外国語学部 国際文化交流学科
デビッド・アリン 教授
David Aline

研究分野 心理言語学、会話分析、第二言語習得

出身地/アメリカ、カリフォルニア州 サン・ホセ(シリコンヴァレー)
血液型/A型
趣味/ジャズギター
愛読書/文学と歴史
休日の過ごし方/日本語を勉強しています
好きな音楽/ジャズ
好きな食べ物/ブルーベリーパイ

外国語学部 国際文化交流学科 デビッド・アリン 教授

ただ書いたり暗記するだけでは英語は身につきません。
大切なのは「きちんと使うこと」です。

マクロな「心理言語学」ミクロな「会話分析」

私の主な研究テーマは「第二言語習得」。すなわち第二言語としての英語教育法についての研究です。この分野ではどうしても教授法という部分が重視されがちなのですが、私は、どのように教えたりどのように学ぶのが有効なのかを知るためには、まず人が語学を身につけて行く段階での心理過程を解き明かすことが必要だと考えています。

担当している「英語学演習A」の授業で扱う「心理言語学」は、そのための大きな指針となる学問です。これは子どもが言葉を身につけていく過程や、人が言葉を話すときの脳の働きなど、言語を主に人間の心理面から解き明かそうとする研究分野であり、言語をマクロな視点から捉える学問と言えるでしょう。

反対に、言語をミクロな視点から捉えるのが「会話分析」。これは会話を細かく記録し、それぞれが発した言葉や会話のなかの間(ま)などを分析することで、言葉を通して互いを理解していく過程のディテールを解き明かしていく手法です。「心理言語学」で会話について分析する際には、男性/女性、若者/老人といった分類をしてそれらを比較し、統計的なデータから違いを見ていきますが、「会話分析」ではそういった分類や事前の目的設定は行いません。ただ純粋に会話をしている人たちが話したことだけを詳細に書き起こし、そこにこちらの推測や想像は一切、入れてはいけないのです。ただしその記録は、単語と単語の間に〈0.8秒の間〉とか〈ここで息を吸う〉とか、〈笑い声〉や〈手を叩く〉といった動作まで記録した本当に細かいもので、それによって会話における相互作用がどのように行われているかを見て行きます。

会話においては1秒に満たない〈間〉も重要な意味を持っています

会話というのは、単に「名詞+動詞+形容詞」というような文法だけで成り立っているわけではありません。ジェスチャーやアイコンタクトはもちろん、物を使ったり声のトーンを変えたり、さまざまな要素で成り立っています。たとえば、「食事にいきますか?」と訊かれて間髪入れずに「はい」と答えが返ってきたときと、2〜3拍置いて「はい」と言われたときでは、こちらの反応も変わってきますね。このようにたったひとつの短い間でも、会話においては大きな意味があるのです。間や言い直し、あるいは言葉を発する順番など、全てのことが会話を構築する重要なパーツなのです。

私は小学校での英語の授業や、大学院でのグループディスカッションの分析にこの手法を使って研究を行ってきました。たとえば小学校の英語の授業で、先生が質問をして生徒が答えた後に拍手をしたり、勉強内容を切り替えるタイミングで「はい、じゃあ次はこれやるよ」といって拍手を使うと、クラスが活性化する、というような結果も出ています。

「心理言語学」のマクロな視点と、「会話分析」のミクロな視点。それら両方を「第二言語習得」における教え方、学び方に適応させていくことが大切だと私は思っています。

自分の好きなことに、英語を関連づけてみよう

私の父は技術者で、年に2〜3回、仕事のために日本へ出張に来ていました。また母も叔母も日本びいきで、日本語の勉強をしていたこともあります。そのため幼い頃から日本文化に触れる機会が多かったのです。大学では英文学と心理言語学を、大学院では英文学と思想史、そして英語教育について学びました。近現代の英文学が好きだったこともあり、「英語分野演習」の授業ではフィッツジェラルドの『偉大なるギャツビー』を題材にしたり、アメリカのJazz Ageやミュージックカルチャーについて扱うこともありました。

英語を身につけるコツをひとことで言うと“Do something you like with the language.” たとえば好きな本を英語で読むこと。本が苦手なら、音楽でも、漫画でも、映画でも、なんでもいいから自分の好きなことに英語を絡めてみるのです。好きなものに関連づけるというのは、英語だけに限らず、語学を身につけるための近道です。

もちろん大学での授業も同じ。講義を一方的に聞くだけでなく、自分が英語を使って何らかのやりとりをする方が、より効果的です。私が担当する「英語表現演習」の授業では、2人組や少人数のグループに分かれ、たとえば「大阪に新しい空港を作るとしたらどこに建てるのがいいか」といったテーマに関して英語でディベートをしたり、国際問題や文化の違いなどをテーマに話し合ったりします。こうした「英語でのやりとり」を通して語彙も増えますし、国際的な知識も得ることができます。ただ書くだけ、覚えるだけの授業ではなく、きちんと使うことで英語は身についていくものなのです。

さらに大学では自分の頭で考え、日本や世界の一員として、活発に前向きに社会に関わる力も身につけてください。

日本から一度、アメリカへ戻るときに、日本人の友人が記念にくれた徳利とお猪口のセット
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心理言語学についての著書「Psycholinguistics book」。英語学演習の授業で教科書として使っている
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