工学部 経営工学科
佐藤 公俊 助教
Sato Kimitoshi

研究分野 社会システム工学、オペレーションズ・リサーチ

生年/1982年
出身地/名古屋市
血液型/A型
子供の頃の夢/ロボットクリエーター
尊敬する人/両親、お世話になった先生方
趣味/海釣り、水泳、半島ドライブ
休日の過ごし方/できるだけ行ったことのない場所に行く
好きな映画/「インセプション」「アルマゲドン」
好きな音楽/Audioslave
好きなTV番組/「月曜から夜ふかし」
好きな食べ物/海老、フルーツ
好きな国/カナダ

工学部 経営工学科 佐藤 公俊 助教

売り手と買い手の両方が満足する価格付けや
サービスを開発したい。

原料調達から製造、販売までのプロセス=サプライチェーン

私が担当しているのは「実験実習」や「サプライチェーンマネジメント」「卒業研究」などの授業です。「実験実習」では、折り紙を折る作業を実際の生産ラインに見立てて演習を行い、そのデータの測定を通して「無駄が無く・品質が良く・コストを抑えた」モノづくりの現場管理について学習していきます。この実験では、実験結果とその考察をレポートにまとめて提出してもらいます。卒業研究を書くための準備として、レポートの体裁を細かくチェックし、論文の書き方を指導しています。

「サプライチェーンマネジメント」では、原材料の調達から製造、販売までのモノづくりのプロセス(=サプライチェーン)における問題点とその解決方法を学びます。たとえば、ある商品を店舗で販売するためには、商品を生産者に発注し取り寄せる必要があります。その際、店舗と生産者のそれぞれが自身の利益を考えて行動するよりも、契約をすることで協調した方が全体の利益が高くなることがあるのです。では、そこでどのような契約をすればよいか? その結果どのぐらい利益が高くなるのか? ということを数学に基づくモデルを利用し、計算して具体的に確認します。サプライチェーンには他にもさまざまな問題がありますが、それぞれの問題を現実ではどのように解決しているか事例をあげて説明し、興味を引き出すことに努めています。

状況に応じて日々価格を変える「ダイナミックプライシング」

私自身が研究テーマとして興味を持っているのは、サプライチェーンにおける不確実性の下での最適な意思決定方法とその特性を明らかにするためのモデリングです。こう書くととても難しく感じるかもしれませんが、たとえば皆さんは、旅行の計画をしているうちに航空チケットの価格が値上がりしてしまった、という経験をしたことはないでしょうか。大手航空会社は数か月前に予約をするとチケット代が安くなる早割サービスを取り入れています。一方、格安航空会社(LCC)は空席状況などによって毎日値段が変動し、大きい時ではその差が3〜4割になることもあります。このように商品やサービスを提供する売り手は、将来いつ顧客がやってくるか? すぐ欲しいのか? いくらまで支払ってもよいと考えているか? という不確実性に直面しながら、収益を向上させるための最適な方法を探り、価格を変えて商品を販売しているのです。

いつ、いくらに価格を変えれば利益が最大化されるかを求める手法は「レベニューマネジメント」と呼ばれています。最近は、そのなかのひとつである「ダイナミックプライシング」と呼ばれる方法に興味を持ち研究を行っています。これは、売れ行きや他社の価格、顧客の行動に応じて同じ商品の価格を日々変更して販売する方法で、格安航空会社や通販などで用いられています。この研究は約20年前から続いていますが、その値動きや利益に対する効果についてまだ知られていないことが多くあります。また、価格の変動幅が大きいと顧客の批判を招くことになります。そのため、売り手の利益の最大化だけでなく、買い手側のことも考えた価格付け方法や新たなサービスを開発できれば社会の役に立てるのではないかと考えています。この他にもサプライチェーンには、天災等による供給変動リスクや原材料の価格変動リスクなどさまざまな不確実性があり、それぞれの問題を解決するための仕組みをこれからも研究していきます。

研究テーマに目覚めたきっかけは、お好み焼き

私は大学時代、水泳部に所属し、厳しい練習や部員同士の助け合いを通してとてもよい経験ができました。なかでも大学2年の時に学祭でお好み焼き屋を出店したことは、今の研究テーマに興味を持つきっかけとなりました。ちょうど授業で教わった統計や在庫管理を利用できることに気づき、過去のデータを用いてお好み焼きのストック数を求めたのです。これがよかったのか、お好み焼きが激ウマだったのか分かりませんが、例年以上の利益をあげることができました。利益が得られたこと以上に、お客さんの購買に対する考え方が人それぞれまったく違うことに驚き、売り方を工夫すれば売り手も買い手も満足できる販売方法を見つけられるのではないかと思えたことは、私にとって大きな収穫でした。さらに卒業研究を通して、販売方法を数学的に研究する分野があることを知り、もともと数学が好きだったこと、数学が具体的に世の中の役に立つということに面白さを感じ、大学院への進学を決めたのです。

このように私は部活動を通して、いい出会いや経験を得ました。部活やサークルに所属している学生の皆さんにもそうでない皆さんにも、進路を決める気づきはいつか突然やってくることと思います。けれど、それが起きる可能性を増やすため、皆さんにはいろいろな場所に行き、そこでしかできないことやハプニングを楽しんで欲しいと思います。

海釣りに使うシーバスロッド
海釣りに使うシーバスロッド。船からでも、浜から投げても使えるので愛用している。子供時代から釣りは好きで、去年までいた秋田ではよく海釣りに行っていた

『REVENUE MANAGEMENT』(KAP)
大学院への進学時に、指導教員の先生が買ってくださった『REVENUE MANAGE-MENT』(KAP)。値引きや在庫管理などに関する本で、今でもよく参考にしている