工学部 機械工学科
鈴木 健児 助教
Suzuki Kenji

研究分野 流体工学、設計工学・機械機能要素、機械力学・制御

生年/1969年
出身地/新潟県
血液型/O型
家族構成/妻、長男、長女
子供の頃の夢/自転車屋さん
尊敬する人/自分にないところをもっている人
愛読書/『Make: Technology on Your Time』と、その関連本
趣味/壊れたものの分解や修理、週1〜2回はトレーニングジムに通う
休日の過ごし方/主に子どもと遊んだり、出かけたり、何か作ったりしている
好きな映画/「スター・ウォーズ」シリーズ、「ターミネーター2」、「天空の城ラピュタ」
好きな音楽/特にないが、9mm Parabellum BulletのCDは買っている
好きなTV番組/「探偵!ナイトスクープ」
好きな食べ物/妻の手料理、男前豆腐の豆腐、霧島酒造の赤霧島、サッポロの麦とホップ
好きな国/日本

工学部 機械工学科 鈴木 健児 助教

工学的なモノづくりの学びは、自分の手でモノを分解して
観察したり組み立ててみたりするところから始まります。

高出力で衛生的な水圧駆動システムの研究

自動車や航空機、建設機械や工作機械など、さまざまな機械の動きを制御するための動力伝達には、機械的・電気的・流体的な方法があります。このうちの流体的な方法としては、現在は主に油圧と空気圧が使用されています。高出力の油圧は、皆さんもよくご存じのところでいえば、ショベルカーなどの建設機械に広く使われていますが、事故が起きたときに油漏れする危険性や、環境汚染といった問題点もあります。一方、空気圧は環境にやさしいものの、大きな動力を伝達するのには不向きです。

そこで近年注目されているのが、水圧を利用した駆動システムであり、私は大学院時代からこの研究を始め、現在に至るまで「水圧駆動システムとその構成要素(制御弁、アクチュエータ)の開発」を行っています。水圧駆動は、動力伝達の媒体として水道水を用いるもので、油圧に匹敵する高い動力密度(小型で高出力)をもち、かつ空気圧のように環境融和性が高く、クリーンで衛生的な駆動方式として応用が期待されています。特に、食品の生産に関係する機械には、衛生的な観点からも最適といえるでしょう。

図面は設計者の意図を正確に伝える “言語”

現在担当している主な講義は、「機械工学実験」・「機械製図」・「CAD/CAM及び演習Ⅰ」です。3年生対象の「機械工学実験」は、座学に基づいた12項目の実験テーマがあり、毎週各テーマに沿って実験を行います。そして、実験結果に対する考察から論理的に結論を導き、その過程をレポートにまとめます。この一連の工程を訓練することで、専門知識のみならず、社会で必要となる基本的な日本語力や文章力も身に付くはずです。学生の皆さんにとって、毎週レポートを作成することは決して容易ではないと思いますが、積極的に取り組んでほしいと思います。

「機械製図」では、図面を描くドラフターという道具などを使って、機械部品を製作するための図面を手描きで作成します。一方、「CAD/CAM及び演習Ⅰ」では、PCを使った製図(CAD)の演習を行います。卒業研究や企業での製図は通常CADを使用するため、手描きの図面はほとんど必要ありませんが、いまだに手描きの製図から練習を始めるのは、製図のセンスを養ううえで非常に有効だからです。手描きで美しい図面が描ければ、CADでも美しい図面が描けます。図面は、設計者の意図を製作者に正確に伝えるための “モノづくりにおける言語” です。相手に自分の言いたいことをきちんと伝えるには、正確で美しい日本語を話す必要があり、そのために特別な学習や訓練が必須であるのと同じように、製図においても、さまざまな機械要素の図面を描く練習や製図法の学習が必要です。私は大学院修了後、ある自動車部品会社でパワーステアリングに関係する部品の設計業務を行っていました。製図の授業に関しては特に、このときの現場経験が非常に役立っています。

失敗から学ぶことは大きく、失敗できるのが学生の特権

子供の頃からモノづくりが好きで、当時流行っていたプラモデルにも夢中で取り組みました。あるとき、父親が中古のパチンコ台を買ってきたのですが、パチンコ玉がチューリップに入るとそれが開き、玉が出てくる仕組みを知りたくて分解してしまいました。この経験から、工具を使って何かを分解したり、さらには組み立てたりする楽しさを知り、初めて自分専用の工具を手に入れました。そのときの心躍るようなワクワク感は今でも覚えています。最近、工学部であってもモノづくりを楽しんだことのない学生がいますが、工学的なモノづくりの学びは、自分の手でモノを分解して観察してみたり、組み立ててみたりするところから始まるものだと思います。

大学では工学部で学び、大学院に進んで前述のとおり水圧駆動システムの研究を始めました。最初は油圧機器を分解し、その構造を参考にしながら試作機を作ったのですが、思うように動きませんでした。それから四六時中対策案を考えて二号機を製作し、ようやく成果を出せたときは達成感でいっぱいでした。失敗を重ね、試行錯誤した末に得た知識は、現在の研究にも活かされています。

学生の皆さんにも、失敗を恐れずさまざまな経験をして、より多くのことを学んでほしいと思います。成功体験だけを求めていても、身に付くものはわずかです。失敗から学べることは予想以上に大きく、そして、何度も失敗できるのが学生時代の特権です。何事にも試行錯誤し、悩んで苦労を重ね、忍耐力を付けてください。とはいえ、頑張りすぎはよくありません。社会にでると、我慢を強いられることもあり、また、失敗や挫折をすることもあるでしょう。そんなとき、すぐに折れてしまわないようストレスを発散する方法も身に付けてください。自分自身を上手にコントロールできるように、バランス感覚を養うのも大事なことだと思います。

子供の頃からモノづくりが好きで、工具にはちょっとした思い入れがある。これは、現在使っている工具箱
子供の頃からモノづくりが好きで、工具にはちょっとした思い入れがある。これは、現在使っている工具箱。必要な工具をそのつど買い足してきた。このほかに木工具などもある

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日本フルードパワーシステム学会創立40周年記念出版(水圧編)の『アクアドライブ技術の進展』は、他の学会員と共に水圧駆動の基礎からまとめた、専門家向けの資料書