外国語学部 国際文化交流学科
わたせ せいぞう 教授
Watase Seizo

研究分野 イラストレーション

生年/1945年
血液型/O型
出身地/神戸市生まれ、北九州市小倉育ち
家族構成/妻・娘・息子
趣味/合唱(六本木男声合唱団倶楽部所属)、俳句(百夜句会)
子供の頃の夢/新聞記者
尊敬する人/白洲次郎、ピカソ
愛読書/村上春樹作品
休日の過ごし方/車でドライブ、神宮球場で野球観戦
好きな映画/小津安二郎作品、ヒッチコック作品
好きな音楽/クラシック、ボサノヴァ、ジャズ
好きなTV番組/ドキュメンタリー番組、「Going!」(日テレ)
好きな著名人/三枝成彰(所属している合唱団のリーダーです)
好きな食べ物/和食、イタリアン
好きな国/スペイン(なかでもバルセロナ)

外国語学部 国際文化交流学科 わたせせいぞう 教授

将来、どんな職業に就いたとしても、
「クリエイトする力」は大きな武器になる。

どんな仕事にも役立つ「クリエイトする力」

私は「わたせ せいぞう」という名前で漫画家として長く仕事をしてきましたが、もともとデビューしたのは会社員時代。大学卒業後の16年間は、漫画の仕事と平行して損害保険会社でサラリーマンとして働いていました。そこで実感したのは、どんな仕事でも「クリエイトする力」は強力な武器になるということ。一見、「クリエイト」などとは無縁に思える損害保険会社の仕事でも、新しい保険商品を作ったり、既にある商品を地方用に練り直したりする際には、「お客さんにこういう商品を使ってもらいたい」というイメージを頭に描いて商品をクリエイトしていく力は大切でした。お医者さんでも会計士でも、どんな職業に就いたとしても、「クリエイトする力」を持っていれば他の人より一歩前に出られると思います。

そこで私が担当する授業「日本文化論Ⅳ」では、日本の古今の文化を知ることを通して、あらゆる仕事や職業に役立つ「クリエイトする力」を培い、独創性豊かな一味違った社会人およびクリエイターになることを目標としています。

イメージする力は訓練でどんどん広がっていく

授業内容としては、ジャンルを問わずにありとあらゆる表現物――たとえば鳥獣戯画などの古典絵画から現代の絵画、イラスト、写真などのビジュアル作品、紫式部から村上春樹まで含む文学、漫画、詩、俳句、コピー、CMなど幅広く古今の文化についてディスカッションをしたり講義をしながら、イメージを大きくふくらませ、それを豊かに描くストーリーする力を身に付けていきます。それが結果的に「クリエイトする力」につながっていくものだからです。

最終的には個々の表現方法で、ストーリー性に富んだ作品(例えば絵本・漫画・CM・コンテ・小説など)を制作してもらいます。とはいえ、いきなり「何か物を作ってごらん」と言われて、すぐにできる人は少ないでしょう。しかもイメージする力というのは、年を取れば取るほど覆いがかかって固くなってしまうもの。固まってしまったイメージする力は、訓練しなければなかなかほぐれません。そこで授業では、イメージを柔軟に膨らませる練習も行います。音楽を聴いて情景を頭のなかにイメージしたり、詩を読んでその行間を読んだり。音楽や古典、絵画、写真などの文化に触れることは、イメージを広げる大きな助けになるはずです。また、絵本というのも奇想天外なイメージの宝庫です。たとえば『ちびくろサンボ』で、トラがぐるぐる回ってバターになってしまいました、というイメージは凄いですよね。子供に読み聞かせをしてあげると、この場面で誰もが必ずにっこり笑います。それくらい子供の頭は柔らかいということですが、そのお話を作ったのは大人なんです。皆さんもどんどん頭を柔らかくして、自分が抱くイメージの世界を広げていって欲しいと思います。

自分で作った枷(かせ)は、自分にしか外せない

イメージする力というのは、クリエイター的な才能とは関係ありません。むしろ「私/僕にはクリエイトするものなんてない」「イメージなんて描けない」と思ってしまうことが、一番ダメなのです。「女だから」「男だから」「何歳だから」と自分で自分に枷をはめてしまうと、イメージする力は発揮できません。枷をはめるというのは自分で自分の可能性を止めてしまうこと。イメージすることは、男でも女でも何歳になってもできることです。まずは自分でその枷をとっぱらわなければ、イメージの世界には入っていけません。そして、その枷は自分にしか外せないのです。だからこの授業には「自分には無理だなあ」なんて思っている人にこそ、ぜひ受講してもらいたいですね。最初は難しいかもしれませんが、多種多様な文化に触れるだけでイメージする力はどんどん広がっていくはずです。

現代の情報過多な世界では、整理されて自動的に与えられる情報に縛られがちですが、若い皆さんには自分で情報を探し、発信していく力を無くさないで欲しいと思います。昔は辞書で調べ物をしていて、その前後にある言葉の方を読みふけってしまったり、本屋で本を探していて思いがけない本と出会う、というような“寄り道”がたくさんありました。今はネットを使えば、調べたいことはピンポイントで調べられるし、欲しい本だけ探して買うことができる。でも本当は寄り道はたくさんしたほうが人生楽しいし、それが人間力にもつながっていくもの。だから私の講義は“寄り道の授業”とも言えるかもしれませんね。

ある企業と一緒に中国で仕事をした際、記念に現地のスタッフがプレゼントしてくれた中国の刺繍作品

蘇州の有名な刺繍職人さんに依頼して、仕事で描いた私の広告イラスト
以前、ある企業と一緒に中国で仕事をした際、記念に現地のスタッフがプレゼントしてくれた中国の刺繍作品(上)。蘇州の有名な刺繍職人さんに依頼して、仕事で描いた私の広告イラスト(下)をそのまま刺繍で再現してくれたもの。色の鮮やかさや精緻さはもちろん、日本語の文字まできれいに刺繍されている。刺繍工場を見学に行った時に、凄いなと感動したことを覚えていてくれたそうで、そのことにも感激した

絵画教室で最後の授業の後に子供たちが贈ってくれた記念品
数年前、2年間にわたって幼稚園の年長さんたちを対象に絵画教室を開いていたことがあり、最後の授業の後に子供たちが贈ってくれた記念品。蓋を開けて光を感知すると虫の声がする玩具で、いまでも大切にしている

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