工学部 物質生命化学科
岡田 正弘 教授
Okada Masahiro

研究分野 天然物化学、生物有機化学、生物分子化学、生物活性物質化学

生年/1974年
出身地/愛知県
血液型/B型
家族構成/夫婦2人
子供の頃の夢/学者
趣味/サッカー
休日の過ごし方/なるべく外出するようにしている

工学部 物質生命化学科 岡田 正弘 教授

あれこれ考えるより、まずはやってみる。
研究も人生も、その姿勢が大切です。

「生物活性物質」というスイッチで、まだ見ぬ薬や食品をつくり出す

私は自然界に存在する天然有機化合物について研究しています。特に注目しているのが「生物活性物質」で、生物に対してなんらかの活性(作用)をもたらす物質です。例えば、納豆菌。大豆を納豆菌で発酵させるとネバネバの納豆ができますが、納豆菌にはネバネバさせるためのスイッチのようなものがあり、そのスイッチが生物活性物質なのです。この物質のおかげで納豆らしさが生み出され、人はその恩恵にあずかっているわけですが、納豆菌にとってもネバネバすることで他の菌や薬剤などが入り込みにくくなり、長く生き延びることができるメリットがあります。このような生物活性物質を新たに発見できれば、構造を調べて化学的に合成したり、強化したりすることも可能で、人にとって有用な物質は薬や香料、食品などに大いに活用することができます。

また、明確な結果が得られることも天然有機化合物の魅力の一つです。例えるなら、昔話「花咲かじいさん」で、枯れ木に灰をまくと花が咲く場面。この「灰」が、生物活性物質と考えるとわかりやすいと思います。まだ発見されていない、ユニークで有用な生命現象を引き起こす天然有機化合物はきっとあるはず。そう思うとワクワクしてきますね。

先入観を捨てて、実験データから正しい答えを読み取ろう

実験や研究をたくさん重ねて、きちんとデータを分析すれば、自ずと何かが見えてくる。これが私の研究スタイルです。仮説や理論立てて導き出すスタイルもありますが、「こうなるはずだ」という先入観は、時として真実が見えなくなり、間違った結論に導いてしまう危険性もあります。私は、実験をくり返して、しっかりとしたデータを積み重ねることが大切だと考えています。ですから研究室の学生たちにも、先入観を持たずにまずはやってみようと話しています。結論が見えてこないのは、能力や理解が足りないのではなくて、まだデータの量が不十分なだけ。途中であきらめたり投げ出したりせず、徹底してデータをたくさん集めれば、誰にでも正しい答えが見えてくるはずです。

また、私の授業スタイルは基本的に板書です。黒板に書く私も書き写す学生も大変ですが、化学構造式はまずは自分の手で書いてみることが大事です。たくさん書くことで基礎能力が充実し、応用力も身につくと思います。

さまざまなことに挑戦するうちに、進みたい道にたどり着く

大学の4年間はいろいろなことを経験するチャンスです。やってみたら実は楽しかったということはたくさんあるし、つまらなかったらまた別の道を探せばいいのです。始める前から身構えることはありません。将来を考えるときも同じです。仕事などに漠然とした不安があっても、明確な目標が定まっていなくても大丈夫。初志貫徹で「子供のころの夢や目標が叶った」という人は、実はほんのひと握りで、私も含めて「興味があることにいろいろと挑戦するうちに今の仕事につながった」という人のほうが多いものです。たとえ挫折しても、ほかにも道はあります。偶然の出会いも大切にして、まずは興味をもっていろんなことに取り組んでみてください。

そしてキャンパスライフを楽しみつつも、「ここぞという時」にはきちんとやれる人になってほしいと思います。遊ぶときは遊ぶけれども、大事な場面では真面目に取り組む。そのメリハリが大切です。

毎日の実験を記録していた学生時代の実験ノート
毎日の実験を記録していた学生時代の実験ノート。研究室の共有財産なので、普通は個人で所有していることはないのですが、所属していた研究室が新しくなる際に譲っていただきました

学術発表で初めて受賞した時の記念すべき盾
学術発表で初めて受賞した時の記念すべき盾(2005年 第47回天然有機化合物討論会奨励賞)。この受賞が励みとなり、現在に至ります