工学部 物質生命化学科
齋藤 美和 助教
Saito Miwa

研究分野 結晶化学

出身地/横浜
血液型/O型
趣味/音楽鑑賞、格闘技観戦、スノーボード
尊敬する人/恩師である山村博先生
好きな映画/「007」、松本人志監督作品
好きな音楽/Guitar Rock、Alternative Rock
好きなTV番組/「世界の車窓から」、お笑い全般
好きな食べ物/餅、ラーメン、辛い物
休日の過ごし方/ショッピング、ドライブ

工学部 物質生命化学科 齋藤 美和 助教

結晶化学では“欠陥“が新しい特性を生み出します。
人も同じで、欠陥があるから面白い!

結晶構造に欠陥を取り入れ、電気が流れやすい材料を開発したい

セラミックスを用いて、エネルギー・環境問題を解決するというテーマで研究しています。セラミックスと聞くと、食器などを思い浮かべるかもしれませんが、実は電子機器などの目に見えないところにも使われている汎用性の高い材料なのです。今、取り組んでいるのは、そのセラミックスの結晶構造に、あえて欠陥を取り入れ、電気を流れやすくした材料の開発です。

“欠陥”というとイメージが良くないかもしれませんが、結晶化学の世界では、この“欠陥”が非常に重要なキーワードになってきます。というのも結晶構造に欠陥を加えると、その材料の特性をがらりと変えることができるからです。その欠陥を制御して、電気がたくさん流れるという特性を持った材料をつくり、燃料電池や太陽電池、熱電変換材料へ応用しようと取り組んでいます。例えば、太陽光をたくさん吸収できる材料があっても、電子をうまく流すことができない材料であれば、電気を効率良く生み出せません。電気は電子やイオンの移動によって生まれますからね。ですから、いかに電子やイオンが移動しやすい材料であるかが、エネルギー分野の材料としては大事になってきます。

では、なぜ結晶構造に欠陥をつくったら、イオンが移動しやすくなるのでしょう? 例えば、満員電車の中では身動きがとれませんよね。それと同じで、イオンも完全な結晶構造の中では移動しづらいのです。そこで隙間をつくる、つまり構造に欠陥を加えることで、動きやすい状態をつくるのです。ただ、どの位置に欠陥を入れると良いのかをシミュレーションなどで考え出しても、その通りのものが合成できるとは限りません。合成したものの結晶構造を調べてみると、目標としていた形になっていないこともあります。その場合は、どう工夫をすれば目標通りの形にできるかを考えます。あるいは目標としていない形でも、面白いくらいに電気が流れることがあります。そういう時は、その理由を考えるのも研究です。こうした試行錯誤を繰り返し、より良い材料をつくり、化石燃料に代わるエネルギーシステムに貢献できればと思っています。

わからないから面白い、研究の世界

高校時代は、生物に興味を持っていました。DNA関係の仕事がしたいと思っていたんです。ところがその矢先に、ヒトゲノムの解明が終わってしまって、拍子抜けしました(笑)。思い悩んだ結果、実験が好きだったことから、化学の分野へ進むことに。私は本学の卒業生で、3年生の後期に今の研究室に入って以来、ずっとここで研究をしています。研究室に入ってからは、どんどん研究が好きになり、夢中になって取り組んできました。研究は、わらないことだらけです。だからこそ面白い。わからない中でも、ほんの少しわかると、もっと面白くなっていきます。それが研究の魅力です。

今、私が担当している1年生対象の「物質生命化学基礎実験」も、実験を通じて、化学の面白さに気づいてもらうことを目指しています。すでに座学で学んだ内容を実験するというものですが、自分の手を動かし、目で見ることは、理解を深めるために大切なことだと実感しています。また、3年生対象の「物質生命化学専修実験」は、所属研究室を選ぶ時の手助けとなるような、専門性の高い実験内容が含まれています。どちらの実験でも心がけているのは、学生とのコミュニケーションを大切にすること。実験への質問はもちろん、研究室選びや単位、就職活動のことまで相談に乗っています。本学の卒業生だからこそ、アドバイスできることがあるのではないかと思っています。

興味を持ったら、徹底的に突き詰めよう!

結晶成長学の大家であるF.C. Frank博士の言葉に「Crystals are like people」「It’s the defects that make them interesting!」があります。研究で“欠陥”を扱っているだけに、この言葉には感銘を受けました。欠陥のない人間はいないし、足りないところがあるから学び、自分にないものを持つ人に興味を抱くのだと思います。学生の皆さんにも、そのことは覚えておいてほしいですね。また、恩師の山村博先生は、研究室恒例の書き初めで「我、永遠に学徒なり」と書かれていました。人は生涯、学び続けます。それは学問に限りません。大学時代は自由になる時間がたくさんあるので、興味があることに徹底的に取り組めるチャンスです。私自身、大学時代は音楽に夢中になって、北海道から沖縄まで日本全国のライブを観に飛び回っていました。もちろん授業にも出席しましたし、研究も頑張りました。けっして優秀だったとは言えませんが(笑)。それでも夢中で取り組んだからこそ、得たものもあると思います。皆さんもぜひ、大学の4年間で興味の持てることを見つけて、とことん突き詰めてみてください。

「我 日々 学徒なり」と書かれた恩師である故・山村博先生直筆の色紙
「我 日々 学徒なり」。恩師である故・山村博先生直筆の色紙。人間は一生学ぶことが尽きないという先生の思いが詰まった大切な言葉

自分で結晶構造を組み立てられる、分子構造模型の組立セット
自分で結晶構造を組み立てられる、分子構造模型の組立セット。ディスカッションや実験の場で使用し、学生に欠陥材料の構造を目で見て理解してもらっている