外国語学部 国際文化交流学科
昆 政明 教授
Kon Masaaki

研究分野 和船(特に伝統的木造漁船と漁労の研究)

生年/1950年
出身地/青森県
血液型/O型
家族構成/妻と二人暮らし(現在は単身赴任)、独立した息子(孫3人)
趣味/船を見ること
休日の過ごし方/部屋の掃除と洗濯、好きな料理を作って酒を少し
子供の頃の夢/いろいろあってひとつには絞れない
尊敬する人/柳田邦男(ジャーナリスト)
愛読書/近年では『みをつくし料理帖』高田郁(たかだ かおる)
好きな映画/「時代屋の女房」(夏目雅子のファンなので)
好きな音楽/フォークソング、吉幾三の楽曲
好きなTV番組/旅番組
好きな著名人/タモリさん
好きな食べ物/納豆に大根おろし
好きな国/バハマ(ナッソーが大型客船の寄港地で有名)

外国語学部 国際文化交流学科 昆 政明 教授

民俗学の学びから日本人の"根っこ"を知り、
海外に発信することも国際文化交流のひとつです。

生活文化の変遷を学ぶ「日本民俗学」

神奈川大学に赴任するまでの約40年間、青森県立博物館に学芸員として勤務していました。
現在の担当講義「日本民俗学」では、その経験を活かし、写真や図、動画など、自身の調査資料を使ったビジュアルな講義を心がけています。研究の中心であった北日本の事例が多いこと、青森の方言とお国自慢が混ざった講義であることは、あらかじめご容赦ください。

民俗学は、生活文化の変遷を学ぶ学問領域です。私が講義で扱うのは農村・山村・漁村の暮らし、年中行事、祭り、交通と交易、民間信仰といった分野に分けられますが、それぞれは密接に関わっています。例えば、青森のねぶた祭りや日本海側の各地に見られる祭りには、京都の祇園祭の影響を受けているものが多くあるのですが、これは、北前船が航行していた日本海の海運交通と関連があります。また、炭を中心とした家庭内燃料の変遷と林業との関わり、昆布や鰹節を使う和食と漁業との関わりなど、庶民の暮らしや産業にも密接な関係があります。前述の分野を横断しながら学ぶことで、より深く厚みのある学びを得られるのが民俗学の特色です。

国際文化交流学科の皆さんには、民俗学の学びの中で、海外の人たちに日本文化を紹介できる素養を身につけてほしいと願います。私が思う日本の文化とは「歌舞伎」や「和食」といった、ひとつのテーマで切り取ったものだけではなく、庶民の暮らしの中で伝えられてきた生活文化であり、同時にそれは、現代を生きる私たちの "根っこ"です。日本人としてそれを知り、海外に発信することも大切な国際文化交流だと考えます。

神奈川大学は「和船」研究の"メッカ"

私は民俗学の中でも、主に「和船」の研究を行っています。具体的には、日本各地で使われてきたさまざまな船を広く「和船」としてとらえ、その始まりから現在に至るまでの変遷を調べています。船は人々の暮らしに必要な道具(=民具)の中で最も大きく、また、陸上で使われているさまざまな民具を組み合わせて作るたいへん興味深い研究対象です。

「和船」の歴史を遡ると、大木をくり抜いて作る「丸木船」に行き着きます。この「丸木船」の基本的な構造が、現在に至るまで使われ続けている点が、和船の変遷の大きな特徴です。物が変化していく過程で、新しいものが登場すると古いものは使われなくなり、やがてなくなるのが一般的ですが、「和船」の場合は現在も使われている船の中に、その変遷を見ることができるわけです。この点に着目して「和船」の構造の変化を研究し始めたのが、神奈川大学日本常民文化研究所の初代理事長である桜田勝徳さんでした。本学はいわば「和船」研究のメッカといえるでしょう。

南北に長い日本は地域によって自然環境が異なり、そのため船の形も千差万別です。また、遠洋用の大型漁船、近海用の小型漁船、網漁や釣り漁など漁法による違いもあり、それらの変遷をたどる作業には終わりがありません。私も40年間研究を続けて、ようやく道筋が見えてきた気がしています。現在は、「和船」を中国、台湾、韓国など東アジアの中で位置づけし、グローバルな視点でその特徴を考え直す作業にも着手し始めたところです。本学で「和船」の研究を続けられることには大きな喜びを感じるとともに、広くその研究成果を発表していきたいと考えています。

大学は夢中になれるものと出会える場

私が博物館の面白さに目覚めたのは、大学生のころでした。友人に誘われ、教職課程の講義の中で「博物館学」を受講し、博物館実習に行ったことが進路を決めたきっかけです。最初の実習先であった北海道開拓記念館で、学芸員の方々の指導を受けながら津軽海峡に関する特別展の準備に携わり、たちまちその楽しさに魅了されました。後に青森県立博物館の設立を知って公務員試験を受け、博物館勤務を希望し、望みどおりに配属が決まりました。当時は博物館の学芸員募集など稀な時代でしたから、たいへん幸運だったと思っています。

自身を振り返っても、大学は出会いの場だと思います。皆さんにも、多くの人や、夢中になれるものと出会ってほしいです。特に神奈川大学には出会いのチャンスがたくさん詰まっています。キャンパスは常に整備が行き届き、そこかしこに学生が集える落ち着いた場所が用意され、種々の展示会や講演も催されています。キャンパスを出れば昔ながらの商店街があり、さまざまな暮らしを垣間見ることもできます。この恵まれた環境を生かして、多くの出会いを経験してください。その出会いは、きっと皆さんの人生を豊かなものにしてくれるでしょう。

スイスの地形図
地形や測量に興味があり、地理学科で勉強していた学部時代、部屋に貼っていたスイスの地形図。山が好きで、特にマッターホルンに憧れていました

陶器製のペーパーウエイト
妻が作ってくれた陶器製のペーパーウエイト。息子が子供の頃に大事にしていたアライグマのぬいぐるみを模して作ったもので、"ほっ"と和む愛用品です