工学部 経営工学科
翁 嘉華 准教授
Weng Jiahua

研究分野 社会システム工学・安全システム、生産工学

出身地/上海(中国)
子供の頃の夢/医者
尊敬する人/両親
愛読書/孟子・告子下
趣味/旅行
休日の過ごし方/家族と過ごす
好きな映画/コメディ、ドキュメンタリー映画
好きなTV番組/「世界の果てまでイッテQ!」
好きな食べ物/魚料理、パクチー

工学部 経営工学科 翁 嘉華 准教授

「ものづくり」の現場と研究が連携し、
実用性につながっていくことにやりがいを感じています。

よりよい「ものづくり」ができるようシステムを構築する

私は「ものづくり」の現場と「経営」に興味があり、経営システム工学の研究に取り組んできました。現在は工作機械・産業機械などの個別受注生産を効率化・自動化するための生産システムづくりを研究しています。個別受注生産とは、顧客のニーズに合わせてカスタマイズした製品やサービスを提供することです。同じものを量産することに比べれば生産効率は下がりますが、新しい付加価値を創造するためには重要です。また、ものづくりの現場での最大の課題である人手不足の解決策として、IoTやAI、ロボットなどによる自動化や熟練者技能のデジタル化など「スマートものづくり」も近年注目を集めています。そこで、カスタマイズ製品でも高いサービスと生産性を維持できる、「マスカスタマイゼーション」の新しい生産方式の開発を行っています。

また、製造業では海外の企業に対して、経営参加や技術提携などを目的として投資を行う「海外直接投資」が年々拡大しています。そうした中で、日本は国内に環流する収益は増えているものの、資本生産性や収益性は欧米企業と比較すると半分以下というのが現状で、資本生産性を高めることを目指すものづくりが求められています。そのため、グローバル展開する企業を対象に、商品の製造から販売まで全ての工程における効率的な運営方法や、連携システムの構築についての研究も行っています。

グループワークで積極的に発言を促す対話型授業

経営工学に関するさまざまな講義を担当していますが、メインで行っているのが「生産管理」「生産マネジメント」「生産システム工学U」です。

どの授業にもグループワークによる討議や演習問題などを取り入れ、学生の理解度を確認しながら進行しています。たとえば、「生産管理」では、資材を調達し、加工・組立などの処理を行い、付加価値を付けた製品を顧客に提供するという生産の基本プロセスを対象に、@過不足なく効率よく資材を調達するにはどのタイミングで手配するのがよいか、A仕事を滞りなく進行させ、タイムリーに製品を供給するにはどうしたらよいか、など、具体的なテーマを与えて、グループで議論してもらいます。

また、私から質問も投げかけますが、答えが間違っていても減点はしませんし、よい回答だったら加点します。授業に集中していない学生がいたら、注意するのではなく「優先的に加点のチャンスをあげます」といって声をかけ、対話型の授業を心がけています。

受け身で授業を聞くのではなく、わからないことや異議がある時には、その場ですぐに聞くことが大事です。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」で、私自身も若い時に、「そんなこともわからないのか」と叱られる(笑われる)のが嫌で、いろいろ聞けなかったことを後悔しています。

間違ったことを言っても減点はありませんから、ぜひ積極的に発言してください。

自分の考えを相手にうまく伝えるコミュニケーション力を身につけよう

私は大学院の修士〜博士課程に進み、研究者として上を目指していましたが、それがなかなかかなわず、もがいていた時期があります。そこで、いったん大学を出て3年間、投資銀行・外資系金融ベンチャーに勤めたのです。外務員1種や貸金主任者の公的・国家資格も取得し、それまでの理工系とは違った視点で経営の勉強ができたので、結果としてとても有意義な時間を過ごしました。ただし、その間もやはり研究がしたかったので論文は書き続け、それが認められて再び研究職に戻ることができました。こうした自分の経験を通して言えることは、歩む道は一つではないということです。その道一筋にあきらめずにがんばることも大切ですが、選択肢はいろいろあるので、頑張りきれないと思ったら、他のこともやってみればいいと思います。

それから、学生のうちにぜひ身につけていただきたいのは、コミュニケーション力です。自分の意見や思いを相手にうまく伝えることは、勉学においても、今後の生活や仕事においても大切ですが、生活環境や研究領域などが異なる人に伝えるとなるとさらに難しいものです。小学生にも伝わるようにという心構えで、説明の工夫や練習をしておきましょう。留学生との交流や海外研修への参加なども積極的に行い、多様な価値観があることを理解しておくこともおすすめです。

そして、大学生のうちに何か一つでもいいので、将来の仕事や生活にとってプラスになることを探してやってみましょう。ここでの4年間を、誰のためでもない“自分のため”の大学生活として充実させてください。

世界各国のコインや紙幣
旅行や学会などで訪れた世界各国のコインや紙幣を記念にファイリング。学生時代から海外旅行が好きで、20数カ国分は集まっています

『Managing in the Next Society』
『Managing in the Next Society』(Peter F. Drucker著)。経営学者のドラッカーの著書で、経営学を学ぶ人のバイブル。理工学部の私が技術的な専門書ばかりを読んでいた時に、大学・大学院時代の恩師に勧められた1冊。広い範囲で人間や工学を捉えている本で、視野が広がりました