外国語学部 英語英文学科
中込 幸子 助教
Nakagome Sachiko

研究分野 英語教育学

出身地/父の仕事で、頻繁に引っ越しましたが、大阪とニューヨークが一番長い
血液型/O型
子供の頃の夢/英語教師、ジャーナリスト、リポーター、映画監督、スタントマン
愛読書/「The Outsiders」(S.E. Hinton)「Le Petit Prince」「Tuesdays with Morrie」(Mitch Albom)
趣味/カラオケ、整理収納、映画鑑賞、教材開発、仮装、高飛び込み
休日の過ごし方/カラオケ、整理収納、映画鑑賞、教材開発
好きな映画/「Star Wars」「West Side Story」
好きな音楽/American pop music
好きなTV番組/「The Ellen DeGeneres Show」
好きな著名人/Ellen DeGeneres
好きな国/カナダ

外国語学部 英語英文学科 中込幸子 助教

日本語の「どうも」はお礼にもあいさつにもなる。
翻訳で大切なのは、言葉の意味だけでなく状況を考えること。

翻訳者は「なにを意識して訳したか」を明確に

通訳や翻訳は、単に意味があっているかということよりも、むしろ日本語としてニュアンスが正しいということのほうが重視されます。例えばショッピングでのお客さんと店員さんの会話を訳すときは、店員さんは丁寧な言葉づかいをしますから、「わかりました」より「かしこまりました」のほうがが日本語としては自然ですよね。ほかにも「May I help you?」は直訳すれば「何かお手伝いしましょうか?」ですが、この場面でしたら「いらっしゃいませ」が妥当でしょう。さらに、日本語では「どうも」という言葉を「ありがとう」の代わりに使うこともあれば、久々にあった人に「いやーどうも!」というように「Long time no see!(ひさしぶり)」の代わりに使うこともあります。

このように日本語というのは曖昧ですし、場面によっていろいろな使い方をします。それを頭に入れて、単に意味を訳すのではなく、まず使われている状況を考えることが、いい通訳/翻訳へ繋がる道です。

ですから新聞記事やインタビュー記事を翻訳する課題では、この言葉をどうしてこういう日本語に訳したのか、すなわち翻訳者として「なにを意識したのか」ということをプレゼンしてもらったりもしています。

習得した言語によって、自分のアイデンティティーも変わる

私は小学校時代を7年間アメリカとカナダで過ごし、社会人になってからはニューヨークで6年間働いてきました。授業では私が体験した文化や言葉使いの違いなどもお話しています。例えば小学生の頃、先生を「teacher」と呼んだら、「私には名前があるのよ。私はあなたのことをgirlとは言わないでしょう!」と怒鳴られたことがありました。日本では「先生」と呼びかけることは特別でもなんでもありませんが、アメリカではそれは失礼にあたるんですね。

また、アメリカでインターンシップをする学生から、何に一番気をつければいいのかと聞かれたので、「遠慮するな」「自己主張をはっきりしろ」と答えました。アメリカでは謙遜や地道な努力というのはほとんど評価されませんし、むしろ向上心がないと見られてしまう。日本で美徳とされるものが、アメリカでは逆にネガティブに見られがちだということは認識しておくといいでしょう。

私自身は英語がペラペラになった途端、自分のアイデンティティーはアメリカ人だと感じるようになりました。なぜなら英語には女性らしい表現というものがなく、この方が自分の性格に合っているからです。このように、ある言語を習得するとアイデンティティーも変わる。それを自分自身が経験したからこそ、研究テーマとして言語アイデンティティーの変化には興味があります。

ちなみに私がニューヨークで知り合った日本人は多くが関西人でした。フレンドリーで言いたいことは喧嘩も厭わず面と向かって言う。そういう気性が関西人とニューヨーカーは似ている気がします。英語に馴染みやすいかどうかというのは、実はそんなところなのかもしれないと思います。

海外を旅して、世界のいろいろな事情や暮らしを体験してほしい

大学時代は社会人になるための準備期間。自分が何をしたいのか、何が向いているのかを見極めるためにいろいろな仕事を体験したり、あるいは見学したりすることが大切です。私は大学時代、英語教師、通訳、翻訳、外国人の案内、アクセサリー販売のアルバイトをしていましたが、いまだにその当時の経験が役立つことがあります。

また資格をたくさん取ることもおすすめします。私は高校時代、「英検オタク」と言われるほど資格を取ることに熱中していて、英検1級、国連英検特A級、通訳検定2級、ビジネス英検grade A等に合格しました。それはいい目標になりましたし、40代になった今でも履歴書に書ける強みです。また、最近も企業内収納マネージャーや、整理収納アドバイザー1級の資格を取りました。

もう少し大きな視点でいえば、いろいろなニュースや映画を見ることで異なる価値観や立場の違う人々のことを知ってほしい。そして気が利き、思いやりがあり、異なる立場の人の気持ちがわかる人間になってほしい。そのためには世界を旅して、人種差別など、実際につらい体験をすることも大事だと思います。世の中には自分で体験しないとわからないことも多くありますから。

愛読書「The Outsiders」
愛読書「The Outsiders」は、帰国子女だったため主人公の疎外感にとても共感でき、中1の夏に帰国して以来、50回以上読みました。それがきっかけでライターになりたいと思うようになりました

ライターとして記事を書いた朝日ウィークリー
大学卒業後はテレビのディレクターや翻訳家として働いてきました。ライターとして朝日ウィークリーに書いた記事は100本以上にのぼります。大好きな「Star Wars」についてなど、自分の趣味について書いたものも多いです