人間科学部 人間科学科
横溝 亮一 准教授
Yokomizo Ryoichi

研究分野 カウンセリング、臨床心理学

生年/1947年
血液型/O型
出身地/神奈川県
家族構成/妻、子供
趣味/ぐうたらすること
子供の頃の夢/探検家から小説家、歴史家、果ては弁護士まで、さまざまな変遷がありました
尊敬する人/カール・ロジャーズ、佐治守夫
休日の過ごし方/趣味を生かしてぐうたらします
好きな食べ物/なんでも食べます
好きな国/やはり日本です

人間科学部 人間科学科 横溝亮一 准教授

相談者が自らの内面と向き合い、問題解決の道を
見つけるまで、共に歩むのがカウンセラーの役目です。

学生相談室は、皆さんの心の故郷

本学に赴任して以来26年近く、学生相談室のカウンセラーとして、学業や就職、友人・家族関係などの問題で悩みを抱えた、数多くの学生の皆さんの話を聞いてきました。その長年の経験から強く思うことは、“人はそれまでの人生の中で経験した「問題の対処法」でしか、新しい事態に対処できない”ということです。そして、過去の経験則では上手く切り抜けられない問題を抱えたときに悩みが生じ、カウンセラーに助言を求めたくなるのではないでしょうか。つまり学生の皆さんは“これまでの経験を元に、なんとかこの問題を切り抜けたいけれどそれができない、どうすればよいか分からない”という状況に陥ったときに相談室を訪れるのです。

そして、カウンセラーが心しておかなければならないことは、その学生のペースに合わせながらしっかりと寄り添い、支え続けることです。学生の心境を配慮せず、こちらが正しいと思う道を強く助言すると、彼らは相談室に来ることをやめてしまいます。カウンセラーとクライアント(相談者)の関係が破綻してしまうわけです。問題解決にとって大切なことは、クライアントが無理のないペースで自分の内面と向き合い、自ら問題解決の道を見つけることであり、私たちはその手助けをするに過ぎません。

先日、二十数年前に大きな問題を抱えていた学生から、心のこもった手紙が届きました。また、相談室には卒業した学生が数多く訪れ、近況報告をしてくれます。相談室が学生の皆さんの心の故郷になっていることを、とても嬉しく思っています。

ゼミのテーマは“自分や他人にきちんと向き合うこと”

学部の講義は、赴任当初から教職課程の科目を担当し、人間科学部発足時からはゼミナールも担当しています。ゼミナールでは、「ピア・カウンセリング」と「箱庭作成」といった活動を通し、“自分自身や他人にきちんと向き合えるようになること”を中心的なテーマとしています。

本ゼミナールのピア・カウンセリングは、まずゼミ生同士でカウンセラー役とクライアント役を決め、およそ30分のカウンセリングを体験します。このときの様子を録音テープに収録し、終了後、カウンセラー役が逐語記録を作成します。この記録を元にクライアント役がカウンセラー役の発言について評価を行い、最後に、ゼミ生全員でカウンセリングの録音テープを聞きながら検討する、という形で進行します。その結果、ゼミ生一人ひとりの話の聞き方や、人との向き合い方を見ることができます。

一方、より深い自分の心の世界を垣間見る体験として、箱庭作成にも取り組んでいます。3人一組で各々が箱庭作成者、箱庭作成を見守るカウンセラー、箱庭の作成過程の記録者になります。作成した箱庭は、作成過程の写真記録と共にゼミ生全員で鑑賞し、お互いの感想を交換します。これをゼミⅠ〜ゼミⅡの2年間で3回行いますが、3つの箱庭を比較すると、ゼミ生の精神的な成長が見事な形で表現されていることがよく分かります。

これまで従事してきた相談員と教員の仕事を通し、相談室を訪れる学生やゼミ生たちからたくさんの刺激を受け、私自身も成長させてもらいました。特にゼミを担当するようになってからは、学生相談での体験をゼミに活かし、反対にゼミでの体験を学生相談に活かしたことが数多くありました。皆さんも、よき出会いとさまざまな経験を積みながら、成長してほしいと思います。

東京大学の恩師でもある佐治守夫氏の著書『臨床家 佐治守夫の仕事1』(明石書店)
日本を代表する心理療法家であり、東京大学の恩師でもある佐治守夫氏の著書『臨床家 佐治守夫の仕事1』(明石書店)。大学時代、佐治先生に出会ったことで、臨床心理学の世界にのめり込むことになった

ゼミの学生が卒業するときやゼミⅡ終了時にプレゼントしてくれた写真や寄せ書きを手作りのアルバム
ゼミの学生が卒業するときやゼミⅡ終了時に、写真や寄せ書きを手作りのアルバムにしてプレゼントしてくれた。これはその中のひとつ。思ってもいないことだったのでとても感激した。学生たちの気持ちのこもった温かい贈り物は、すべてが一生の宝物