外国語学部 国際文化交流学科
熊谷 謙介 准教授
Kumagai Kensuke

研究分野 フランス文学、フランス文化

生年/1976年
血液型/AB型
出身地/宮城県仙台市(東日本大震災の話をすると、仙台や東北出身と言ってくる学生が多くて少し驚きました)
趣味/特別なものはありませんが、No Music, No Lifeということで音楽鑑賞でしょうか
子供の頃の夢/ガソリンスタンドで働く人(子供の目にすごく輝いて見えたので)
尊敬する人/他者のことを想いながらも確固とした自己を持っている人
愛読書/本ではありませんが、坂本龍一の音楽は中学生の頃から年がら年中聞いています
好きな映画/フランソワ・トリュフォーの映画。俳優ではクリント・イーストウッド、女優ではデルフィーヌ・セイリグが出ている映画
好きな音楽/ソウル(特にマーヴィン・ゲイ)、ボサノヴァ(特にジョビン)。ただ単純に気持ちが良い音楽が好きです
好きな食べ物/チーズ・クリーム系のもの。甘いものも大好きです
休日の過ごし方/妻とのおしゃべりと授業準備

外国語学部 国際文化交流学科 熊谷謙介 准教授

すぐには答えが出ない“よくわからないもの”と、
じっくり付き合う時間があるのが、大学時代です。

フランス語を通して、知らない世界の姿を感じてほしい

フランスと聞くと、どんなイメージを思い描きますか? アートやファッション、グルメといったお洒落なものが、真っ先に思いつくかも知れませんね。けれども実際のフランスは、それ以外にももっと現実的な面で、面白い部分がたくさんあります。例えば、フランスには多くの移民がいて、多様な文化が混在していますし、同時に社会問題にもなっています。これは日本の将来の姿を先んじて実験しているようにも捉えられます。また、ちょっとした振る舞いを日本と比較してみるのも面白いものです。ドアを開けて通る時、日本では後に続く人のためにドアを持っていてあげることは少ないと思いますが、フランスではそうすることが当たり前です。

私が担当しているフランス語の授業では、単に言語としてフランス語を教えるだけでなく、こうしたテレビや雑誌では伝わってこない、リアルなフランスを紹介するように心がけています。そうすることで、フランス語という「ツール」を通して、今、自分が知っている世界とは別の世界の姿、違った価値観や文化を感じてもらえればと思っています。

本当の意味で言語を習得するには、たくさんのインプットが必要

学生の中には「言葉ができる=話せる」と考えている人もいるかもしれません。しかし、言語を習得するには、話すことはもちろん、まず聞くこと、そして読めることも大切な要素です。最近は文法があいまいでも、なんとなく会話できるアウトプットに長けた学生が少なくありません。「話せる」というのは楽しいことですし、言語を学ぶ上でのモチベーションにもなります。ですが私としては、表面的にうまく話すことより、本当の意味での話す力を身に付けてほしいと思っています。そのためにもアウトプットばかりでなく、もっとインプットすることを意識してもらえればと思っています。

例えば、文章の成り立ち、いわゆる文法を意識しながら、長い文章を読む練習をしてみる。単語の意味だけで文章を理解するには、限界があります。小説などでは、意味だけでは読みとれない文章が必ず出てきますからね。また、聞きとる力をつけるには、ラジオやPodcastを利用するのもひとつの方法です。今はそういうものが簡単に手に入ります。より良いアウトプットのために、そうしたインプットがたくさんできるようガイドしていくことも、私たち教員の役目だと感じています。

“よくわからない”から面白い、マラルメの世界

私の専門はフランス文学で、マラルメという詩人について研究しています。マラルメは、言葉をパズルのように複雑に組み立てた作品を残した人で、フランス人にとっても難解とされています。そんな何を言っているのかよくわからないマラルメの作品から、私は彼が演劇やバレエ、コンサート、さらにはお葬式などの儀式にまで関心を持っていたことに注目し、“祝祭”というキーワードで研究をしてきました。現在は、そこからさらに舞台芸術や移民といった現代フランスの社会問題にまでフィールドを広げて研究をしています。

マラルメの作品と出会ったのは、大学時代でした。どこを読んでも頭の中が「?」になるようなことが書いてあって、そのわからなさ、不思議さに惹かれていき、突き詰めてみたくなったのです。こうした私の経験から学生の皆さんにアドバイスできることがあるとすれば、そういう“よくわからないもの”との付き合いを大事にしてほしいということです。今は、わかりやすいものが求められる時代ですが、よくわからないものにも魅力があります。大学時代は、そういうものと付き合う時間が与えられている貴重な時期だと思います。

また、何かと長く付き合うには、何でも簡単にわかった気にならないこと、答えを急がないことです。それは研究でも大学生活でも人間関係でも言えることです。即断即決が求められ、それが素晴らしいことのように言われる場合もありますが、必ずしもそれだけが正解ではありません。例えば、早々に自分の目標や専門を定めて、それに向かってひた走るというのも悪くありませんが、そんなに慌てて目標を決めなくても構いません。大学の4年間は、いろいろなことを広く学んで、答えの出せないモヤモヤしたものとじっくり向き合う中で、自分自身をより大きく成長させていっても良いのではないかと思います。

フランス留学中に書いた博士論文をまとめた著書『La Fete selon Mallarme』(マラルメの祝祭)
フランス留学中に書いた博士論文をまとめた著書『La Fête selon Mallarmé』(マラルメの祝祭)。6年という長期間の留学をサポートしてくれた妻をはじめ家族には本当に感謝

教え子たちから贈られたお礼の色紙
フランス旅行へ行くことになった教え子たちに、おいしいレストランなどを紹介したことから贈られたお礼の色紙。写真のコラージュなど、彼女らの編集能力に脱帽!