工学部 情報システム創成学科
佐々木 太良 助手
Sasaki Taroh

研究分野 情報通信工学

出身地/秋田県秋田市。19歳まで住んでいました
趣味/多数ありますが、一番時間をかけたのは音楽演奏・制作、ビデオや写真の撮影・編集です。コンピュータやハイテク機器関連は仕事になってしまったので趣味とはいえないかもしれませんが、もちろん大好きです
子供の頃の夢/ノーベル賞を取ること。後に工学に進んだので忘れてしまいました。視力が良かったらパイロットか宇宙飛行士にもなりたかった
尊敬する人/同時代の人ではたくさんいますので、歴史的偉人からレオナルド・ダ・ビンチ。科学者は芸術家でないといけないと思います
愛読書/本はあまり繰り返し読まないので (専門書はわかるまで100回でも読み返しますが)、愛読書といえるのはあまりありません。ただし一部のSF、例えば『リプレイ』(ケン・グリムウッド)、『タウ・ゼロ』(ポール・アンダースン)、『核パニックの五日間』(ジョセフ・ディモーナ)やジェイムズ・P・ホーガンの作品などは、年に1回くらい取り出して読みますので愛読書かも
休日の過ごし方/その時々・季節で行き先が違いますが、必ず外に出かけます。特に用事がなければ、妻と二人で家電量販店→本屋→コーヒー店というルートが定番です
好きな音楽/楽器を演奏するのでさまざまなジャンル(ジャズ・ロック・現代音楽・民族音楽など)を聴きますが、特にプログレッシブ・ロックとよばれるジャンルが好きです
好きな食べ物/発酵食品が好きです
好きな国/食べ物が美味い国。台湾やイタリアが好きです

工学部 情報システム創成学科 佐々木太良 助手

それがどんな仕組みで、どのように動いているのか。
エンジニアを目指す人には、その部分にこそ興味を持ってほしい。

ブラックボックスの中身をのぞくことも大切

私はクラシックカメラが好きなのですが、フィルム時代のカメラは構造がシンプルで、どのような仕組みで動いているのかという原理を理解して使うことができました。ところが現在のデジタルカメラの内部は複雑で、いわばブラックボックスになってしまっています。多くの人はどのような仕組みで写真が撮影されているのか知らずに使っているでしょう。それと同じように現在のコンピュータは内部が複雑になりすぎていて、専門家であってもそれを自作できる人はほとんどいません。ソフトを作っている人でさえ、ハードがどうなっているのか全く知らないことも多いのです。実際にはデジカメもコンピュータも、ブラックボックスのままで使っていても99%は困らないでしょう。けれど残りの1%のところで、本質的にわかっていないから困ってしまうこともある。車に例えるとわかりやすいかもしれません。車の構造を知らなくても運転はできます。でも、構造をわかっていて運転している方が怖くないし、より安全に走れますよね。少なくともタイヤの交換の仕方くらいは知っておけば、いざというときに困りません。

私が担当している「マルチメディア実験・ネットワーク実験」(2年次前期・後期、「工学基礎演習II」) は、そうしたコンピュータとネットワークにおけるブラックボックス部分の理解を助けることを目指しています。近年、卒業生の多くが就職するIT業界。ここで最も重要な技術のひとつとされているネットワーク (インターネット) での、情報がやり取りされる仕組み (ネットワーク実験)、やり取りされる情報の成り立ち (マルチメディア実験) を、多数の作業を通じて体験してもらいます。ネットワーク実験では、規格上では長さに上限があるイーサネットケーブルを200mにしたら通信速度はどうなるかを検証したり、二人一組になってコンピュータをワゴンにのせて移動してまわり、無線LANの電波が建物の構造でどう影響を受けるのかを計測する、といった実験を行っています。また、webサーバとブラウザがどんな言葉で話しているか、といったことも実際に見てもらいます。

エンジニアを目指すなら、国語力も必須

コンピュータというのは0と1だけを使って数を表す二進法で動いています。ですから本来、コンピュータ同士が通信するときは0と1の羅列だけでよいはずなのですが、わざわざ英語を使うこともあります。例えばメールソフトがメールサーバに「メールを受信したい」っていうときには「get」という言葉が使われ、それに対して「OK」と返される。エンジニアがネットワークで流れているデータを読み取って、それが正常か判断するときや、ブラウザが動かなくなって手動でコマンドを入れなければならないときなどに、01の数列よりもそっちの方がわかりやすい。いざというときにプログラマーが確認しやすいように、わざわざ冗長な人間の言葉にしてしまったんです。ちなみにメールソフトがメールサーバとの通信を切るときには「bye」ってコマンドを送るんですけど、実はそれが「sayonara」でも通じるように作ってある、という例もあるんです(笑)。プログラマーが仕掛けたこういうちょっとした遊びを“イースターエッグ”と言って、コンピュータのなかにはそういう遊び心も隠れている。ブラックボックスのまま使っていたら、こんな面白いことも知らずに終わってしまう。それはもったいないと思いませんか?

もうひとつ、エンジニアを目指す人には、専門知識以外に国語力をつけてほしいと思います。工学部というと「高校までの国語が苦手だから」という消極的な理由で選ぶ人もいますが、エンジニアになるならコミュニケーション能力は必須。エンジニア同士で正確に情報伝達できないと、例えば列車が衝突したり橋が落ちたりするかもしれません。ユーザに正確に情報伝達できないと、皆さんも覚えがある『なにが書いてあるかわからないマニュアル』になるでしょう。英語力も必要ですが、まずは国語、というより何でも良いから自分の考えを正確に伝える力が必要です。マルチメディア、つまり動画や音声を制作して言いたいことを表現するというのも良いと思いますよ。

消費する面白さよりも、生産する面白さを体験してほしい

学生の皆さんには、何でも良いからひとつの仕事やプロジェクトを「やり遂げた」経験を持ってほしいと思います。小学校の夏休みの自由研究みたいなこととか、精密に塗装までしたら1ヶ月もかかるプラモデルを作るようなこととか、何でも構いません。

さらに「消費者」的な趣味だけではなく、「生産者」的な趣味を持ってください。一番良くないのはゲームで時間を潰すこと。ゲームをする暇があったらむしろゲームを「作って」みましょう。ゲームというのは、実はプレイするよりも自分で作る方が何倍も楽しいんですよ。いろんな仕掛けを考えたり、どれくらい難しくするか、あるいは簡単にするかというゲームバランスを考えたりするのは、非常に面白いことです。これはほかの分野にも言えることで、音楽鑑賞より演奏、スポーツ観戦よりスポーツをすること、などなど、実際に外から眺めるだけでなく、それを自分の体を使ってやってみることは、さまざまな面で大きな強味になるはずです。

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