工学部 情報システム創成学科
西澤 弘毅 准教授
Nishizawa Koki

研究分野 計算機科学、論理学、代数学

生年/1978年
出身地/茨城県
趣味/海外のビールの収集
子供の頃の夢/ゲームクリエーター、大学教員
愛読書/『ゲーデル,エッシャー,バッハ』『銀河英雄伝説』
休日の過ごし方/推理小説を読む
家族構成/妻
好きな映画/「戦場のピアニスト」「天空の城ラピュタ」「Back to the future」シリーズ
好きな音楽/砂原良徳「TAKE OFF AND LANDING」
好きな食べ物/ベルギービール、日本酒、納豆

工学部 情報システム創成学科 西澤 弘毅 准教授

システムの誤動作を防ぐ「システム検証」は、
いわば“コンピュータのお医者さん”です。

「情報システム創成学科」で何を学ぶ?

皆さんの中には、「情報システム創成学科」で何を学ぶか、いまひとつピンとこない人もいるのではないでしょうか? コンピュータの使い方を勉強する学科? それともSEやプログラマーの資格を取るための学科? 答えはいずれも“NO”です。ワードやエクセル、パワーポイントなどを含めたコンピュータの基本的な使い方については、情報システム創成学科に限らず、他学科でも学ぶことができます。また、授業内容はもちろん資格取得の役に立ちますが、大学の講義はそのための対策講座ではなく、資格を取るための科目はありません。

それではいったい「情報システム創成学科」では、どのようなことを学ぶのでしょうか?まず、私たちが暮らす社会のさまざまな分野(福祉や医療、流通や教育など)において、コンピュータをいかに安全に、社会の役に立つものにできるかを模索します。また、ハードウェアの設計やプログラミングなどコンピュータの基礎をつくる知識や、より速い通信に、より大量のデータを扱えるように改良するなど、工学的な側面からも学ぶことができます。そして、コンピュータと人間の違いや、未来のコンピュータに何ができるかを研究するなど、科学的な観点でアプローチすることもできます。

既存の前提や常識を疑ってみよう

現在の担当講義「コンピュータ科学」では、さまざまな情報をコンピュータで処理するために、文字や画像を“0”と“1”でどのように表し、どのように計算したらよいかを学びます。また「プログラミング演習Ⅰ」では、ソフトウェアやアプリケーションをつくる方法を学びます。コンピュータに計算をさせるために人間が書く命令書を“プログラム”と呼びますが、この科目では、プログラムを正確に書くために必要な考え方や記法などを学びます。

学問というのは、最初はすでに決められたことを学ぶだけで精一杯ですが、それを修得した先には無限の可能性が広がっています。身に付けた知識や知恵は、何か新しいモノを作ったり、壊したり、試したりできる積み木のような存在になるからです。そしてそのとき重要なのは“暗黙の前提や常識を疑う”こと。たとえば1+1=2ではなく、1+1=1と決めても良いかもしれないし、もしかしたら1+1=0と決めてもよいかもしれません。周りの人が当たり前に思うことでも、自分が確信を得られないことがあったら、確信を得られるまでとことん考えてみましょう。

遊び心と人との出会いがきっかけに

小学生の頃はファミコン全盛期でした。けれど、我が家ではテレビゲームを買ってもらえなかったので、友達の家で見たテレビゲームの画面や攻略本を参考にして、テレビゲームの内容(各場面)をノートに書きおこし、自作していました。テレビゲームは、本のページをめくるように順番に進んでいくのではなく、遊ぶ人の選択によって次の場面が分岐することがあります。これをノートで再現するのは大変難しく、場面展開のつじつまを合わせるのに苦心しましたが、この経験が現在の仕事につながっています。中学生になるとこの遊びが発展し、家にあったパソコンでゲームソフトをつくることに熱中しました。高校では数学に魅かれ、大学でコンピュータと数学を両方とも勉強したいと思い「情報科学」の分野を選択しました。

学部卒業後は大学院に進み、修士課程と博士課程の計5年間研究を続けましたが、修士課程を修了する頃は、論文に苦労し研究に行き詰っていました。人生を折れ線グラフで表すなら、最も落ち込んだ時期です。そんなあるとき教授から「システム検証」を行う研究所で研究してみないか、という話をいただきました。そして、ここで「圏論」という数学の論理と、その第一人者であるパワー博士に出会い、改めて数学の面白さに開眼し、がぜん研究意欲が湧いたのです。人生の折れ線グラフも急上昇です! ちなみに「圏論」とは、あるモノについて考えるとき、そのモノの内部ではなく、他のモノとの関係を見ることで、そのモノの役割を理解する、といった考え方です。

「システム検証」とは、システムの誤動作を防ぐために、プログラムのバグ(誤り)を見つけることですが、私の研究領域は、システム検証を行うための基礎となる数学(論理学、代数学)です。現在、情報システムは、原子力発電所などの大規模な施設から、自動車や家電など身のまわりのものまで、さまざまな物の中で動いています。これらがもし誤った動作をしたら、私たちの生命や財産が脅かされることになります。つまり「システム検証」は、誤動作を未然に防ぐための、いわばコンンピュータのお医者さんです。

こうして自分がたどってきた道のりを振り返り、いま皆さんに言えることは、たとえ子供の遊びであっても、専門の道を見つけるきっかけになるということです。そして、もし悩んだり行き詰まったりしたときは、思いきって環境を変えてみてください。そこには、目の前に道がぱっと開けるような、新しい出会いが待っていると思います。

ベルギービールにハマっている
ベルギービールにハマっている。最近は日本でもいろいろな種類を楽しめるので、ベルギービール屋に飲みに行くと専用のコースターをもらって帰ってくる。それがいつの間にかこんなコレクションに!

これが左記に出てくる、小学生の頃に“自分でつくったノートゲーム”
これが左記に出てくる、小学生の頃に“自分でつくったノートゲーム”。場面が飛ぶというテレビゲームの特性を再現するため、夢中になってつくった(授業中もやりました)。ノートはボロボロになってしまったけれど、捨てることができない大切な財産