外国語学部 英語英文学科
ウィリアム・マコウミ 教授
William McOmie

研究分野 比較文化研究、欧米研究、文化交流史

出身地/アメリカ、カリフォルニア州
家族構成/妻、子供、犬
趣味/読書、音楽鑑賞、映画鑑賞、散歩、山歩き、など
子供の頃の夢/古生物学者(特に恐竜)
尊敬する人/尊敬される価値がある人
愛読書/いろいろありますが、fiction と言えばスタイベックの『The Grapes of Wrath』、オースティンの『Pride and Prejudice』、トルストイの『War and Peace』など。 non-fictionは主に歴史や政治、比較文化や比較言語について
休日の過ごし方/思いきり休養し、好きなことを一生懸命やること。
好きな映画/黒沢明の「七人の侍」、「Dersu Uzala」など。アイゼンシュタイン・タルコフスキーの映画。「The Third Man」「Chariots of Fire」「Star Wars」「Lord of the Rings」など
好きな音楽/とても多様に、Beatles からVivaldiまで
好きなTV番組/ドキュメンタリー、ニュース、スポーツ、旅行、など
好きな食べ物/Avocados、almonds、dark chocolate、cranberries、etc.
好きな国/日本、アメリカ、英国、スコットランド、ノルウエー、オーストリア、チェコなど

外国語学部 英語英文学科 ウィリアム・マコウミ 教授

同じ言語を話す人間同士でもミスコミュニケーションはありえる。
だから怖がらずに英語でコミュニケーションを!

外国語を学ぶことは、母語への意識を高めることにもなる

私はアメリカ出身で、今は英語を教えていますが、実は学生時代にはロシア語を勉強していました。当時は自分の知らない外の世界の文化を知りたいという欲求と、難しい言語にチャレンジしたいという気持ちがあったのです。最終的に大学院までロシア語を学び、そこでロシア語と英語の文法を比較する論文を書いたのですが、そのときに初めてロシア語の観点から英語という自分の母語を見て、文法的な相違や類似点など、いろいろな発見をしたのです。例えば英語で過去のことを表すのは、past tense=過去形という「時制」です。けれどロシア語では、終ったことと、終っていないことの違い、すなわちaspect=相で表現するのです。

このように外国語を勉強することによって、自分の母語を違う側面から見ることができたことは、私にとって非常に印象的な体験でした。ドイツの作家ゲーテは「自分の母語を理解するためには、外国語を学ぶ必要がある」と書いていますが、私はそれを大学院のころに実感したというわけです。

外国語を学ぶことは、自分の言語についての意識を高めることにもつながります。母国語というものは毎日、無意識に使っているものなので、「どうしてそう言うのか」というようなことは、なかなか考える機会がありません。他の言語を学んでみて初めて、じゃあ、日本語ではどういうのか、ということを意識するようになるのです。皆さんも英語を勉強することによって、きっと日本語への理解も深まるようになるはずです。

文化は人間にとってのソフトウェア

文化とは、どういうことでしょうか、文学や芸術などの教養に関することだけではありません。たとえば、なにを大切にしてなにを大切にしないか、自然や動物とどう関わっていくか、など、いわば「外の世界との関係性をどうやって築いていくか」ということに影響するのが本質的な文化であり、人間にとっての基本ソフトウェアのようなものです。それがなければ人間は人間ではありません。そして、OSの違いのように、国や地域によって文化にも違いがあるのです。

こうした本質的な文化の違いは、語学を学ぶ時にも影響を及ぼします。私は日本に来る前にエジプトのカイロの英語学校で教えていたのですが、そこでは一人の生徒になにか質問をすると、それ以外の生徒達も「わかります!」と手を挙げるのです。とにかく自分が答えを言って先生の注目を集めたいのです。その後、日本に来て同じように一人の生徒に質問をしたら、反対にその人も他の生徒も、誰も返事をしないので、しばらくは戸惑いました。

日本人特有の自分を抑制しがちだったり、コミュニケーションに臆病なところは、英語の上達には弱点になるかもしれません。けれど、同じ言語を持つ人同士でも、言いたいことがすべて伝わるわけではありませんよね。言語の違いに関わらず、コミュニケーションというものは常に「伝わらない」というリスクを背負っているのです。ですから言葉が話せないからとコミュニケーションに臆病になる必要はありません。怖がったり恥ずかしがったりしないで、どんどんコミュニケーションにチャレンジしていくことが、英語を学ぶにあたってはとても大切なことなのです。

幕末の日本開国に関する自著『FOREIGN IMAGES and EXPERIENCES of JAPAN』と『The Opening of JAPAN 1853-1855』
長崎で英語や比較文化を教えていた時期に興味を持ち、研究テーマにした幕末の日本開国に関する自著『FOREIGN IMAGES and EXPERIENCES of JAPAN』と『THE OPENING OF JAPAN 1853-1855』(共にGLOBAL ORIENTAL刊)。前者は外国から見た日本のイメージについて、外国語で書かれた資料を包括的にまとめたもの。後者は開国期の日本におけるロシアやオランダの役割に関する原書を手に入るもの全てを集めて英訳し、アメリカ艦隊に関する一次史料と比較分析した。英語の研究書は(特にアメリカの)ほとんどペリー提督が率いた艦隊に関しての記述しかないので、実際にはロシア艦隊の来航が幕府が開国に踏み切る大きなきっかけになったであろうことなどを英語による研究者に知らしめた

ロシアに旅行した際に購入したロシアの卓上湯わかし器、サモヴァール(samovar)
ロシアに旅行した際に購入したロシアの卓上湯わかし器、サモヴァール(samovar)。中に水を入れて温め、その上に濃いお茶の入ったポットを置いておき、飲む時にお茶を湯わかし器のお湯で薄めて飲む