工学部 物質生命化学科
山田 健 助教
Yamada Takeshi

研究分野 天然物創薬

生年/1979年
出身地/大阪府大阪市
血液型/A型
家族構成/妻
子供の頃の夢/科学者
尊敬する人/大村智先生
愛読書/ミステリー小説をよく読みます(特に伊坂幸太郎の本)
休日の過ごし方/お酒を飲む、ジムで汗(お酒?)を流す
好きな音楽/海外ロック
好きなTV番組/平日23〜25時の番組
好きな著名人/野茂英雄、イチロー
好きな食べ物/焼き鳥、チャーハン、エンガワ、エイヒレ
好きな国/アメリカの田舎の方

工学部 物質生命化学科 山田 健 助教

何事も常識や既定路線をただ鵜呑みにするのではなく
「なぜ?」と疑問を持つことが大事だと思います。

天然の有機化合物から医薬品や農薬を作る研究

植物や微生物などが持つ天然有機化合物を元に、医薬品や農薬などを開発する「天然物創薬」を専門にしています。昔の人は病気やけがをすると、薬草をすりつぶして、飲んだり治療に使ったりしていました。薬草のどんな成分に薬効があるのか? その成分を取り出して合成すれば、より有効な薬を作ることができるのではないか? と考えたのがこの研究分野の始まりです。

しかし、顕著な作用を示す天然有機化合物は、しばしば複雑な構造をしているため、簡単に合成することができないものが数多くあります。そこで私が注目しているのが「カスケード反応」です。この反応は、ドミノのように、一回の実験操作で複数の反応を次々と起こす反応であり、単純な分子から複雑な分子を効率よく作ることが期待できます。私はこのカスケード反応を触媒する有機分子を開発し、天然物創薬へ展開したいと考えています。

神奈川大学に来る前は、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智先生のグループで特任助教として研究に参加していました。論文のための研究ではなく、役に立つ薬を作ることを大前提とした、先生の研究に向かう姿勢から学ぶことは多く、研究に対する意識が変わった貴重な経験でした。

何に対してもまず疑問を持つことが、物事の理解を深めます

1年生対象の担当講義「基礎化学演習」は、高校化学の復習と大学の授業の橋渡しのような位置づけです。要点を押さえる力を身につけてもらうため、できるだけシンプルで端的な言葉や数式で、論理を積み重ねていくように心がけています。

同じく1年生の「物質生命化学実験基礎」、3年生の「物質生命化学実験応用」では、常に「なぜ?」という疑問を持ってもらえるように指導をしています。なぜこの実験ではこの器具を使うのか? なぜこの試薬を使うのか? といった疑問を持つことは、物事を深く理解するための出発点です。人に言われることを鵜呑みにし、何の疑問も抱かずにただ作業するだけでは、得ることはあまりありません。何事もまずは「なぜ?」と考え、自分なりのやり方を模索してほしいと思います。

「物質生命機能デザインU」の講義では、自分で研究テーマを探して調べ、資料を作って発表するという一連の流れを経験することで、プレゼンテーションのハウツーを学んでもらいます。

多様な価値観に触れて、視野が広がった留学経験

皆さんには、大学生の間に今後の人生を生きるための強さを養ってほしいです。そのためには多くの経験をすることが必要だと思います。私自身は高校時代にやっていた柔道で、肉体的、精神的なタフさを身につけ、大学院博士課程の1年間と、博士号取得後2年半のアメリカ留学の経験で、それがより強固になったと感じています。

アメリカの大学には、世界各国から、環境や立場、背景や思想の異なる学生が集まっていて、皆が自由に学んでいました。目指しているものは人それぞれで、研究が人生のすべてではなく、学位を取ったあとにまったく別の仕事を始める人もいました。専門を突き詰めるのもひとつの生き方ですが、一度きりの人生なら進む道を限定せず、より多くのことを経験するのもいいのではないでしょうか。そう考えるようになったのは、留学で多様な価値観や考え方に触れ、視野が広がったからだと思います。皆さんにも、短期旅行でもいいので一度日本から離れ、できれば日本語や日本語の文化が通用しない、まったくの異文化に身を置いてみることをおすすめします。

大村智先生の色紙
大村智先生の研究グループに所属していた間、毎年お正月に、先生から年始の言葉が書かれた色紙を頂きました。自身も携わった、先生の研究成果をまとめた本とともに、宝物として大切にしています

初めて自分で取得した研究費で購入した分子模型
初めて自分で取得した研究費で購入した分子模型。この模型を使い、分子を立体的に確認しながら実験を行います