人間科学部 人間科学科
古屋 喜美代 教授
Furuya Kimiyo

研究分野 教育心理学、発達心理学

出身地/埼玉県
生年/山口百恵と同年
血液型/おおざっぱな「O」とよく言われます
趣味/テニス
子供の頃の夢/漫画家、小説家
尊敬する人/思いやりのある人・誠実な人。そんな身近な人に恵まれています
愛読書/児童文学、『こころの処方箋』(河合隼雄)
好きな音楽/クラシックのバイオリン曲
好きな著名人/坂本龍馬(高校生の時、『竜馬がゆく』にはまりました)

人間科学部 人間科学科 古屋喜美代 教授

教育の原点は、目の前の子どもを理解すること。
子どもに寄り添う眼と育てる側からの眼、
両方の視点を持つことが大切です。

客観的な視点で、教育現場の状況や問題を整理し直す

人間科学部では「発達臨床心理学」を、全学部対象の教職課程では「教育心理学」などの講義を担当しています。いずれの講義でも、子どもの発達を見る目・捉える力を学生自ら育むことを目指して取り組んでいます。研究では、幼児から学童期の発達心理、障がいを持つ子どもの発達とその支援をテーマにしています。具体的には、健常な子どもとハンディキャップのある子どもが共に生活する学童保育所を訪問し、そこで問題となっていることに応えるために、子どもたちの姿を生活の中で捉え、先生方と共に状況の評価や問題整理をして何が大事かを共有し、支援に向けての話し合いをしています。例えば、最近よく問題となるのは、障がいがあるかどうかははっきりしないけれど、集団の中で自分をうまくコントロールできない、被害感情が強くて、ちょっとしたことで怒ったり手を出したりするといったトラブルをたびたび起こす子どものケース。こうしたことは、実は問題を起こす子ども本人だけでなく、集団の中での関係性といった保育や教育全体の問題でもあります。そこで巡回相談という形で外部の私が入り、客観的な視点で状況や現場の先生方の取り組みを整理し直すお手伝いをしているのです。

また、現場の先生の中には、長年の経験や勘などから非常に優れた教育を実践している方がいます。そうした実践の何が子どもたちの成長を押し上げ、サポートしているのか、集団のダイナミズムをどううまくつくりだしているのかを、きちんと言葉にして伝えるということも課題だと考えています。優れた一人の先生の実践を“名人芸”で終わらせるのではもったいない。そのポイントを可視化し、他の先生たちと共有することで、先生方の取り組みの振り返りにつながればと思っています。そういう教育現場のつなぎの役割を、私たち研究者が担うべきだと思って取り組んでいます。

自分の考えを揺さぶってくれる友人や仲間を大切に

私が今の分野に進もうと決めたのは大学時代です。高校生の頃から人間に興味があり、漠然と心理学を学びたいと思っていました。それが具体的になったのは、大学2年で専攻を選ぶ時です。自分は何をしていきたいのかと考えていた時、たまたま障がいを持つ乳幼児の通園施設でボランティアをさせてもらう機会があって。そこで子どもが育つということの意味や命というものを目の当たりにしました。それと同時に、自分の力のなさを痛感し、こういう現場で力になれるような力量をつけたいと思ったのです。自分に力がないなんて学生だったのだから当たり前ですが、その時は自信をなくしました。でも、だからこそ教育心理学を学んでもっと子どもの発達を勉強したいと強く思いました。

本学の教職課程の学生も教育実習に出かけて、一回り大きくなって帰ってくることが少なくありません。教員になることに迷いがあった学生が「やっぱりなりたい」と決心するくらい貴重な経験をしてきます。教員を志すうえで大切なことは、目の前の子どもを理解することです。“子ども側からの視点”で状況を捉えられるような力を、ぜひ大学時代に育んでください。また、意識的に“育てる側”に立って捉え直すこともしてほしいと思っています。「育児は育自」とはよく言ったもので、育てる側に立って初めて自ら育つところもありますからね。また、学生には友人や仲間を大切にしてほしいと願っています。先生から言われる言葉よりも仲間同士でのやりとりのほうが、自分の考えを揺さぶってくれることが多いからです。今の自分の水準のちょっと上を一番刺激してくれるのは、友人や仲間だと思います。

誕生日に娘たちからもらった手紙
研究室に飾っている、誕生日に娘たちからもらった手紙。他にも叱った後に渡された手紙や母の日の手紙など、自分の言葉で一生懸命書いてくれた手紙はどれも宝物

歴代の卒業論文集
歴代の卒業論文集。特に1993年度の第一号は、手作りだったので思い出が大きい。『邂逅』や『轍』といったタイトルは、学生たちが自ら決めた