工学部 物質生命化学科
片岡 利介 助教
Kataoka Toshiyuki

研究分野 高分子物性

生年/1978年
血液型/O型
出身地/栃木県
家族構成/一人暮らし
趣味/昔は音楽など、今は読書
子供の頃の夢/いろいろあったように思いますが忘れてしまいました
尊敬する人/身のまわりにいる方(歴史上の人物ではダフィット・ヒルベルトなど)
愛読書/専門書ならなんでも
休日の過ごし方/コーヒーを飲みながら読書
好きな音楽/大学生の頃はクラシック(特にピアノ曲)、普段は自然の音をずっと流しています
好きなTV番組/年10時間くらいしか見ていません
好きな食べ物/魚・ラーメンなど、飲み物と言われればコーヒー

工学部 物質生命化学科 片岡 利介 助教

化学という学問の対象は、基本的に身の回りにあるもの。
ですから将来、大学で学んだ知識は無駄にはなりません。

答えを出すことよりも、重要なのは思考プロセス

私は「物質生命化学実験Ⅱ」「物質生命化学演習Ⅱ」、物理化学系の実験・演習を主に担当しています。これらの授業では、化学を専攻するうえで直面する熱力学・電気化学的な現象について、実際に自分で手を動かしながら結果の予測や解析、物理量の導出などを行います。こうして、化学において重要な現象を体験し、現象を理解するうえでの法則について理解を深めてもらいます。ここで登場する多くの数式は、他の必修科目であらかじめ学んでいるのですが、担当の演習・実験では、式が得られる背景から説明を始めています。また、なるべく問いに対する答えを直接教えず、本人にスタート地点を確認させ、ひとつずつ順番に考えさせるように心がけています。

というのも、法則を表現する数式はたいへん重要で実践的なのですが、私はむしろ数式がいったいどのような考え方により導かれるのか、ということのほうが意味のあるものだと思っているからです。なにごとも数字をあてはめて答えを求めれば良いと考えている学生は多いようです。しかし現実の社会生活のなかには結果を左右する因子がとても多く、また答えなど当然用意はされていませんから、物事が予想どおりに行かないことはそう珍しくはありません。実践するのはなかなか難しいことではありますが、大学では知識の詰め込みに偏らず、将来困難に出会った時に手助けとなるような思考プロセスに触れて欲しいと思っています。

難解さは、ソフトマター物性の魅力の一つ

実は私は大学時代、物理を専攻していました。物理学というのは「0か1か」というような、はっきりした物の方が適応しやすい学問です。しかし私は、身の回りのもっとあやふやな現象へ物理を適用したいという思いを持っていたことから、物理と化学の中間のような分野へと軸足を移し、現在はソフトマターと呼ばれる材料の物性を扱う研究をしています。ソフトマターというのは、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、エラストマー・液晶・ゲルなど、主に有機物や高分子などからなる物質の総称です。簡単に言ってしまえば「やわらかい物質」。これらの物質は、見回せば日常生活のなかにも溢れています。

これらの物質は、一見単純そうに見えますが、ハードマター(=固い物質)と比べて、平衡状態(時間が経っても変わらない状態)になりにくく、物理学の対象として扱う際には非常に複雑な材料となります。しかし難解さは、ソフトマター物性の魅力のひとつでもあり、丁寧に物性を調べることで材料の本質が分かってくるところにその面白さがあります。私自身、「難しい方が面白い!」と思ってこのテーマを選びました。とはいえ、難しすぎるとまとめられなくなるので、今となっては簡単な方がいいと思ったりもしますが(笑)。こうした研究が、世の中に役立つ材料づくりにつながることを期待しています。

漫然と学ぶのではなく、目的意識を持って学んで欲しい

神大生の多くは、人としてバランスが良いという長所があると思っています。しかし残念ながら学問を好きな学生はそれほど多くはないのではとも思えます。だからといって授業の単位を稼ぐためだけに、なんとなく4年間を費やすのは、非常にもったいないと思います。せっかく自分で大学へ進学することを選び、自分の希望した学科で4年間勉強するわけですから、できるだけ目的意識を明確にし、興味を持って講義に臨んで欲しいと思います。

大学というのは基本的に自由に学べるところですから、自分の選択した専門分野を極めるつもりで真剣に取り組めば、それは後々の自信につながります。また、学ぶべき事柄は膨大ですが、それだけに今後の人生において役立たせることの出来る内容も多いはずです。そもそも化学という学問が扱う対象は、基本的に身の回りにあるもの。ですから、将来、化学に関わる仕事に就かなかったとしても、大学で学んだ知識は決して無駄にはならないと思いますよ。

『皇帝の新しい心 -コンピュータ・心・物理法則』(ロジャー・ペンローズ著・みすず書房)
『皇帝の新しい心 -コンピュータ・心・物理法則』(ロジャー・ペンローズ著・みすず書房)は大学1年の頃に読み、影響を受けた本。ペンローズというのは著名な数学者で、彼が「心というのはいったいどういう物理法則に従っているのか」ということについて、さまざまな理論や現象をもとに論じた当時のベストセラー

卒業生から贈られた本型の小物入れ。試料や測定するサンプル入れに使っている
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