工学部 物質生命化学科
松原 康郎 助教
Matsubara Yasuo

研究分野 人工光合成

出身地/兵庫県神戸市
家族構成/妻と2人暮らし
子供の頃の夢/研究者
趣味/天体観測・プログラミング・電子工作
休日の過ごし方/妻と散歩
好きな映画/「Short Circuit」(1986年)
好きな音楽/The Beatlesの楽曲
好きなTV番組/「LIFE!」 (NHK)
好きな食べ物/妻の手料理

工学部 物質生命化学科 松原 康郎 助教

植物が行う光合成の仕組みを応用して、
化学製品の原料を作る研究に取り組んでいます。

可能性は無限で世の中に浸透してゆく研究分野

身のまわりを見渡せば、私たちの暮らしは化学製品で溢れていて、また電気エネルギーを使うことが前提となっています。それらを生み出しているのは、元を辿れば石油なのですが、最近はこれら資源の枯渇が問題視されています。特にその供給を海外からの輸入に頼っている日本においてはこの問題は深刻で、多くの研究者がさまざまなアプローチで石油に代わる資源の開発を目指しています。

私もそのひとりで「人工光合成」について研究しています。皆さんも小学生の頃、じゃがいもなどの栽培を通して光合成について勉強したと思いますが、植物は太陽光、水、二酸化炭素を使って光合成を行い、生きていくための栄養分を作っています。太陽光と物質を合わせて化合物を生み出す光合成の仕組みを学び、これを応用することによって化学製品の原料を作ることができれば、このような問題の解決に貢献できるのではないかと考え、日々研究に取り組んでいます。

太陽光を利用したエネルギーの研究は古くからされていますが、日々新たな発見がなされており可能性は無限です。まだこの分野でノーベル賞を受賞した研究者も実はいないのです。新たな方法を見つけることができれば世の中の役に立つことができると思い、大変やりがいを感じています。子供の頃から科学が好きで、大学では物質科学科で宇宙の始まりから生物系の分野まで幅広く学びました。「化学」はそのなかで最も人間の生活を物質面で支える上で密接な関係にある学問領域だと思います。

勉学以外の趣味や活動もいつか役に立つ

現在受け持っている実験講義のひとつ「物質生命化学基礎実験」は1年生対象の実験科目で、実験器具の使い方から始まり、化学実験の基本を身につけることを目標としています。具体的には、水の中に含まれるカルシウムやマグネシウム等、さまざまなイオンの検出を実習形式で行い、それぞれの特徴を化学的に学びます。「物質生命化学専修実験」は3年生対象の実験科目で、1〜2年生で養った化学的知識を基に、より専門的な化学実験に携わってもらいます。具体的には「空気中の窒素酸化物の測定」と「重曹の無機合成」を行います。窒素酸化物は車の排気ガス中に含まれ、環境汚染物質として監視されていますし、重曹は料理や掃除に使用されるなど、いずれも私たちに身近な物質です。それらの生い立ちや原理を化学的に学びます。「無機分析化学演習」は演習科目で、講義で学んだことを体得するため、手を動かして問題を解いてもらいます。いわば頭の体操のようなものです。問題の内容を理解することはもちろん大切ですが、考える練習をすることで、迅速に頭の切り替えができるよう上達してほしいと願っています。

大学生活を充実させる秘訣は、単位を取る目的だけでなく心から面白いと思える講義を見つけることです。大学の講義は自分たちの生活からは遠いもののように感じるかもしれませんが、実は現代社会のさまざまな問題を解くために生まれた「学問」に触れられる絶好の機会なのです。本気で学びたい講義を見つければ、世の中の仕組みのひとつを知ることができるでしょう。また大学では、高校までの学校生活と比べて驚くほど行動範囲や自由度が広がり、多くの物事に出会うチャンスがあります。皆さんには、そのなかから勉学以外に何かひとつでも打ち込めることを見つけ、熱中してほしいと願います。その経験や知識が何かの役に立つときがいつか必ず来るはずです。私も学生時代、化学の勉強以外にソフトウェアのプログラミングにハマりました。当時のインターネットはまだダイヤルアップで接続するのが主流のノンビリしたもので、年ごとに技術が劇的に発展していくのを体感していました。現在、研究データをコンピュータでまとめる時にプログラミングの知識が役立つこともあり、趣味が本業を支えてくれることを実感しています。

人工光合成に関する実験で使用するために用意したガラス器具
化学実験に使用する器具には自分の研究内容に合った必要なものを使います。これは人工光合成に関する実験で使用するために用意したガラス器具です

「とある有名な地元の像」が印刷されたマグカップ
大学院を修了したあと、アメリカのニューヨーク州・ロングアイランドにある国立研究所(ブルックヘブン研究所)で、5年間ポスドクとして働いていました。主任研究員をはじめさまざまな分野の研究員の皆様から多くのことを学ぶことができました。これは記念にと購入した「とある有名な地元の像」が印刷されたマグカップです