工学部 機械工学科
松本 紘宜 助教
Matsumoto Koki

研究分野 複合材料、プラスチック成形加工、高分子レオロジー

生年/平成2年
出身地/兵庫県
子供の頃の夢/演奏家、ものを作る人
尊敬する人/夢に向かって突き進む人
愛読書/池井戸潤
休日の過ごし方/掃除、ランニング、映画鑑賞
好きな音楽/クラシック
好きなTV番組/「よ〜いドン!」、「探偵ナイトスクープ」、「ザ・ノンフィクション」
好きな国/ヨーロッパ諸国

工学部 機械工学科 松本 紘宜 助教

好きな楽器の音色が材質によって異なることに興味が湧き、
材料の研究を始めました。

未来の最先端材料「ナノコンポジット」

私の専門はプラスチックの成形加工に関する研究で、現在は特に「ナノコンポジット」に着目しています。ナノコンポジットとは、プラスチックやゴムなどの「高分子材料」に、肉眼では見えないほど極小な粒子の「ナノ材料」を組み合わせた複合材料のことです。電気を通す、振動を抑制する、プラスチックの強度特性を改善するなど、新しい性能を持たせることができ、新たな材料として非常に期待されています。身近なところでは、皆さんが乗っている自動車部品にも使用されています。

ただ、樹脂にナノ材料を添加する際、小さな粒子が互いにくっつき大きくなってしまうため、ナノの特性が活かされず、期待通りの性能が得られにくいのが現状です。この課題解決には、化学薬品の利用などさまざまなアプローチがありますが、私は機械工学的な観点から解決法を探っています。プラスチックの成形加工は「溶融→流動→固化」という工程で行われますが、この流動過程で機械の形状やモーターのパワーなどを制御することにより、ナノ材料を物理的に分散させるというものです。このアイデアを実現するため、装置を試作してシミュレーションを繰り返し、データを蓄積しながら考察を行っています。

研究のスキルを磨くために挑戦した2度の留学

ものづくりを支えている「材料」に興味を持ったのは中学の時です。吹奏楽部に入りオーボエを始め、同じ楽器でも音色が異なって聞こえることを疑問に思ったのです。それが材質の違いによるものであると知り、身の回りのさまざまなものについても「どんな材料で作られているんだろう?」と関心が広がり、もっと詳しく知りたくなりました。大学に入り、授業で材料力学などを学ぶなかでその奥深さに触れたこと、研究室で材料の加工やプラスチックの複合材料に関する研究を行ったことで、探究心はなおいっそう高まっていきました。

博士課程の途中で、研究のスキルを磨きたいという思いにヨーロッパの音楽に触れてみたいという願いも重なって、ドイツのアーヘン工科大学と、イタリアのミラノ工科大学へ研究留学をしました。当初は単身でヨーロッパに渡ることに恐れもありましたが、思いきって行動を起こしたことで、日本とは異なる学びを得ることができました。特にチームのコミュニケーションを重要視する研究の進め方は、今たいへん役に立っています。また、世界各国から集まっている学生たちとの交流から、それまで自分の観点でしか物事を見ていなかったことに気づかされ、相手の立場に立つことの大切さを知ることができました。皆さんにもできる限り、海外で多様な文化に触れる機会を作ってほしいです。

専門分野以外のこともシャットアウトせずに取り組んで

主な担当講義は「機械実験」など機械工学に関する基礎教養科目です。授業では、ただ課題をこなしていくのではなく、仲間と一緒に解答のない問題に向き合い、自分なりの答えを導き出せるよう指導しています。また、講義内容が研究や仕事のどのような点で必要になるかなど、学生に寄り添ったサポートを心がけています。

大学は専門の学びを深めるところですが、学生の皆さんには自分の専門分野に関係ないように見えることにも取り組んでみてほしいです。必要なさそうだと思う情報や経験をすべてシャットアウトしてしまうと、自分の可能性を狭めてしまうことになります。また、趣味を持つこともおすすめしたいです。私は中学の吹奏楽部で始めたオーボエが専門分野に進むきっかけを作りましたし、楽器を介した人との出会いは海外に目を向けるチャンスにもなりました。今は研究で疲れたときにクラシック音楽を聞いてリラックスしています。趣味は人生を豊かにしてくれるものだと思います。

オーボエ
中学の吹奏楽部以来、現在も続けているオーボエ。アフリカ原産のグラナディーラという木で作られています。大学時代にイスラエル出身の先生にマンツーマンでレッスンを受け、オーボエの基礎や呼吸法を学びながら英会話力も磨きました。この先生との出会いが、海外に興味を持つきっかけになりました

論文
ドイツのアーヘン工科大学に研究留学をした際にまとめた論文。一緒に研究した学生がその一部を掲載した博士論文を送ってくれました。留学で出会った人たちとの交流は今も続いています