際の試験問題に頻出の箇所を指摘・解説したり、実務家の考え方なども適宜紹介しています。

行政手続法が一生の研究テーマ

大学時代から現在まで、私が研究し続けているのが行政手続法です。行政手続法という法律は平成5年11月にできました。長い間懸案とされていたため、日本中が相当な期待をし、注目した法律でした。ちょうどその法律ができた当時、神奈川県庁に勤めていた私は、二年間、派遣という形で大学院の法学政治学研究科で学ぶ機会に恵まれました。その後、再び県庁に戻り、行政手続法を所管する課に配属されましたので、自分が学んできたことを同僚職員に伝えつつ、行政手続関係の規程整備全般を担当していました。しかし、自分で条例案を作るなど、政策立案に直接携われるうちは良かったのですが、中間管理職あたりの立場に就くと、自分自身でやるのではなく、後輩職員に立案させて育てることが仕事になります。それよりは、研究者という別の立場から政策提案に関わりたいという気持ちもあって、(他にもいろいろな事情があるのですが)転職しました。

現在の行政手続法はまだまだ細かいところまで十分に社会をフォローできていないと言えます。そこで、個別分野ごとに行政の事前手続をさらに充実させることを目的に研究に取り組んでいるところです。ちょうど今は、保健所で所管している環境衛生、食品衛生などの分野を中心に手掛けています。時代や世の中の動きによっても、少しずつ変化していく内容が含まれており、研究し続けることが必要な分野ですね。

問題意識を大切に、学ぶ

学生には、とにかく、自ら「主体的に学ぶ」ことと、文献を通してできる限り多くの知識・情報を頭に詰め込むことを勧めます。自分の興味・関心や将来の志望進路などに従って科目を選択し、普段の疑問や問題意識を大切にしながら学ぶことが第一です。講義の際も、事前に疑問を持って臨んだり、「自分ならこの事案を例にあげて説明するのに」というように考えながら聴けば、より確実に記憶が定着します。

また、講義を聴くことと併せて、各種の文献を手当たり次第読んでいくことが大事です。「詰め込み主義批判」が強いためか、知識の詰め込みが疎かにされがちですが、インプットなしにアウトプットは絶対にありません。それに、「やみくもに」本が読めるのは学生時代の特権でもあります。

「学校で学んだものは社会では役に立たない」とまことしやかに言われますが、それは、学校でろくに学ばなかった人間の台詞です。私の経験では、入庁した翌日から行政法や民法の知識が役立ちました。講義に出てきた演習問題がそのまま社会で再現されることはないにしても、主体的に身に付けた知識やノウハウは、けっこう役に立つものです。

また、大学に入学される皆さんに伝えたいと思っているのは、世間の常識にとらわれないことです。世の中ではさまざまなことが起こります。その時の解決法としてあがる多数意見から、まずは疑ってみること。世の中に流されず、自分の視点を見つけてほしいなと思います。そういう意見を出せる人であってほしいし、これからはその必要があると思いますね。学生たちは偏差値というものによって、自分の立ち位置を勝手に判断して、この程度で良いと思ってしまうことがあります。小さくまとまらないように、もっと果敢に突き進んで行ってもらえるように育ててあげたいなと思いますね。

長女がお土産に買って来てくれた扇子
長女が京都旅行に行った際に、お土産にと買って来てくれた扇子。暑がりのため、この扇子は重宝し、何処に行くにもいつも肌身離さず持っている。愛用して5年になり、すっかり手にも馴染んだ。図柄は、眺めるとホッと心癒される、流水にモミジ

著書『行政手続条例運用の実務』(学陽書房)
著書『行政手続条例運用の実務』(学陽書房)。平成8年、大学院派遣から戻ってきた直後に配属された神奈川県庁総務部行政管理課時代に、徹夜を重ねて書いた一冊