外国語学部 スペイン語学科
片岡 喜代子 准教授
Kataoka Kiyoko

研究分野 理論言語学、日本語スペイン語対照研究、スペイン語学

生年/昭和生まれです
血液型/AB 型
出身地/兵庫県淡路島
趣味/水泳と映画
子供の頃の夢/宇宙人に会うこと
尊敬する人/与謝野晶子(君死にたもうことなかれ、と歌った)
愛読書/子供の頃から何百回も読んでいる『イソップどうわ』
休日の過ごし方/泳いでお昼寝
好きな映画/好きな映画はここに書ききれないくらいあるので、そのなかでも若い人達にぜひ見てもらいたいのは、19歳のイラン人女性監督が作った「子供の情景」という映画です
好きな音楽/歌は、さだまさしの「夢」、加藤登紀子の「あなたの行く朝」、音楽はGeorge Winstonの奏でるピアノ
好きなTV番組/テレビは見ません
好きな著名人/アウン・サン・スー・チー
好きな食べ物/チョコとヘーゼルナッツとアーモンドと、それぞれを組み合わせたもの
好きな国/私は地球人、どの国もいい

外国語学部 スペイン語学科 片岡喜代子 准教授

均質な世の中を面白くするのは〈例外〉の存在。
それをややこしがらずに、面白がろう。

大学は「考える場」でもある

普通、私たち人間は発声器官をひとつしか持っていないので、ひと言ずつ順番に言葉を発していきます。そのため基本的に表現としての言葉は線的に繋がっています。それはどの言語にもあてはまる普遍的特質です。では、その言葉によって伝えられる意味はどうでしょうか。たとえば〈古い〉〈櫛〉とか、〈面白い〉〈本〉というように、単純に言葉の順番に従って意味がつながる場合もあります。けれど「今日はこれ〈しか〉持って来ていま〈せん〉」など、ずいぶん前に出て来た言葉が後から出て来た言葉にかかって意味を成す場合もありますね。そして〈しか〉と、そこにつながる〈せん〉は離れているけれど、私たちはその関係性を理解できます。このように言葉と言葉が離れているときの関係の持ち方は言語によってさまざまで、それが言語の個別特質です。そして、いろいろな言語の個別特質をみていくと、日本語とスペイン語のようにまったく関係のない言語でも、意外な共通性があったりするのです。

私が担当している「スペイン語学研究」の授業は、スペイン語と日本語を共通の理論的枠組みに入れ込むことで、普遍的特質と個別特質を探ることを目指しています。「スペイン語演習Ⅰ,Ⅱ」「スペイン語作文・講読」などの授業と違って、「覚えること」はほとんどなく、学生の皆さんには何よりも頭をひねってもらいます。

語学を習得しようと思うと、どうしても語彙や文法など覚えることがたくさんあって、暗記することが重視されがち。そして、覚えることに一生懸命だと、ちょっと立ち止まって考える時間は取りにくいものです。でもそこで「どうしてそうなるんだろう」と考えてみることはやはり大切です。考えても考えてもわからないことは世の中に多々ありますが、その「わからない」と感じる感覚が大切なのです。ですから、慌てて答えを求めないこと。その時正しいと思ったことでも、後で違った見方ができることもあります。大学は「学ぶ」だけでなく「考える場」でもあるのですから。

言語は誰もがひとつ、持っている

言語という学問分野では、それぞれが自分の母国語という基礎知識を持っています。そのため自分の言語をあてはめてみることで、比較的簡単に「枠組み」を実感することができるのです。我々の場合、まず日本語で枠組みを理解してから、次にスペイン語でも同じような表現をみてみる。すると、あぁ日本語とこう違うんだ、というように日本語をベースにスペイン語の特徴を実感できるわけです。日常生活のなかで自分の母国語を「言語」として客観的に見る機会というのはほとんどありません。けれど、日本語をひとつの「言語」としてみていくと、別のひとつの「言語」であるスペイン語との共通性や違いが驚くほどくっきり見えてくる。そこが言語を学ぶことの面白さでもあります。

ですから私の授業では、普段無意識に使っている母語(多くの場合は日本語)を意識して、ひとつの言語としてみることも鍛えてもらいます。たとえば今日一日、朝から晩まで自分がやったことを動詞だけで書き出してみましょう。朝「起きる」、顔を「洗う」、ご飯を「食べる」などを書き出して自動詞と他動詞にわけてみる。あるいは自分が話した言葉を記述してみる。このように無意識に用いていた言語を意識下においてみると、これまで見えなかった新たな発見がたくさんあるものです。学生の皆さんには、その発見の楽しさを知ってほしいと思います。

原則から外れる例外は宝物

私が専門としている研究分野は「理論言語学」です。平たく言うと、人間が言葉を話したり聞いたりしている時に、頭の中でどのようなことが起こっているかを、実感できる形に示したもの。それを理論の言葉で表し、一つひとつの原則を言語事実に照らして検証するという科学的方法をとっています。理論を構築する段階では、細かい言語事実を最も実感できる母語(日本語)をみますが、一旦理論の枠組みができたら、それを別の言語(スペイン語や英語)にあてはめていき、同じ枠組みでどのように複数の言語が捉えられるかを探っていきます。

言語学に限らず、一般化というのは学問の基礎です。いろいろな現象をまとめて「これってこういうことだよね」といったん抽象的な言葉で分類してみる。言語現象を理論的枠組みで捉えるというのもそういうことです。ただしその際、共通の原則で複数の言語を捉えるため、どうしても共通部分につい目が行ってしまいがちですが、原則から外れる例外は必ずあります。そして、その例外から新たな展開があり、意外な方向へ発展することも少なくありません。そのように一般化ではくくれない現象を「ややこしい」と思うのではなく「面白い」と思ってみましょう。例外こそ宝物。均質な世の中を面白くするのは、少し外れた例外的な物の存在だということを忘れないでください。

小学校1、2年生の頃に買ってもらった『イソップどうわ』(偕成社)
小学校1、2年生の頃に買ってもらった『イソップどうわ』(偕成社)。基本的に一度読んだ本は読み返さない性格なのだが、なぜかこの本だけは子供の頃から何百回も繰り返して読んでいる

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高校時代に父が買ってくれた柘(つげ)のくし。水泳をやっているのでついつい濡れた髪を梳かして歯が何本も折れてしまったが、今でも使っている。ものを集めたり、こだわったりすることがほとんどない私が、唯一小さい頃から持っているのがこの「くし」と『イソップどうわ』の本。それ以外は、誰かがほしいと言えばその場ですぐあげられる