工学部 物質生命化学科
實吉 尚郎 助教
Saneyoshi Hisao

研究分野 生体関連化学

出身地/札幌市
子供の頃の夢/トップガン
尊敬する人/恩師の先生方
愛読書/『花の慶次』
趣味/ルアー釣り
休日の過ごし方/Jr.と釣りに行く
好きな映画/ベトナム戦争の映画
好きなTV番組/「Deadliest Catch」(ベーリング海でのカニ漁のドキュメンタリー)
好きな著名人/シャア・アズナブル
好きな食べ物/新巻鮭
好きな国/カナダ

工学部 物質生命化学科 實吉 尚郎 助教

化学の構造式は世界共通の言語。
最強の国際ツールを身に付けよう。

天然を超えた機能を目覚めさせたい

生命の根源である核酸(DNA/RNA)を中心とした有機化学と分析化学が私の専門分野です。核酸というのは、単純に言ってしまえばただの有機分子。その、ただの有機分子が遺伝情報や生命現象の調節を担っているというのは、考えてみれば驚くべきことではないでしょうか。しかもそれらにはまだまだ、眠った機能があるようです。そんな機能を探す分子プローブの合成や医薬品へと利用できる化学構造の探索を中心に研究を行っています。

もちろん化学者が手を加えることで、物質が本来の機能を失ってしまうことも多々あります。しかし反対に、時には天然を超えた機能を付与できることがあります。このような分子を求めて、日々格闘しています。

有機化学の面白さは、新しい物質が組み上がっていくところ。望みの性質を持たせようと計画し、実際に合成してみて、期待していた性質が出たときの達成感は大きいです。ただし、世界中に同じようなことを目指している化学者は大勢いるので、ひとつ達成してもまた次、というようにどんどん先を目指さなければいけない厳しさはあるのですが……。

そんな中で、分子の設計、合成、評価を第一目標にしながら、日々の合成途中の1反応───たとえば結晶化といった小さな作業に楽しみを感じることも、大切にしたいと思っています。

シンプルで古典的な「再結晶」は、実は奥が深い職人芸

古くからある精製法のひとつの「再結晶」は、私の好きな操作です。結晶の見た目が単純に美しいということ、また本当に純度の高いサンプルが得られるなど利点も多いからです。単に精製だけではなく、大きくて純度の高い単結晶はX線結晶構造解析に利用されるなど、最先端の科学技術にも利用されています。

たとえばタンパクの結晶化は非常に難しいので、うまく結晶化して構造解析ができたりすると、雑誌『Nature』などに掲載されるほどです。これまで結晶化できなかったものが結晶化でき、構造解析によって性質がわかると、それを使ってまた新たな実験が可能になる。ですから結晶化というのは、単純ですが奥が深い、いわば職人芸。実際に、私たちは「結晶屋さん」と呼ぶ、結晶化を専門にしている人もいるくらいです。

私は「基礎化学演習」「物質生命化学基礎実験」「物質生命化学専修実験」の授業を担当していますが、結晶化は1年生の実験にも組み込まれているので、入学して間もなく体験することができます。

さらに、学年が進むにつれ、自らの手で分子を組み立てていくことを学んでいきます。その時々で、操作の重要性のイメージが湧きにくいときには、具体例を挙げた説明を心掛けています。そして最終学年では、機能をもたせる分子設計と合成を学びながら卒業研究に取り組んでもらいます。

構造式がわかれば、言葉が通じなくてもコミュニケーションできる!

想像がつかないかもしれませんが、化学の知識と技術は世界共通です。まずは、構造式に慣れましょう。これは、最強の国際ツールのひとつです。専門用語と構造式がわかれば、お互い言葉は通じなくても、相手が何を研究していて、何がしたいのかわかるのです。

そして、自分のなかに化学を学ぶという「核」を持っていれば、必要に応じて英語も身に付いていきます。そのためにコミュニケーションをとらなければならない局面に置かれれば、文法なんてめちゃくちゃでも、不思議となんとかなるものだからです(ただし英語ペラペラは、難しいかもしれませんが)。

また、学生時代には国語を始めとした一般教養を身に付けることも大切です。時事ネタや歴史、文化(アニメも含む)なども大切な教養です。国際化の波が加速するなか、外国人の方と談笑する機会があるかもしれません。日頃から、アンテナを張って楽しく生活してください。実は、このアンテナを張る力というのは、化学にとっても重要。そこから新しいアイデアが沸くこともあります。無駄なことなどひとつもないのです。

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