外国語学部 英語英文学科
古屋 耕平 准教授
Furuya Kohei

研究分野 19世紀のアメリカ文学

血液型/多分O型だと思います。しかし、自己紹介で血液型を聞くのは、おそらくは日本特有の風習です。(他の国でもあるのでしょうか。)日本人以外で自分の血液型を知っている人はかなり少ないはず。
子供の頃の夢/ありませんでした。
尊敬する人/他人に干渉せず、自分の仕事をきちんとやっている人。
愛読書/何でも読みますが、今は授業や研究に関係するものばかり読んでいます。
休日の過ごし方/家事、買い物、外出。残念ながら自分用の休日というものはありません。もし自分一人だけの自由な時間を持つことができれば、もう少し研究がしたいです。
趣味/ありません。強いて言えば、研究です。本当は研究を仕事にしたかったのですが、今や研究は贅沢な趣味となってしまいました。
好きな音楽/ジャンルは問わず、良い音楽は何でも好きです。

外国語学部 英語英文学科 古屋 耕平 准教授

何でもできるのが文学のよいところです。文学作品に触れながら、
実学だけでなく、何の役に立つかわからないことを勉強する面白さを知ってほしい。

自由で新しい19世紀のアメリカ文学の研究

19世紀のアメリカ文学、特にイギリスからの独立後、独自のアメリカ文学が花開いた「アメリカン・ルネッサンス」と呼ばれる19世紀半ばの文学を研究しています。この時代のアメリカ文学は、イギリス文学の影響をいかに排除し、自由で新しい作品を作り出すか、という点を意識して書かれたものが多いことが特徴です。たとえば、人間と鯨の戦いを描いたハーマン・メルヴィルの『白鯨』は、アクションかSFか、ジャンルも特定しづらい独創的な小説ですし、詩人のウォルト・ホイットマンは、一般的に詩とは韻を踏むものとされていた時代に、自由詩を作ったことで知られています。また、エコロジーな暮らしを描いたヘンリー・D・ソローの『森の生活』もこの時代の作品で、現代アメリカ文学の礎になっている作品が多く見られます。20世紀に入ると、映画やテレビなどの映像カルチャーが盛んになるので、この19世紀半ばがアメリカ文学の全盛期といえるでしょう。

アメリカの作家が独自の作品を作り上げていく過程で、ヨーロッパの文学作品も翻訳出版されていました。私は主に、これらの翻訳作品がアメリカ文学の形成にどのような役割を果たしていたかを研究テーマにしています。神奈川大学外国語学部には、各国語の専門家が大勢いますので、他の先生方に教わりながら少しずつ研究を進めたいと思っています。できれば自分が学生になりたいくらいです。

アメリカの大学院で学んだ留学生活は得難い経験です

大学では漠然と文学を勉強しましたが、子供の頃から洋楽が好きで、アメリカ文化への漠然とした憧れもあり、修士課程に進んで英米文学を研究しました。その後、テキサスの大学院に留学し、前述の研究で博士号を取得しました。留学先は、敷地の一角に18ホールのゴルフコースがあるほど広大なキャンパスで、5万人の学生が学ぶアメリカの典型的な州立大学でした。ここで、アメリカおよびイギリスをはじめとするヨーロッパの文学、歴史や文化など広く学び、自分の研究を深められたのはとても得難い経験です。

日本とは違うアメリカの教育システムにも学ぶべき点が多くありました。アメリカの大学院の博士課程には、学費免除と月々の給与を支給する代わりに、TA(Teaching Assistant)として、主に1〜2年生向けの科目を教えるシステムがあります。多くの英文科の大学院生と同様に、自分もアカデミックライティング基礎のような科目を担当することになりました。最初の学期は、アメリカ人学生の質問が全く聞き取れず死ぬかと思いましたが、一学期が終わる頃にはなんとか慣れました。未だに英語はたいしてできませんが、なんとかその場を乗り切る技術だけは身につけました。それぞれの国の大学生制度には良い面も悪い面もあるでしょう。少なくとも自分にとっては、経験の点でも、経済的な点でも(当時経済的な余裕が全く無かったので)、今の自分があるのはアメリカの大学院の制度のおかげだと思っています。

学生の皆さんにも、できれば留学を経験してほしいです。経済的なハードルがあれば、私のように何らかの奨学金制度を利用して、最低限の費用で留学する方法もあります。この経験から留学先を探す手伝いもできるので、興味がある学生さんは、ぜひ声をかけてださい。

今役に立つ知識が十年後も役に立つか分からない

現在は、アメリカ文学に関わる授業をひととおり担当しています。講義の内容は授業によっていろいろですが、たとえば『アンクル・トムの小屋』のような有名な文学作品やアメリカ映画を素材に、作品の背景にある社会問題や歴史、文化などにも触れるようにしています。皆さんには実学だけでなく、教養も身につけてほしいので、授業の進め方も模索しながらなのですが、何の役に立つか分からないようなことを勉強することが、どれほど面白いことかに気付いてもらえたら嬉しいです。

自分が子供の頃は想像もつかなかったインターネットやスマートフォンが急速に発展して、ちょっとした翻訳なら機械がやってくれる時代です。これからも科学技術がどのように発展し、時代がどのように変化していくか予測もつきません。つまり、今役に立つと思える知識が、十年後も役に立つとは限らないわけです。それだけに、何かの役に立つからではなく、自分が面白いと思えることを見つけていくことで、長い人生を楽しめるのではないかと思うのです。

写真集『Uncommon Places』
フォトグラファーStephen Shoreの写真集『Uncommon Places』。70年代のアメリカの雰囲気を感じることのできる作品ですが、自分が住んでいた街の風景もこのような感じでした

韓国の大学のオリジナルグッズ
韓国の友人の大学で講演した時に、プレゼントされた大学のグッズ。デザイン系の大学のせいか、オリジナルグッズもスタイリッシュでした