工学部 機械工学科
寺島 岳史 准教授
Terajima Takeshi

研究分野 非平衡材料、接合、材料加工

生年/1974年
出身地/千葉県
子供の頃の夢/パイロット、宇宙飛行士、救命救急医
趣味/ロードバイク、登山、スキー
好きな音楽/ジャズ、ダンスクラシックス
休日の過ごし方/サイクリング(全国に遠征しています)
好きな国/日本

工学部 機械工学科 寺島 岳史 准教授

どんなに優れた材料でも加工できなければ製品にはなりません。
材料加工はものづくりの基盤技術です!

ものづくりに欠かせない力学

どんなに強い鉄骨を使っても、何も考えずにつくった橋は崩れ落ちる可能性があります。つまり強い材料を使っても、力のかかり具合を考えて構造体を設計しなければ強度を確保することはできないのです。その信頼性設計の基本となるのが力学です。私が担当する講義「工業力学及び演習Ⅰ・Ⅱ」では、そうした力学の基礎を扱っています。例えば高速回転する部品を設計するときに、重心を正確に割り出さなければ回転がぶれて耐久性や精度が低下します。逆にその“ぶれ”をあえて利用する部品もあります。この講義では、そのような物体の回転、力のつり合い、力の分散など“力”に関することを、いろいろな問題を解きながら考えていきます。これは2年生を対象にしたものですから、ここで基礎をしっかりと身に付けた上で3・4年生の応用につなげてもらいたいと思っています。

私は本学に着任する前は公的機関の研究所に勤務していました。神大に着任して若い学生たちと向き合うことになり、とても新鮮で刺激を受けています。それと同時に教えることの難しさを痛感していることもまた事実です。今は少しでも学生たちの理解が深まるように試行錯誤の日々。「百聞は一見にしかず」といいますが、電子メディアを活用して視覚的に分かりやすい講義を心がけています。

次世代機械材料「金属ガラス」の産業応用を目指して

金属ガラスとは液体と固体の両方の性質を持つ特殊な金属です。強度、弾性、耐疲労、耐食性などが非常に優れています。ミクロンレベルの精密鋳造性にも優れています。見た目が綺麗で、薄くても強度が保たれるためスマートフォンのケースへの採用が検討されています。また腐食されにくいため燃料電池の部品や人工骨素材などにも有力視されています。このように金属ガラスは「次世代機械材料」として幅広い産業応用が期待されています。しかしながら、熱力学的に非平衡であるため加工が難しいという問題があります。つまり金属ガラスは一定量の熱を加えるとただちに特性が失われてしまうため(結晶化)、加工するには熱的特性を考えた厳密な温度制御が必要なのです。 そこで私が着目しているのは金属ガラスの過冷却液体状態を利用した加工です。金属ガラスは、身近にありふれた無機ガラスと同様にガラス転位温度(融点の6割程度)付近において過冷却液体という液体に変化して、あたかもチューインガムのように自由に変形させることができます。過冷却状態を安定して維持する技術の開発(厳密な温度制御と不純物の排除がポイント)を進めるとともに、これまで職人技に頼ってきた光学部品や極細無痛針などの精密加工を、鋳造やプレス加工で大量生産する技術の開発を目指しています。

ところで、金属ガラスは優れた特性を持っているので単独で用いても良いのですが、実社会で活用するには、適材適所で汎用の材料と接合して用いるのが、その機能を最も引き出す手段だと考えています。例えば金属ガラスを、アルミニウムやマグネシウムに溶接・コーティングして使えば、軽金属の長所である軽さはそのままで、弱点である耐摩耗、耐食性などを補強することが可能です。このコンセプトは既に工業用はんだ浴槽などで実用化しています。溶射、鋳造、レーザなどの手法を駆使して、金属ガラスを汎用の構造材料と接合することで、その付加価値を向上させる研究をしています。

学生だけに許された自由な時間を大切に

学生の皆さんには、自由な時間がある大学生のうちにいろいろなことにチャレンジしてほしいと思います。私自身の大学時代を振り返ると、恥ずかしながら同じようなことを先生や先輩から言われていたものの、どうも実感がわかず、結局時間を有効に使えなかった気がします。社会に出ると長期的な休みはなかなか取れず、自分ひとりだけで時間を使うこともままならなくなります。そうなって初めて、学生時代の時間の貴重さを実感することになるのです。だからこそ学生の皆さんには、学生だけに許された自由な時間を使って、いろいろなことにチャレンジしてもらいたいです。そして、自分が目指すものを見つけて下さい。目標があると何もかもが楽しく思えます。そして、苦難も乗り越えられるのです。

趣味のロードバイクで御嶽山(長野県)を走ったときの一枚
趣味のロードバイクで御嶽山(長野県)を走ったときの一枚。自転車は大学時代に始め、これまでに北は知床から南は沖縄まで訪れた。今の目標はヒルクライムの聖地である乗鞍岳を走ること

博士課程1年生のときに初めて雑誌に掲載された論文
博士課程1年生のときに初めて雑誌に掲載された論文。世界に情報を発信できたうえ、記録に残せたことが大きな自信となった