人間科学部 人間科学科
荻野 佳代子 教授
Ogino Kayoko

研究分野 生涯発達心理学、産業・組織(キャリア)心理学、教育心理学

出身地/東京都
血液型/A型
趣味/食べ歩き(特にスイーツ、パン)
子供の頃の夢/和菓子屋さん
尊敬する人/今まで出会った多くの方々、特に研究者としての先輩方
愛読書/山形明美『どこ?』シリーズ(絵本です)
好きな映画/「ショーシャンクの空に」
好きな音楽/B’z
好きなTV番組/NHK「課外授業 ようこそ先輩」
好きな食べ物/シフォンケーキ、わらびもち、抹茶クリーム
好きな国/日本

人間科学部 人間科学科 荻野佳代子 教授

心理学は、いわば「ものの見方」を問う学問。
あたり前だと思っていることを見直す面白さを知ってほしい。

看護師や教員などのバーンアウトについて考える

「キャリア」「女性(ジェンダー)」「ストレス」をキーワードに、働く人のストレス、特に看護職や教員など“対人援助職”を対象とした「バーンアウト(燃え尽き症候群)」について研究しています。バーンアウトとは、簡単に言えば、仕事にやりがいを感じて一生懸命働いていたのに、さまざまな要因から疲れてしまい、意欲を失ってしまうことを言います。私は、なぜバーンアウトが起こるのか、それを引き起こすストレスのメカニズムや対処法を明らかにして、働く人が仕事や組織とどうすれば良い関係を築くことができるのかということを考えています。特に対人援助職には女性が多いため、女性キャリアの問題にも発展させたいと思っています。最近手がけている研究テーマでは、「ワーク・ライフ・バランスとバーンアウト」があります。職場にワーク・ライフ・バランスを支援する風土や雰囲気があることが、バーンアウトに有効ではないかという仮説を立てて調べています。ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と生活の調和という意味で、一人ひとりが望む生活・生き方ができることを言います。先日、看護師さんのグループワークで「休みを取りやすい職場にするには、どうすればいいか?」を考えていただきました。その回答には、「看護師を増やす」「仕事を効率的に行う」という意見もありましたが、印象的だったのは「休みを取っても理由を聞かない」といった意見が多かったことです。皆が忙しく働いているとわかっているだけに、職場の雰囲気としてまだまだ休みや有給休暇を、特にプライベートな理由で取ることへの罪悪感があるのかもしれません。このように働く環境について考えることは、看護職だけでなく、社会で働く人全般にもつながっていくのではないかと思い、研究しています。

子どもの世界は、大人の当たり前が通じない

授業では、教職課程科目の「教育心理学」や「カウンセリング概論」・「カウンセリング演習」などを担当しています。「教育心理学」は、教職課程の1年次の必修科目なので、基礎的な内容すなわち、心理学の基本的な学習・発達理論や、環境的要因や遺伝的要因が子どもの発達に与える影響などを取り上げています。例えば、子どもの物の見方は自己中心的だという、心理学者ピアジェが提唱した「自己中心性」。自己中心性というのは、性格的なことではなく相手の視点に立つことができないという意味です。例えばレストンランでメニューを見る時、大人は自分にとって逆さまにメニューを置いて見ることがあります。それは向かい側に座っている人が見やすいようにという視点があるからです。しかし、子どもにはそれはできません。なぜなら相手にはどのように見えているかが、わからないからです。ですから今、大人である学生たちにとっては当たり前のことでも、子どもたちにとっては当たり前じゃない世界があるのだということを想像してもらえたら良いなと思っています。こうしたことは、教員になるために必要な視点ですが、そればかりでなく、学生たちが社会に出てなんらかの形で子どもと関わる時にも役立つのではないかと思い、教えています。

多くの視点でものを見る力を身に付けてほしい

学生の皆さんには、多くの視点でものを見ることの大切さを知ってほしいと思っています。心理学は、いわば「ものの見方」を問う学問です。いつも見ているもの、当たり前だと思っていることを見直してみる。その面白さを、授業を通して伝えられたらと思います。大学時代は、自分は何をしたいのか、どういう仕事に就き、どんな人生を歩みたいのかを問われる時期です。ただ、人生は思った通りいかないことも多いし、思い描いていたこととは違う道を進む場合もあります。そんな時に悲観するのではなく、自分を見直したり見方を変えたりして、それもオッケーと思える力を身に付けてほしいですね。「思っていたのと違うけど、結果的にうまくいけばいい」、そう思える力は生きていくうえでとても大切です。それが人生や仕事とうまく付き合うということではないかなと思います。

共訳書『バーンアウト―仕事とうまくつきあうための6つの戦略―』
共訳書『バーンアウト―仕事とうまくつきあうための6つの戦略―』。同じ研究テーマの先生方との出会いは財産となっている

2005年に看護・介護職を対象としたバーンアウトの発生メカニズムに関する研究で受賞した機関誌『経営行動科学』奨励研究賞の盾
2005年に看護・介護職を対象としたバーンアウトの発生メカニズムに関する研究で受賞した機関誌『経営行動科学』奨励研究賞の盾。初めて頂いた賞で、その後の研究のモチベーションに繋がった思い出深い賞