工学部 物質生命化学科
赤井 昭二 准教授
Akai Shoji

研究分野 有機合成化学、天然物有機化学

生年/1969年
血液型/A型
出身地/神奈川県横浜市
家族構成/妻、子2人
趣味/ファミリーキャンプとドライブ(どちらもなかなかできませんが)
子供の頃の夢/お蕎麦屋さんの店主(幼稚園の頃)→トロンボーンの奏者(小学生の頃)
尊敬する人/両親と恩師の方々
愛読書/『Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis』 (有機合成化学における保護基の本)、キャンプ用品のカタログ
休日の過ごし方/自宅で書類の片付けをするか、家族で買い物
好きな映画/「ゴッドファーザー」
好きな音楽/尾崎豊、’80s洋楽(ジャーニーなど)、ほとんど今は聞いていませんが
好きなTV番組/ワールドビジネスサテライト(WBS)
好きな著名人/特にいない
好きな食べ物/焼き魚、お刺身など
好きな国/日本

工学部 物質生命化学科 赤井昭二 准教授

化学を学んだからといって、研究だけが進む道ではない。
視野を広く持ち、いろいろなことに興味を持ってみよう。

有機合成はレゴブロックのようなもの

「物質生命化学演習Ⅰ」(2年)、「物質機能デザイン」(3年)、「物質生命化学実験Ⅰ・Ⅱ」(2年)の他、「輪講Ⅰ・Ⅱ」や卒業研究を担当しています。特に「物質生命化学実験Ⅰ・Ⅱ」では、1年次の「有機化学Ⅰ・Ⅱ」で学んだ基礎知識を深く理解できるように、また4年次以降の研究で必要となる実験操作がしっかりと身に付くよう、次のような工夫をしています。

そもそも大学までに化学実験を行ってきた学生はほとんどいませんので、ガラス器具や装置の名称、その使い方から教えなければなりません。そこで、授業前に予習できるよう、実験操作が説明された画像入りの説明用資料や原著論文をインターネット上に提示し、授業の冒頭にそれを投影しながら詳しく説明しています。実験実習中には大容量のガラス器具を持ち出して実演して使い方を説明することもしばしばあります。また、レポートの作成がスムーズに行えるように、実験に関連する演習問題を解かせたり、取り組んだポイントを「実験当日報告書」としてその場で書き留めさせたりしています。

私自身は、糖類を出発原料とする有機天然物の合成と生物活性についての研究を行っています。糖というとスティックシュガーを思い浮かべる人が多いと思いますが、研究分野における糖には、さまざまなものがあります。細胞のエネルギー源としてだけでなく、血液型を決定する構造であったり、細胞のアンテナとして、またタンパク質の品質識別の荷札などとして我々の生命活動を支えています。一方では、光合成産物として有用な二酸化炭素の固定源で、バイオマスのひとつでもあります。この糖を、抗腫瘍活性や抗菌活性などを持つ有機天然物に効率よく変換できれば、医薬品などの開発につながるものと期待されます。

こうした合成研究は、いわばレゴブロックをつなぎ合わせるようなもの。自分の持っている知識を使って、つなぐ組み合わせやつなぎ方を考えて、自分の作りたい物質を生み出すことが目標です。

神大OBだからこそ、厳しく当たることもある

実は私は学部、大学院ともに神大の卒業生です。そのため学生の気持ちがわかる部分も多い反面、彼らにはかなり厳しいことを言っていると思います。

もちろん最初は丁寧に教えますが、大学での勉強は最終的には本人のやる気次第です。大学は先生に何かを教わるところじゃなくて、自分で学ぶところです。それに気付いた学生は、勝手に勉強をはじめます。だから卒業生や留年した学生からはよく「厳しいこと言われたけれど、今になってその意味がよくわかりました」って言われますね。

社会に出て活躍する人材となれるように学生を成長させるのが大学の使命だと、私は思っています。特に本学科に入学してくる学生の欠点として多いのは、英語が苦手と思いこみ勉強しないことと、広く科学(化学)分野に目を向け関心を持とうとしないことです。英語は私も苦手ですので学生の気持ちがわかりますが、私よりも20年先の時代を生きて行くこれからの学生諸君には、英語のみならずもう一言語で、あいさつやちょっとした会話ができるようになって欲しいですね。

視野を広げれば、化学を生かせる仕事はたくさんある!

できれば大学2年生までに自分が目標とする進路と職業に就けるように、大学時代に何をすれば良いのか考えて有意義な学生生活(学業だけでなく交友も)を送ってください。そのためには、大学でまず基礎知識をしっかりと身に付けることです。

物質生命化学科の学生たちの多くは「研究者になりたい」と思っています。けれど化学の世界でも一流になるのは大変なこと。また仮に研究者として企業に入社したとしても、何年か経てば現場からマネジメントの立場に変わることもしばしばです。ですから私は学生の皆さんに、フラスコを振るだけが化学じゃないし、人が目を向けない分野や自分なりに個性が生かせる分野を見つけなさい、とよく言っています。

たとえば私は実験器具を実際に使ってみて、メーカーに「ここをこうした方がいい」と意見を伝えたりすることがあります。そうしているうちに逆に先方から「意見を聞かせてください」と言われることもあります。このようなやり取りから「新しい実験器具を開発したり、改良するようなラボの仕事っていうのも面白いだろうな」と思ったりします。また近年では科学関係の読み物が数多く出版されているので、そういう分野に特化したライターや翻訳者を目指すこともできるのです。化学を軸にして、興味の対象を広く持ってみれば、世の中にはいろいろな仕事があることに気づくはず。もちろん就職に限らず、学生時代には何に対しても視野を広く持って欲しいと思っています。

『Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis』は有機合成化学における保護基の本
『Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis』は有機合成化学における保護基の本。第一版から改版されるたびに新しいものを買って、ずっと持っている。青い表紙が第三版、緑の表紙が第四版。いわば有機合成化学の辞書のようなもので、ひっきりなしに引いているのですぐにボロボロになってしまう。日本語版がないので原著を読むしかないのが辛いところ。
『生命にとって糖とは何か』(大西正健/著・講談社ブルーバックス)は、大学に入って、研究を始めるときに最初に買って読んだ本

大学1年の後期で受けた化学演習のノート
大学1年の後期で受けた化学演習のノート。授業後、先生に提出したものを全ページきちんとチェックをして、スペル間違いなどを細かく書き込んでくださったもの。これは自分への戒めの意味も込めて、ずっと取ってある。もう退職された先生で、今でも交流がある。こういう風に一生懸命教えてくださる先生がいるのだから、がんばって勉強しようというきっかけになった