外国語学部 国際文化交流学科
サルブラン シモン 助教
Serverin Simon

研究分野 知識社会学、憲法学

出身地/リヨン(フランス)
子供の頃の夢/研究者
愛読書/「Le tour du monde en 80 jours」(Jules Verne)(邦題『80日間世界一周』ジュール・ヴェルヌ著)
趣味/家族
休日の過ごし方/家族と
好きな映画/「Les enfants du Paradis」 ( Marcel Carné)
好きな著名人/Higuchi Yoichi
好きな食べ物/チーズ

外国語学部 国際文化交流学科 サルブラン シモン 助教

言語は文化。辞書に頼るのではなく、会話を楽しみながら
生きたフランス語を一緒に学びましょう。

その国の文化と思想の理解を深めるために、法律を研究する

私の専門分野は戦前と戦後の立憲主義思想の研究で、日本と西欧の憲法事情の比較なども行います。法律はその国の文化・思想・歴史が生んだものであり、文化の遺産として捉えることができます。今、日本では憲法についての議論が活発になってきていますが、私は憲法を政治や司法の道具として見るのではなく、文化的な視点から研究しています。日本国憲法がどういう歴史背景で、どのようなコンセプトで誕生したのか、どんな議論が行われているのか、憲法が思想として国民にどのような影響を与えているのかなど、日本の憲法を通して日本を知るのです。

文学や映画・演劇、芸術がそうであるように経済も医療も法律もみんな、その国の文化に基づいたものです。こうした研究は「知識社会学」といいますが、私の場合は法律をテーマに、その国の文化と思想の理解を深めるための研究に取り組んでいます。

フランス語会話上達のコツは、少ない語彙で簡略化して伝えること

授業では、外国語学部と他学部の1年生、2年生を対象としたフランス語教育を担当しています。1年次はほとんどが初心者なので会話のパターンに基づいたコミュニケーション法を教え、2年次にフランス語で自発的に会話を楽しめる方法を指導します。

外国語で会話をするコツは、なるべく少ない語彙で、自分の言いたいポイントを簡略化して伝えることです。そして、わからない言葉があったら、辞書を引くのではなく直接相手に意味を尋ねるとよいでしょう。学生には半分冗談で「辞書は会話の敵」と言っているのですが、辞書を引いているとその間は会話が中断されてしまいますし、自分が言いたい言葉が辞書になんでも載っていると思うのも大間違い。たとえば、日本語の「お疲れ様」という言葉をフランス語の辞書で探してもぴったりの言葉は見つからないでしょう。言葉は文化的なものであり、「お疲れ様」は日本文化の中の言葉だからです。新しい言葉と出会ったときには、使い方と意味を教えてもらって、自分なりの単語帳を作ることを私は勧めています。そのほうが生きたフランス語が身につくし、正しく使えるようになります。

私は日本に来て10年ですが、これらは私自身が日本語を覚える時に用いた方法でもあります。私の日本語は、今でも日本人のように流暢ではないけれど、普通に会話ができるようにはなりました。日本人は外国語を「ネイティブのように話したい」という想いが強いようですが、それはとても難しいこと。フランス人のように話せなくても、フランス語で会話が楽しめるようにはなりますので、まずはそこを目標にしましょう。

国際交流の始まりは本。訳書ではなく原書に挑戦しよう

フランス語でもなんでも、他の国の言語を学ぶときには、その国の文化にもぜひ興味をもってください。国際交流の始まりは本です。アカデミックな専門書だけでなく、漫画や雑誌でもいいので、その国の言語で書かれている原書をぜひ読んでみましょう。ファッションが好きならばファッション誌、料理が好きならばフランス語で書かれたフランス料理の本など、興味があるところから挑戦するとよいと思います。

翻訳されたものは言葉が置き換えられ、書き直されたものなので、本来のニュアンスまでは伝わりません。フランスの作品はフランス語といった具合に、その国の言語で原書を読むことが大切です。本を読む時には、今度は辞書が大活躍。初心者でも辞書を引けばなんとかなります。他の文化をもつ人が書いたものを直接その言語で読むことは、とても充実した経験になるはずです。

こうした挑戦は、大学の成績とは直接は関係ないかもしれませんが、自分自身への小さいプロジェクトの積み重ねが、将来、大きな利益をもたらしてくれるはずです。

「Le Constitutionnalisme et ses problèmes au Japon」
「Le Constitutionnalisme et ses problemes au Japon」(Presses universitaires de France)。日本の法学者、樋口陽一先生の著書。1984年発行で、日本の憲法事情をフランス語で紹介した本。卒業論文を書く頃に出会い、今の私の研究テーマを決定づけた1冊

子どもたちが学校で作った作品の数々
現在、9歳と5歳の子どもたちが学校で作った作品の数々。いとおしくて自宅の階段に飾ってあります