外国語学部 国際文化交流学科
久田 和孝 准教授
Hisada Kazutaka

研究分野 現代日韓関係、日韓文化交流史、通訳・翻訳論(日本語―韓国語)

生年/1976年
血液型/B型
出身地/横浜市
家族構成/妻
趣味/落語鑑賞(寄席に通ってます)、絵画鑑賞(印象派、特にモネ)、ウクレレ演奏(毎年最後の講義で披露します)
子供の頃の夢/洋食屋の店主、サッカーの日本代表、FM横浜のDJ、新聞記者
尊敬する人/安昌浩(韓国の教育者、独立運動家)、畑道代(日本舞踊家)、三沢光晴(プロレスラー)、桑田佳祐(音楽家)、宋永吉(韓国・仁川市長)
愛読書/『樅ノ木は残った』(山本周五郎)『The Two Koreas:Revised And Updated A Contemporary History』(Don Oberdorfer)『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)
休日の過ごし方/「ぶらり途中下車の旅」を観る。ドリップコーヒーを入れる。自転車で山下公園に行く。寿司を握る。
好きな映画/「スター・ウォーズ」「男はつらいよ」、ジャッキー・チェン映画
好きな音楽/ジョン・メイヤー、ノラ・ジョーンズ、Mantovani、エラ・フィッツジェラルド、Sing Like Talking、川村結花、吉田拓郎、高田渡
好きなTV番組/出没!アド街ック天国、タイガー&ドラゴン、攻殻機動隊、スーパープレゼンテーション(Eテレ)、チューボーですよ!、Suntory Saturday Waiting Bar "AVANTI" (TOKYO-FM)
好きな著名人/宮藤官九郎(脚本家)、ヨーダ(ジェダイ・マスター)
好きな食べ物/寿司、冷麺、明太子スパゲティ、ぬか漬け
好きな国/韓国、イタリア、イギリス

外国語学部 国際文化交流学科 久田 和孝 准教授

語学を勉強するということは、その国のことを理解し、
自国との橋渡しをするということでもある。

韓国語は日本人にとっては習得しやすい言語

私が担当している「入門韓国語」「応用韓国語」「地域言語特講韓国語Ⅰ・Ⅱ」などの授業では、韓国のスーパーのチラシを使っての単語・文化学習や、韓国ドラマを鑑賞して街の様子や若者文化、社会情勢などを解説するなど、リアルな韓国文化をテキストにした学習を心がけています。スカイプで韓国の大学の日本語クラスと繋げたり、韓国からの留学生に授業に入ってもらって、学生たちが韓国語で質問をするなど実践的な交流も行っています。日本人にとって韓国語はとても学習しやすい語学だと思います。語順が同じこと、さらに「約束」「無料」「到着」など発音がほぼ同じ漢字語も多く、ボキャブラリーが一気に広がるので学びやすいですし、韓流ドラマやK-POPなど興味の入口も多いので、とっつきやすいという面もあります。

実は2000年頃から、韓国の若者たちのなかには日本の映画やドラマ、アニメなどの文化が浸透し始めていて、独学で日本語を学んでかなり喋れる学生も多かったんです。その後、日本でも韓流ブームなどが起こり、韓国のスターが日本で活躍するなど、日本も韓国文化を受け入れるようになっていった。こうした文化交流が一度始まってしまえば、その幹は太く育っていくと私は思っています。学生時代に私は恩師から「韓国には文化の大恩がある」と教わりました。最近、竹島問題などによって日韓関係は少しぎくしゃくしていますが、日本と韓国との間には、仏教や漢字、最先端の文化を伝来し交流してきた雄大な歴史があります。ですからどんなに政治的な緊張が高まっても、そこに文化交流が続いているかぎり、両国の関係はきっと大丈夫でしょう。

歴史問題に関して韓国の人たちは、日本人が日韓の歴史を全く知らないことに対して一番苛立っているんです。韓国では小学校の頃からしっかりと歴史を教え込まれていますから。ですから私もこれだけは授業できちんと言っています。「韓国語を勉強した人は韓国について知る義務がある」と。仮に日韓関係が悪くなり、韓国に対して否定的な世論が起きたときに、自分は韓国語を学んだ人間としてそれに対して異を唱える義務があると思うんです。逆に韓国で日本語を学んでいる人たちにも、その他の人たちと同じように反日に走ってもらっては困ります。単に言葉だけでなく、その国をちゃんと理解し、国同士の橋渡しができるようになること。それが語学を勉強するということの本当の意味だと思います。

