工学部 機械工学科
有馬 隆司 助教
Arima Takashi

研究分野 熱工学、非平衡熱力学

生年/1986年
出身地/兵庫県姫路市
血液型/O型
子供の頃の夢/科学者、画家
尊敬する人/恩師達
愛読書/『Rational Extended Thermodynamics』『孟嘗君』など
趣味/旅行、読書、カメラ
好きな映画/「A Beautiful Mind」「Life Is Beautiful」
好きな食べ物/チョコレート、チーズ、パスタ
好きな国/イタリア

工学部 機械工学科 有馬 隆司 助教

新しい原理を解き明かし、それを工学へ応用する。
そんな橋渡しの役割をしていきたい。

ナノスケールでの熱のふるまいを解き明かす

淹れたてのコーヒーが冷めたり、コーヒーにたらしたミルクが不思議な模様を描いたりするように、ものごとが時間的・空間的に変化する現象は、私たちの生活のなかのいたるところで見ることができます。コーヒーの変化は緩やかなものですが、身の回りで起きている現象から離れて視野を広げてみると、変化が急な現象というのも多彩にあらわれ、工学的にも注目を浴びていることがわかります。たとえば半導体製造などの微細加工技術における気体の流れや、人工衛星や探査機などの宇宙機が大気圏突入する際に機体の周りに生じる衝撃波など、最先端の工学においては空間的・時間的に急激な変化をする現象の理解が必要不可欠です。

では、このような現象を解明するにはどうすればよいでしょうか。上記のような流体が振る舞う現象を明らかにするには、流体を特徴づける温度や圧力といった量がどのような変化をするのかを知らなければなりません。このような研究は古くから行われており、過去の偉人たちによって「熱力学」、「流体力学」といった学問としてまとめられてきました。ただし、上に挙げたような急激な変化を伴うような現象に対しての理解は未だ不十分です。私が行っている研究は、そのような現象を解明するのに適切な熱流体の理論を構築し、それを基に理論的・数値的に解析すること、さらに、微小機械システム(MEMS)などの高効率・高性能設計に役立てることです。特に、これまで解析が難しかったナノスケールで、熱や物質がどのように輸送されるかを研究しています。こう書くと難しく感じるかもしれませんが、目には見えない小さな世界で一体どんな現象が起きているのかを解き明かし、それを工学に応用していく。そんな橋渡しの役割をしたいと思っています。

理論の意味するところや奥深さを、講義を通して実感してほしい

担当している「数学演習Ⅰ」の授業は、工学を行うにあたって必須のツールである「数学」について、具体的な問題を自ら頭を使って取り組み、身につけてもらうことが目的です。この講義を通して、学生が自ら動き、学ぶということを経験してほしいと考えています。また、そもそもなぜ数学が必要なのか、どこに役立つのか、他の学問とはどう繋がっているのかを意識してもらえるように、お話も交えながら、講義を行っています。

「MデザインⅠ」は、講義で学んだ理論を、自ら手を動かして実感することで理解を深めてもらうための授業。私は、流体力学における流体の運動や力の働き方を、実例を通して教えています。たとえば、缶に開いた穴からどのように水がもれていくか、実際に水の速度を計ったり、水深との関係でそれがどう変わるかを計測したりします。これは高校の物理でも大学の授業でも、流体力学の基礎知識として学んでいることですが、実際に目で見ないとイメージが湧きにくいかもしれません。ですからこの授業では、現象そのものを自分の目で見て、計算することで、たしかに自分が学んできた理論がなりたっているのだということを実感してほしいと思っています。同時に能動的に動くことや、仲間とのコミュニケーションが問題解決に繋がるということを伝えられるように努めています。

好きなこと、興味のあることを見つけたらとことん追求してみよう

大学時代には勉強や趣味などを通して、さまざまな経験を積み、さまざまな人と会話をし、好きなことを見つけてほしいです。そして、それが見つかったらこだわりをもって、たとえ困難が生じたとしても、諦めずそれをとことん追求することを経験してみてください。きっと楽しいと思います。私自身、学生時代に講義や読書などを通じて、自然現象はまだまだ分からないことだらけということを知り、それを理解するのはとても面白いのではないかと思ったことから、研究の道に入りました。これまでの研究生活では、困難な問題にたびたび遭遇し、研究が進まない苦労もしてきましたが、いろいろな人の手助けもあり、諦めず突き詰めることで成果を挙げることができてきました。そして、こんな研究生活を苦労も含めて非常に楽しんでいます。

また、大学での専門的な勉強に対しても、まずは興味をもってみてください。苦手だと思っていた勉強も興味をもって見直してみると、意外と楽しいなんて経験もきっとできるはずです。そういった楽しさが将来への原動力になると思います。

2011年の9月にイタリアで開催された国際学会(INdAM)に招待されて講演を行ったときの名札
2011年の9月にイタリアで開催された国際学会(INdAM)に招待されて講演を行ったときの名札。生まれて初めての国際学会で、本や論文でよく名前を目にする教授達の前での講演だったので忘れられない体験になった

研究が進展したときにも論文が書けないときにも使ってきた、苦楽をともにした万年筆2本
研究が進展したときにも論文が書けないときにも使ってきた、苦楽をともにした万年筆2本。「モンブラン」は両親から進学祝いにもらったもので、もう一本は博士課程に入ったときに自分で買ったもの