韓国はエネルギッシュでダイナミックでスピーディ

私は2000年に韓国に渡り、12年間、首都ソウルで暮らしました。大学で日本語講師として勤める傍ら、韓国の国会議員の秘書として日韓議員交流の現場でも働きました。首脳の通訳も経験し、帰国前は約2年間、在韓日本大使館で文化事業、広報業務を担当。日本からの文化団体、文化人の招聘、韓国内での講演、公演、展示事業の実施や要人の通訳、アテンドなど多忙な日々でした。

あまりにも身近になりすぎて韓国がどのような国かと聞かれると困ってしまうのですが、何事に関してもエネルギッシュであり、ダイナミックであり、スピーディであることは実感します。これはビジネスの世界や国際社会ではあたり前のことなのですが、普段、日本で暮らしているとあまり感じられないように思います。例えば、今日までやっていたお店が明日はいきなり潰れていたり、1週間ほど旅行で留守にしていると家の周りの風景がまったく変わってしまっていたりする。また大統領が変わると軍隊の徴兵期間も変わったりするんです。ですから、まず大学生が政治に感心を持ちますね。そして大学側もその制度に合わせて休学期間などを変えなければいけなかったりと、とにかくなにかひとつのことが動くとそれに合わせて社会全体がダイナミックに動いていく。こういった感覚は、日本にいるとなかなか感じられないことかもしれません。

それと、これは私がもともと韓国について学ぼうと思ったきっかけでもあるのですが、韓国には南北統一という、ものすごく大きな課題が残っている。もしこれから私たちが生きている間に南北が統一されたらと考えると、そこにはすごく大きな可能性があるわけですね。国際市場としても、文化面においても。こういう大きな宿題を背負っている国の言語を勉強して、いずれ国の統一や発展に自分が貢献できる可能性があるという意味で、韓国語というのは学んでいて楽しい言語だと思います。

海外に出て大切なのは、自国を語れるかどうか

韓国に行って私が実感したのは、韓国人は自分の国の誇るべき点を良く知っているということ。皆、自分の国のこの映画が面白くて、そのベースはこういうものなんだ、ということがきちんと語れるんです。それに比べると日本人は、もともと自分の国にある文化についてあまり興味がないせいか、明確に語れないことが多い。私自身もそうだったので、韓国へ行った当初は自国を語れない悔しさをしみじみと感じました。それがきっかけで日本の優れた文化を知りたくなり、さらにそれが外国人と付き合うときには大きな武器になることもわかっていったのです。自分の国に誇りを持っていて、さらにそれを発信できないと、相手から面白い相手と思われないんですね。たとえば自分が韓国に愛情を持っているだけでは駄目で、日本のいいところや面白いところを発信できることも大事なのです。相手は日本人である私が、日本の魅力をいかに伝えてくれるのかを楽しみにしていて、それがあってこそ、互いに魅かれていくわけですから。韓国に限らず、外国人と付き合うにあたっては、それぞれが自分の国に誇りを持って、それでいて混じり合えるというのが、一番楽しいし、望ましいことだと思います。

ですから本学に通うことになった皆さんは、海から世界に繋がる横浜の誇りを胸に、国際人としてのセンス、胆力、チャレンジ精神を磨いて欲しいと思います。海外に出たとき、横浜の魅力を語れること、横浜の和洋折衷の近代性を知っていることは、間違いなく大きな武器になりますから。

南北首脳会談の際に発行された南北首脳記念切手(韓国発行)と、その日の新聞
ちょうど私が韓国へ行った2000年に、平壌で韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記による初の南北首脳会談が行われました。写真はその際に発行された「南北首脳会談」記念切手(韓国発行)と、その日の新聞。ちなみに私が日本に帰国する直前の2011年末に金正日総書記が亡くなった

韓国哲学界の話題作『事件の哲学―ポスト構造主義の定立と展開』李正雨:著(彩流社)と監修本『日本語学習辞典(韓国語)』
私が翻訳して出版された韓国哲学界の話題作『事件の哲学―ポスト構造主義の定立と展開』李正雨:著(彩流社)と監修本『日本語学習辞典(韓国語)』